ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

アメリカは本当に複雑な国

97歳の父親と2週間半を一緒に過ごして、ソノマへ帰ってきました。札幌の蒸し暑いこと!ほとんど切れそうでした。

 

毎日、青い空のソノマへ帰り、我が家でほっと一息ついてテレビをつけると、「警察官が銃で撃たれて即死」のニュース。犯人は精神的に不安定な黒人。精神不安定の人たちが適切な医療処置を受けられず、社会に放置されています。これも突っ込んでいけば18歳以上は成人として扱われるから、強制できない法律があるし、、、医療費を払うことが出来ない貧困層がたくさん存在するし、、、それは複雑。

 

その次は同姓婚が合法になったにもかかわらず、ケンタッキーで結婚を認定する役目の州の職員が認定する署名を拒否して、裁判官が刑務所(多分拘置所)へ入れる命令を出しました。キム・デイヴィス(49歳)という女性は聖書に書かれている結婚は男女の間でのみ認められるという彼女が信じる宗教観に反するから署名できないというもの。

 

宗教の自由と同姓婚の権利がぶつかっているのです。

彼女をサポートする人たちが小さな町に5000人も集まって、子供たちの安全を守るために学校を休校にしたり、保守派の大統領選挙の候補が応援に駆けつけて、この問題を政治に利用したりと、それは複雑。

6日間の拘置所から出てきた彼女の今後の動きは、、、裁判官は法律に反して、再び同姓婚認定を拒否したり阻害したら、再度拘置所へ戻すといっています。

 

常識的に考えたら、彼女が辞職するか解雇って思うけれど、解雇は宗教の自由を認めないことになるから出来ないし、彼女は辞めないとがんばってるし、他人事だから、遠くから見ているだけだけれど、これを解決しなくちゃならない関係者たちは大変だと思うな。

日本でも二人の中学生が殺されてた哀しいニュースが流れていましたが、殺人事件の件数は減っているというコメンテーターの声もありました。

憲法改正が起きるかもしれないという不安など、いろいろありますが、それでもほぼ単一民族の国で、その価値観もそれほど大きく違うことがない人たちが住んでいる、日本という国は安全で平和な国だと覆います。

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ウンブリア地方とアドリア海

今回のイタリア行きは、長年のワイン関係の友人であるベルギー人のアニカとマークにローマで落ち合って、レンタカーでウンブリア地方を通過してアドリア海まで行く旅です。

 

再会のハグをして、早速ドライブ。2時間ほど走って、途中でランチの時間をとり、それから中世期の町、ノルシアまで行く予定です。

ビール、エスプレッソ、トイレタイムでチブロンという町に寄った時のこと。

相棒がイタリアは思ったよりキャッシュベースなので、ユーロを少し手に入れたいからと、駐車場へ戻る途中で銀行の外にATMがあるのをみつけて、早速カードを挿入。ボタンを押しているうちに彼のカードが取られてしまったのです。まるでコメディの世界。銀行の中に入って説明、パスポートを見せたり、いろいろ手間取って、銀行員自らが機械を操作したけれど、ユーロは出てこなくて、ダメージを受けたカードをもらって退散。

 

こんなの初めてで、愉快でもあり、不可思議でもあり、、、。そのカードは旅行中は使えなくなってしまいました。

その後は、小さな町はやめて、多少大きめの町で他のカードを使ったら、これは大丈夫。

クロトリュフと猪のサラミ、キノコの産地でもある紀元前にできたというノルシアの町に無事到着。暑いのなんのって、、、。

古いけれどきちんと維持されているホテル。冷房も効いてました。この辺りの嬉しい習慣はアルコール飲料を頼むと、必ず、かなりの量のおつまみ、サラミであったり、モッツレラ・チースにトマトであったり、ナッツにチップだったりと付いてくるところ。小食の方ならこれを食べているだけで夕食はいらない。(笑)

