ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

キューバ

先日、キューバへ行ってきました。6日間のうち1日だけタバコ栽培、葉巻の産地であるヴィニャレス(ハバナからバスで34時間ほど)へ行きましたが、後はハバナ市内をうろうろ。

ハバナの知人のガイドで旧ハバナ市街へ行ったのですが、乗ったタクシーはソ連時代のものでした。がっくんがっくんしたけど動いてました。

50年代のアメリカ車が轟音と排気ガスを派手に撒いて走っています。新しい車は高いし米車は経済制裁で買えないから、壊れたら直しながら使ってるのです。アメリカとの国交が回復して経済制裁が解けたら、この車を買いたいアメリカ人がたくさんいると思うよ。

 

          

旧ハバナはスペイン所有時代の1617世紀に建てられたもので、1982年にユネスコが世界遺産に指定したため、キューバ政府が復旧。まるでスペインにいるような錯覚を覚えました。

旧ハバナの外に出るとイギリスとスペインが混じった、昔はさぞかし素敵だっただろうなと思わせる建物が並んでいるのですが、痛みが激しくて住めない建物も多くありました。知人が「早く復旧しないと、復旧が出来ない状態になって破壊しなければならない」と哀しそう。

物質不足は明らかでした。ラム以外は(笑)。フルーツとか野菜はスーパーではほとんど見られなくて、道路わきの小さな屋台みたいなところで、古そうなプランティンや未熟そうなトマトなど数種類が少しだけ売られてました。

最初の2日間は高級ホテルに泊まったので、照明がちょっと暗い程度で、後は普通でした。テレビもCNNを見ることができました(笑)。その後は知人のお嬢さんのハバナ大学の向かいにあるアパートを借りたので、庶民の暮らしを垣間見ることが出来ました。

トイレットパーパーが足りなくなったから、スーパーへ買いに行きました。自分で手にとってショッピング用バスケットに入れるという光景は見られなくて、並んでトイレットペーパーをくださいというと、カウンター内のケースに置いてあるのを渡してくれて、その場でお金を払うというシステムです。

電気製品は限られていて、あまり性能はよくなさそう。「政府が税金をたくさんかけるから、すごく高い」と知人。

テレビはCNNが見られないのはもちろんで、それはいいのですが、アンテナをいろんな角度に動かして映像のぼけたのを直すという、昔のままのテレビでした。

カストロが起こした革命で、学費と医療費は無料、医学生が僻地の家庭を訪問、男女平等が実践されて、アメリカと独裁者がコントロールしていた時代より一般庶民は(裕福層は別として)暮らしやすくなったはず。でも今の状態を見ると、、、、。

アメリカとの国交断絶と経済制裁から50年たった今、コンピューターはあまり普及していないし、物質も不足しています。

アメリカからは輸入しなくても中国やヨーロッパの国とは貿易が出来るはず。なのにどうしてこうなってしまったのかなーと、、、、。

でも人々は明るくてフレンドリー、一生懸命に生きています。サルサの音楽があちこちで演奏されてます。音楽部の学生が大聖堂でコンサートのために練習をしていました。

政府は思ったほど言論の自由を制限していないようで、「天気が女心と政府の政策のようにくるくると変わる」とジョークを飛ばしてました。カリフォルニアから来たというと、「一日も早く国交が回復して経済制裁が外れる日を待ってる」と話してました。もちろんそれ以上の深い政治の話はお互いに避けましたが。

共産主義でも社会主義でも資本主義でもいいから、一般庶民が幸せに暮らしてほしいものです。

一日でも早く、キューバの人々が、もう少しだけ物質的に(現代の資本主義国のようにあふれるように物があって、物質至上になる必要はなくて)豊かに暮らせる日が来るといいな。カストロ政権の賢い選択に期待したい。

 

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訪問してみたい土地に住む悩み

 

ナパとソノマはカリフォルニアワインの産地としてよく知られています。特にナパは有名でカリフォルニアワインというとナパと思っている方も少なくありません。その訪問者の数はディズニーランドの次に多いそうです。

最近、ソノマを訪れるツーリストもぐーんと増えました。木、金、土、日そして祝日のソノマのプラザは群れを成してぞそぞろ歩くツーリストでいっぱいです。住民としては我が町はいずこへ?と複雑な気持ち。

ツーリストたちはホテルやB&Bに宿泊するだけではなくて、ヴァケーションハウスをレントすることに魅力を感じているらしいのです。

我が家はプラザから車で20分ほど。ブドウ畑や放牧場、乗馬の稽古場があったりして散歩にぴったりの土地で、週末には車でここまでやってきてグループで散歩する人もいるほどです。

