ソノマの暮らしブログ

魔の免許更新

先日、運転免許更新のために隣町のサンタ・ローザにあるDMV(Department of Motor Vihicles California agency) に行きました。DMVは非常に能率が低い事務所であることで悪評高い事務所です。業務内容は自動車やボートの登録、運転免許の発行と停止業務を担当する官庁と説明されています。

諸事情で金曜日に行くことにしました。休みを取ってくる人も多いだろうから待ち時間は3時間ほどと覚悟を決めて11時30分に事務所に行きました。

外に既に20−30人ほどが並んでました。まあ、この程度ならなんとかなるだろうと楽観的に考えたのですが、太陽が照りつける外の列は一向に動きません。入り口に到着するまで2時間。

事務所の中に入って、これで一安心と思ったのですが、こちらの列もほとんど動かないのです。窓から外を眺めると、前と同じくらいの人数が列を作ってました。

「エーッ嘘でしょう!」と思わず声を出してしまったら、前後の人が同感!という表情で頷きました。

「事務所内の列もここから椅子まで続いてるよ」私の前に並んでいた男性が付け加えました。入り口の壁から直角に右側の壁に沿って長い列。壁の後は椅子に座って、受付に人が行くと、椅子を一つずれて座るという滑稽さ。でも笑ってる場合じゃないのです。

なぜこんなに事務処理が遅いのかと観察すると、なんと!たった一人の男性が受付を担当していて、必要な用紙を取りに席を立つこともしばしばです。要領の悪い人も多くて、「住所変更してますが変更届を出してますか?」「ノー」男性は受付のカウンターから出て、ピンクの住所変更届けを取りに行って、しばらくして戻ってきて、「これに記入して郵送してください。それまでは運転免許の業務は始められないからね」と優しく説明してます。イライラしたりつっけんどんな態度で応対してしまいかねないのですが、この男性はとっても辛抱強いので感心しました。

もっともカウンターにアンケート用紙が置いてあって、名前入りで苦情申請ができるので、応対には気をつけるのでしょうね。

私の前に並んでる男性は「免許更新の支払いに来ただけなのに、これだもんね。娘を学校に迎えに行かなくちゃならないんだけど、間に合うかなあ」と嘆いてます。

オンラインで支払おうと思ったけど、まだ対応できてないというのを聞いて同感。私もオンラインで手続きができるというのをサイトで読んだので、前日1時間かけて口座を設立して、いざというページにたどり着いたら、「カリフォルニアはもう少しお待ち下さい」でした。

この魔の待ち時間を避けるには、予約を入れること(予約は早くて3週間後の朝9時が空いていた)、他の町の事務所へ行くことの二つ。他の町だと1−2時間待ちだと前列の男性が教えてくれたけれど、二人とも、数時間の待ちを覚悟でサンタローザヘ来てしまったのです。

彼は朝食も食べてないと言います。私は朝食は軽く取って、3時間待っても2時半には終わるだろうから、更新終了後にどこかのレストランでランチをしたらいいと思ってました。

ところが受付にたどり着くまでさらに2時間。列は永遠に動かないかもという錯覚に陥りそうでした。

3時半になりました。お腹が空いて血糖値が下がって、頭がフラフラして体が震えてきました。自動販売機も何もありません。近所にも何もないのです。

このまま帰って出直そうかなとも考えて、きつそうななおばさまが受付のカウンター内でなんやかやと動いていたので聞いてみたら、またこの列に並んで同じことを繰り返さなければならないというのです。

ようやく私の番が来て予約受付のカウンターで番号札をもらいました。これからまた番号を呼ばれるまで別の椅子に座って待つのです。

隣に座った綺麗な若いお母さんと「信じられね」という会話になりました。赤ちゃんと3歳になる子供をおじいちゃんに預けてきたので、心配だと暗い表情。彼女も更新支払いに来ただけなのに既に4時間待ってるといいます。

血糖値が下がって気分が悪いと言ったら、表示される番号を見て計算して、私の番号が呼ばれるまで最低45分はあるから、食べ物を探してくればいい、席はとっといてあげるからと言ってくれました。もう、これ以上の空腹は耐えられないと覚悟を決めて車を走らせたらセブンイレブンが見つかったので、フラフラしながらチョコレートとバナナとナッツを帰って席まで戻りました。

怖いおばさまがアンケート用紙を配ってます。二人で積極的に受け取って、質問に答えました。第1行目にサクラメント(カリフォルニア州の首都)の担当官庁の言葉としてファーストクラスのサービスを目指していると書いてあるので、マジ?と呆れました。「サービスは極端に不満」というボックスを二人ともチェック。

待ち時間に夫にメッセージを入れたら、「働いている人のせいじゃないから、意地悪な態度をしないように」というメッセージ。なるほど。この非常に能率の低いシステムを指示してる人はだれなんだ!この事務所の管理者の責任だとむかむか。

食べ物の効果が出て、ようやく落ち着いたら、私の番号が呼ばれたました。若い綺麗なお母さんが良かったネットにっこり。

手続きが終わって無事に免許更新ができたのは4時半。帰りがけに椅子に座っている女性と目があったので、指を5本示して「5時間!」と言ったらうなづいて、「朝8時だと空いてるだろうと思って来てみたら、長〜い列で一向に動かないので、一旦家に帰って午後2時にここへ戻ってきたの」と話してくれました。彼女は多分3時間待ちでしょう。

サンタ・ローザの事務所だと、何曜日でも何時でも結局は魔の待ち時間を体験しなければならないということなんでしょう。

サンフランシスコ空港とか銀行とか、ショップなどはコンピューターを駆使して、能率的にどんどん処理してくれることに慣れていたので、5年ぶりにひどく能率の悪い事務所を訪れてショックでした。

コンピューターが発明されて錚々たるITが集まっているシリコンバレーがあるカリフォルなのに、なんでこんなに脳率が悪いままなのか不思議でした。

民間は利益集中主義だから、お客さんの心地よさ、便利さに重点を置いているけれど、官庁は何時間待とうがさして問題にしないんだなあということに気がつきました。そういえば町にある郵便局(政府が所有)もいつも長〜い列で、じっと待つのが当たり前。そしてカウンターの半分の窓口は空席。

アメリカ(カリフォルニア)の官庁は住民に冷淡なのでしょう。

外に出ると来た時と同じように人々が並んでました。

どこのお役所も多少はスローかもしれないけれど、札幌で5時間待った経験はありません。

ニュルンベルグの文書センター