翌日はアドリア海に面するビーチタウン、セニガリアに向かって出発。

途中でレンズマメの産地というそれは小さな村、ステルチアに寄りました。平地(盆地)は一面、野菜とレンズマメの畑。この豆の花は紫色で、綺麗でした。

途中で羊の群れが道路を横切って、しばらく彼達が通過するまでのんびり羊鑑賞。

畑は平地、家々は丘の上の岩肌にへばりつくように立っています。人々は清潔にきちんと暮らしている様子です。私達が家の前を通ったら、洗濯物を干しながらニッコリと挨拶してくれました。

セニガリアに到着。この辺りのビーチでの楽しみ方はカリフォルニアとは全く違ってて、コンセプトは日本の海水浴に近いかも。海辺にパラソルが何百と整然と並んでいて、訪問客はレンタルするらしい。パラソルの後ろにバーやレストランやコーヒーショップがズラリと並んでいます。一日中、海岸で過ごすんですね。

実は私の誕生日だったので、マークが星二つの魚介類専門の素敵なレストランを予約してくれました。床が真っ赤なのが印象的。私のリクエストで、イタリアのワイン、できるなら地元のワインを選んでもらって、さっぱりした白ワインを楽しみました。

ウンブリア地方のワイナリー訪問に向かう途中で一泊した町はローマが出来る前に生まれていたという町アスコリ・ピセノ。旧市街を取り囲んでモダンな街並みもあるのだけれど、私達は旧市街の古いホテルに滞在。

プラザにたくさんの人々が集まってきます。夕食前に一杯後、みんな消えていくのです。この町に住んでいるマークの友人がこれから家に帰って夕食をして、また夜になるとみんな出てくるんですよと説明してくれました。

夕涼みの一杯を楽しみながら、若者達を観察。大学は近辺にないので若者のほとんどが高校生。金曜日の夜とあって、カジュアルにでもクールに決めた男女、あるいは男だけで歩いてきて、古い厳かな劇場の階段に座っています。どこの若者も同じでそこで男女の駆け引きが行われているのです。それを楽しく眺めてる私は、おばさん。苦笑。

気の遠くなるように長ーい歴史と習慣、伝統と共に、人々は暮らしています。

パスタとコーヒーが美味しかった。海岸地方のレストランでは、crudoと呼ぶ一品(刺身をオリーブオイルでいただく)がメニューに載っているので驚きました。猛暑のため、室温で出てくるのがちょっと恐ろしかったですが、確かに新鮮ではありました。マークとアニカは,嬉々として食べてました。

各町について数回に分けて詳しく書きたかったのですが、明日から実家へ帰るので、はしょって、しかも長くなってしまいました。

 
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イタリアへ行ってきました。

まずは異常な暑さに閉口。日中の温度は30度は軽く超えていて、夜になっても20度。その上、湿度が高いのだから、カリフォルニアの天候に慣れた身にはきつかったです。

初日はローマ。何度訪れても威厳のある石造りの大きな建物に感動(圧巻)させられます。

飛行機が大幅に遅れて夕方に着いたので、暑い中、とりあえずホテルの近所(翌日気が付いたのですが、有名なプラザがありました)をちょこっとだけ歩いて軽く夕食ができそうなところを探しました。あまりの暑さに妥協して入ったレストランはツーリスト向けでした。サービスは遅いし、食べ物はひどくまずいし、チップを要求されるしで失望。

今回のローマ訪問初日の結論は、妥協してレストランを決めないこと、ツーリスト向けのレストランは避けたほうがいいこと、イタリアだからローマだから料理はどこでも美味しいというのは間違っていることでした。それからイタリアでは原則的にチップは必要ないことをその夜にチェックして知りました。

翌日は暑さにめげずに、徒歩で観光。スペイン広場、トレビの泉、パルテノン宮殿など、徒歩可能なところにあって歩いてるとそこへついたという感じで、たくさんのツーリストに混じってちょこっと見て移動。相棒がなんとなく選んだホテルの場所は当たり!

