ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

冬に楽しむハンガリー料理

このところ毎日雨降りです。ゆっくり降ってくれたらいいのですが、豪雨で、あちこち洪水騒ぎ。でも3年ほど旱魃が続いているので、この程度の雨ではまだ追いつかないとのことで、雨歓迎! です。

金色だったブドウの葉が落ちて、すっかり冬景色になりました。そして旱魃のため昨年は茶色に枯れていた野原が雨のおかげできれいな緑色。この土地らしい冬景色です。

気温は14-15度ほどで、北海道なんかに比べたら暖かいということになるのですが、この土地に慣れた身には、ちょっと肌寒いというところです。

そんなある夜に、友人を招いてディナーパーティを開きました。テーマは冬に食べたらほっこりした気分になる料理というので、相棒がハンガリーの煮込み料理に腕を振るってくれました。

ハンガリーというと煮込み料理のほかにフォアグラをたくさん食べるのですが、カリフォルニアはフォアグラを売るのもフォアグラ用のダックを飼う農場を持つのも禁止という法律があるので、断念。動物保護団体の運動で州議会はこの法律を成立させたわけです。

ゴートチーズ、ギリシアスタイルのヨーグルト、それにハンガリーのパプリカを入れてミックスしたのをエンディーヴにのせていただく前菜とドメーン・カーネロスの2008年スパークリングワインで、まずは冬の到来を祝って乾杯。

で、メインはフォアグラは無くて、子羊のグーラッシュとチキンパプリカッシュ(どちらも煮込み料理)をダンプリング(小麦粉を水で溶いて沸騰したお湯に入れて浮いてきたら掬い取るー要するにだんご?)でいただきました。ワインは2012年グルナッシュと2005年のカベルネ・ソーヴィニヨン(きれいにこなれていました)と2012年リオハ(スペイン料理がテーマだと勘違いした友人が持参)。よくマッチしてました。

デザートはハンガリーのデザート(東欧のデザートでもあるようですが)で、チェリースープ。酸味の利いたチェリージュース(ビッターーチェリージュースとよんでる完熟前に摘んだチェリーから作ったもの)にシナモンを入れてチェリー(季節がら冷凍)をさっと煮るだけの簡単なデザート。お好みでサワークリーム(正統派)かウイップクリームをかけていただくというもの。サワークリームのほうが味にコクを加えてくれるので、私は好みでした。写真は友人が張り切ってスプーンできれいにサワークリームをかけてくれたものです。フレッシュで甘くないデザートというのが受けました。

これにハンガリーの特産、トカイというデザートワインを合わせました。トカジってよむの?なんていう質問があったりで、にこにこでした。

この二つの相性はもちろん抜群。

「スペインをテーマにしたディナーは夏になったらね」ということで、この夜はみんな心も体も温まってお開きでした。

 

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ワインカントリーは秋色

ワインカントリーは秋色

私の故郷、札幌はもうすっかり冬のようです。ソノマは毎日良いお天気が続いていて、植物はこの暖かさに勘違いして、春を目指して活動し始めるんじゃないかしらなどと思っていましたが、今日は雨がしとしと、気温も下がって晩秋という風景に変わりました。

庭のりんご、スモモ、桃の木は、それはきれいな色に紅葉してます。ブドウ樹の葉もしっとりとした黄色に変わりました。「今年も御苦労様でした」と声をかけてます(笑い)旱魃にもかかわらず、ソノマ。ナパ周辺のフルーツとブドウは豊作でした。

そして11月1からこの辺りが産地の蟹(Dangeness Crab)漁が解禁になりました。捕獲していいのはメンドシーノの海岸とモントレー湾。サンフランシスコ湾とサンパブロ湾(サンフランシスコ湾とつながってます)は繁殖地域なので禁猟。