先日、私道に住む6件の家が集まって、道路の舗装修理をする話し合いをしましょうというので行きました。我が家を除いて他の家は豪邸です。

集まったのは数年前に越してきたカップルの家でした。奥様は法律学校の教授、ご主人は医者です。このカップルは母屋をヴァケーションハウスとして貸し始めたのです。私道の丘のてっぺんに住むカップル(こちらもお金持ちでクラシックカーを数台持ってます)が、「お宅のヴァケーションハウスにやってくるお客さんには辟易している。道に迷ってうちまで来て、ドアをノックする。そんな客のために道路の舗装修復をするお金は一切払わない」といって、ご主人のほうはさっさと席をはずしました。そして奥さんが震えながら涙声で「ようやく安全な土地を見つけたと思ったのに、見ず知らずの人がやってきて、私は怖くてたまらない」と訴えるのです。

もう一つヴァケーションハウスが出来て、所有者はサンフランシスコに住んでいて、貸してるわけです。上の写真の家です。ITか投資家だと思いますが、お金持ちであることは言うまでもありません。その隣は古くから素敵な豪邸に住むお医者さんで、温和な方ですが「隣の家がヴァケーションハウスになって、プールが我が家の寝室のすぐ側で、夜遅くまでどんちゃん騒ぎをしていて、ちょっと困惑している」といいました。

このヴァケーションハウスを所有している2カップルは、「よく理解できます。お客さんには、詳しい指示書を書いてきちんと渡してあります。それでも何かあったら、すぐに連絡してください」と強調します。ちなみに投資家らしいカップルの奥様はつんとした女性で(あんまりいい感じじゃなかった)毛がふさふさの犬を連れてやってきたのですが、クラシックカー所有のカップルの奥様が訴えてる最中に、「こんなの最低!私も帰るわ!といって消えました。連れて帰った犬が勝手に戻ってきましたが、、(笑)

で、私はというと「わあ、お金持ちの人たちの争い???」と戸惑いっぱなし。でも意見を聞かれて「自分の家の隣に知らない人が入れ替わり立ち代りやってくるのは歓迎しないけれども、でもその家の所有者がどんな風に自分の家を使おうが彼たちの権利だし、、周囲の住民のことも考えて、責任ある態度でヴァケーションハウスを経営してください」としかいえませんでした。

おりこうさんの私のコメントに、ヴァケーションハウスの所有者の2カップルは(帰ってしまった奥様は除いて、笑)「サンキュ!とにっこり。

後で聞いたのですが、最近この私道にある家を買った新しい住民がやっぱりヴァケーションハウスにするつもりだったそうで、このミーティングの話に恐れをなして、売りに出すそうです。

こういう問題が、あちこちで起きてるはずです。

ソノマの市内(私の家は市外になります)は1ヶ月以上住むのでないとレントは禁止という規則があるそうで、この問題はすでに始まっていたんですね。

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フォアグラ解禁

フォアグラが解禁になりました。カリフォルニア州ではフォアグラの販売生産が2年半前から禁止になっていました。

カリフォルニア州の動物保護団体が州議会に働きかけて法律を成立させたものです。フォアグラ擁護派がフォアグラ禁止法は違反だと控訴していたのですが、フォアグラ禁止法は連邦政府が規定する法律に違反しているので、憲法違反だという判決が出されました。

この判決を受けて、さっそく、フォアグラ料理を出すレストランが出てきています。

動物愛護団体の主張はカモやガチョウに強制的に餌を与えて肝臓を肥大にするのは動物虐待だというものです。

ソノマにソノマ・フォア・グラという会社があって、農場も所有して、新鮮な品質の高いフォアグラを出荷して商売繁盛だったのですが、この法律が制定されて、カリフォルニア州で法律が制定される当時はたった一つしかなかった会社が閉鎖に追い込まれ、家族はその後、生計を立てるのにとっても苦労していました。

この法律が廃止になっても、フォアグラ販売が許可になったというだけで、フォアグラ生産(フォアグラ生産を目的に農場を持ってカモやガチョウを飼う)はまだ禁止なので、会社閉鎖を余儀なくされた家族にとっては会社再建はできません。

私はフォアグラを食べなくても大丈夫ですが、カリフォルニアの動物愛護団体の視野の狭さに、ちょっとむかついてます。たった一社しかない会社を潰して満足してるのでしょうか?アメリカの他の州やヨーロッパでは依然として(もしかしたらソノマの会社のように放し飼いではなくて、ケージに入れてチューブで餌を強制的に流しているかもしれない)フォアグラのビジネスを世界的に展開しているわけだから、この法律の影響は一つの会社を潰すこと、カリフォルニアの州民はフォアグラを食べられないということでしかなくて、どのくらいのカモやガチョウの命を救ったのかしらね。

好みとしてはフォアグラをさっと炒めて照り焼き風のソースをかけたのが好きです。フランスに行くとパテがよくでてきますが、こちらはなぜかしらファンではありません。フォアグラとデザートワインが組み合わされます。確かに美味しいですが、ソティ(フライパンでやいたもの)は赤ワインでいただくのほうが、私は好きです。

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