朝にカプチーノ、その後はエスプレッソを飲むのが習慣とか。あまりの暑さにエスプレッソにアイスを添えてというと、どこでも快諾。カプチーノといい、エスプレッソといい、10日間の滞在中で、味にハズレがありませんでした。

どこの国でも、今までの私の経験では(わが町ソノマも含めて)、「これってカプチーノじゃないよね!」っていうのや、「まずい!」というのを出されたことがあるので、イタリアのコーヒーの美味しさに感激。というと相棒はまたコーヒーの評価?と美味しさには同感しつつも、目が宙に浮く。

1700年代にオープンしたというスペイン広場の近くの通りにあるカフェ・グレコのカプチーノの美味しかったこと!一杯が7ドルと高かったけれど、その歴史に満ち溢れた室内の雰囲気と最高に美味しいカプチーノで、その価値はありかな。

知人のソムリエがホテルから徒歩可能な場所にあるレストランをリストアップしてくれた中のひとつピッツア屋さんが入っていたのでにランチに行ってみました。

入り口を入ってすぐのスペースは小さくて、(奥にも部屋があるようでした)冷房なし。ピッツアの焼き釜の熱を感じながらの食事。ピッツアを焼く職人さんが個性的で、暑いので通りに沿った扉も開けてあって、お客さんがそこから入ろうとすると、大声で「入り口へ回れ(イタリア語だから想像だけれど)」と大声で命令してます。このピッツア屋さんは日本を含むアジアのガイド雑誌かなにかで取り上げられたようで、私たちが食べている間に、日本人2カップル、男性一人、それに7、8人のアジア人(多分中国人)の2つのグループがやってきました。

今回はグループでぞろぞろ歩く日本人は見当たらなくて、2人ほどで旅をしている人を見かけました。その中で日本人も変わったものだなあと、良くも悪くも感じた場面がありました。

男性と一緒の30代半ば?くらいの日本人女性が入ってきました。奥の部屋に通されたのですが、ピッツアを焼いているカウンターの中へニッコリと微笑みながら入って、そばで食事をしていた若い日本人のカップルにシャッターを押してくださいと頼んでピースのポーズをしてパチリ。幸いなことに厳しい職人さんは一時休憩で、若い職人さんだったので、黙ってましたが、怖い職人さんだったらどうなってたのかなあと思いました。忙しいまっただなか、それも小さなカウンター内に躊躇なく入っていく彼女を見て、複雑な気持ちでした。職人さんに対する気遣いが感じられないからです。しばらくして今度はメニューを持って会計を担当している女性のところへ行ってオーダーをしているのです。太ったイタリア人の会計担当のおば様が手を振りながら話してたから、ウエイターにオーダーしてくださいと言ってたのでしょう。ちょっと観察すればウエイターが汗をかいて飛び回ってるのに気がつくはずです。

昔の遠慮しっぱなしだった日本人の正反対に成長?した日本人。あまり良い感じじゃなかったですね。写真のシャッターを押すように頼まれた若いカップルはお行儀よく食べて、支払って出て行きました。

カリフォルニアでもピッツアはよく食べられています。なので、なぜローマでピッツア?と思ったのですが、ドゥがパリパリ。でもこれはソノマでもあります。ユニークなのはチーズに生卵とミルクを混ぜているところ。カウンタのすぐ側のテーブルだったので見えました。チーズの部分の味になんとも言えないコクがあって美味しかったです。そして大きなピッツアが10ドルと安いこと。

古くて巨大な大聖堂の隣に立つ家族経営のレストランでの夕食もローマならでした。女主人が料理はもちろん暇を見て自ら接客にも采配を振っている頑固で強い映画ん出てくるようなイタリア人女性のレストランの家庭料理。美味しかったです。パン、前菜、メイン、デザートのコースがひとつだけで、メニューからのチョイスはありません。で、お一人様25ユーロ。お会計はこの女主人が来て片手の指5本をパットあげました。そして50ユーロを現金で渡すと「グラッチェ!」レシートはなし。このレストランも知人のソムリエのリストに載ってたもの。

ローマで過ごしたのはほんの2日だけでしたが、星付きのレストランではなくて、庶民的なところを回ってみて、これも楽しかったです。

翌日からはベルギー人の友人と一緒にアドリア海に向けてドライブ。

 

 
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