初物をいただこうと、友人とソノマのプラザにあるレストランで蟹サラダと、ローカルのスパークリングワイン、ドメーン・カーネロスのブリュットとでランチ。

身がしまって甘味があるDangeness Crab がたくさん持ってあったので堪能しました。

このブドウ樹の葉は赤みがあってきれいですが、病気がついています。数年後には引き抜かれていることと思います。

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上海

先週半ばに雨が降りました。待ちに待った雨ですが、例年なら、この時期に雨が降ると収穫に影響が出るので、はらはらします。でも今年はブドウの生育が早くて、大半のワイナリーでは収穫がほぼ終わっていたので、安心して雨を迎えました。多く雨が降ったわけではないので、カベルネなど摘んでいなかった畑でも影響は出なかったと思います。

初めての上海でした。空港から市の中心までタクシーでいったのですが、すでに喉がいがいがしはじめて、空気汚染は中途じゃないなあと実感。スポッツウッドのベスが建築中のビルが続くのを見てクレーンを数え始めたら、20ほどありました。すごい建築いブームです。

市の中心地には個性的な高層ビルがあちこちに見えます。ビールのオープナーのような建物、中近東をイメージさせるタワー(テレビ等?)などなど。夜になるとビルのライトアップが華やかでブントと呼ばれる川沿いの散歩道に沿って歩きながら眺める夜景は、まるで香港のよう。

それにしても人口密がすごく高そう。中心地は人であふれています。東京も人が多いですが、東京は多いなりになんとなく整然とした一定のリズムで人々は歩いてるように感じます。そして上海では列があってもないようなもの。だあっと押し寄せます。日本も10年位前はそうでしたよね。

若者たちはとってもおしゃれです。近代的な暮らしを謳歌しているように見えました。小路に入ると昔ながらの家が並んで、高成長のブームがやってくる前の中国をちょっとだけ思い起こさせます。

共産主義の国に入国するのだと思って、空港での入国検査を通過するときは、少し緊張したのですが、とってもカジュアルで開けた国という印象でほっとしました。あちこちにスターバックスがあるのは世界共通ですね。

ホテルのテレビでCNNを見てました。香港の学生たちがデモや座り込みをしている場面がCNN流で何度も報道されてたのですが、翌日、香港のレポートになると番組が、ふっと消えてしまうのです。そしてイスラム教国の報道になるとぱっと番組が戻るというのが繰り返されてました。それとグーフル、Gメール、フェイスブックは使えませんでした。開けた国、お金持ちがたくさん出始めた国。でも共産国の政府の存在が、感じられました。

郊外に昔のまま残っているウオーター・シティという小さな町があるので行ってみたらいいよという上海に住む友人の勧めで、一般の人に混じって普通のバスで2時間かかって行って見ました。人民広場で乗って、最終バスターミナルまで行けばいいというのです。で、人人が乗車したり、下車したりするのを公害にむせながら(私はマスクにサングラス、相棒はごほん、ごほん)眺めて行ってきました。英語は一言も通じないし、中国語は手書き以外が通じないという体験。帰りはラッキーにも快速でしたがやっぱり1時間かかりました。で、美しい川は確かにありましたが、ここだ!という観光地は無くて、ただただ歩いて呆然として帰ってきた次第。

昔の上海(ヨーロッパに占領されたりした)風の並木道や建物があって、ちょっとしゃれた地区で昔の日本の喫茶店風なカフェでカプチーノとチーズケーキを楽しんで、ランチは上海料理を食べました。美味しかったです。

ワインショップのオーナーの方がランチに招待してくださいました。中華料理は油を使っているし肉料理も多いので、ワインによく合うことを再確認。カリフォルニアの赤ワイン2本、4人で飲みました。

何か軽く食べようかとホテルの近くをうろうろしてたら、白いシャツを着た男性が立っている建物にイタリアンレストランという旗が下がっているのに気がつきました。リラックスしたガードマンのようで(安全なんだなあと実感)4階にレストランがあるといってくれました。レセプションの方に頼んでメニューを見せてもらって、いい感じね。ここでちょっとだけ食べようかとテーブルにつきました。突然相棒の名前を呼ぶ人がいるので、振り返ったら、昨日のスポッツウッドのディナーにいらしていた白人男性二人が食事をしているのです。彼らの話によるとなんとシンガポールから来ている3星レストランだそうで、美味しくって弾んでしまいました。

空気汚染がなかったら、もっと楽しめたのになあと残念です。

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