ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

ささやかなお雛様

窓際のテーブルで春めいた日差しを浴びながら、遅めの朝食を取っていました。今朝のメニューはオーガニック専門のスーパーで揃えた、ラズベリー、ブルーベリー、刻んだ梨半分とバナナ半分にラクトースフリーのプレーンのヨーグルトとホワイト・チア・シード(Chia seed)をかけて、炭水化物はオーガニックのマルチグレイン・ワッフル。色が綺麗です。

「今日も良い天気で、気持ちがいいなあ。でも雨が降らないと干ばつになって、また夏にあちこちで山火事が発生することになるかも、、、」心の中でぶつぶつ言ってたら、早起きの圭子さんからメッセージが入りました。

「おはようございます。お雛様が近いのでお赤飯を作りました。餅米蒸して!良かったら持って行きましょうか?」

「わあ、懐かしいですね。ぜひお願いします」

「えっ、もう3月、そしてお雛様?」と軽いショック。ほぼ毎日、家で過ごしているため日月の感覚が薄れてしまったのです。

早速、母が送ってくれたお雛様を飾りました。

あでやかです。お部屋が華やかになりました。

「何段にも飾られたお雛様が売られているけど、全部アメリカに送るのは大変だから、内裏雛だけにしたからね。デパートの人が丁寧に梱包してくれたから、壊れないでで届くと思うよ」懐かしい母の声を思い出します。

母は2014年2月末に亡くなったので、すみれ色の着物を着た若き日の母の写真の前に飾ったお花が、まだフレッシュです。母が好きだったピンクと白の花のブーケを娘が買ってきてくれました。

お雛様を送ってもらってからもう15年以上の月日が経ちました。遠い日のようでもあり、ごく最近だったような気もします。

年金暮らしの中で、母が貯めたお小遣で送ってくれました。

破損なしで無事に届きました。

「なよみがお嫁に行ったら、彼女にあげてね」

「うん、わかった、約束する。ありがとう」

3月3日から4時間遅れて4日に生まれた彼女の孫は、未だに独身なので、お雛様はまだ我が家にあります。

2016年に「カリフォルニアワインの里 ソノマの暮らし」と題する本を出版しました。(アマゾンで購入できます)私のことを心配してくれる友人に、ソノマでこんな風に暮らしてるよということを知ってもらいたいなと思って書いたものです。

もうカリフォルニアにやってきて35年くらいになるのですが、札幌へ帰ると必ず時間を作って会ってくれる友達がいます。札幌地方裁判所の速記官の先輩は、そんな友人の一人です。

偶然なことに、先輩の自宅から歩いて行かれるところに父(2016年に亡くなりました)の老人ホームがありました。一人でも多くの人に父を訪ねてもらいたいという私の勝手な気持ちから、手紙を先輩宛に送るから父に持って行ってほしいとお願いしたら、快く引き受けてくれました。手紙がない日もちょくちょく訪ねてくれました。

本の中にお雛様という項があります。先輩はその項を父に読んであげたそうです。

お雛様と一緒に送られてきたオルゴールから流れる「明かりをつけましょぼんぼりに、お花をあげましょ桃の花」を聴くとほろっとすると書きました。先輩はその箇所で、父の前でその歌を歌ったのだそうです。

「西井さんは笑ってました」という報告をくださいました。目を細めてちょっと口元をほころばせて愉快そうに笑う父の笑顔が目に浮かびます。

何度も父を訪ねてくれた先輩には、何度お礼を言っても足りないです。

この歌を聴くとしんみりしてしまうもう一つの思い出が加わりました。

江別にあるイオンというデパートに母が倒れる1年前に札幌へ帰った時に、一緒に買い物に行きました。食料品売り場のアイスクリームを売っているコーナーでこの歌が流れてました。

「アイスクリーム食べる?」

「うん」と母がにっこり。

二人でベンチに座ってアイルクリームを食べました。小柄な母が足をぶらぶらさせながら嬉しそうにアイスクリームを食べてた様子が写真のようにぱっと浮かびます。喫茶店には二人でよく行きましたが、アイスクリームは、初めてで、最後になりました。母はそのことを感知して普段はベンチでは食べないアイスクリームを私と一緒に食べてくれたのだと思います。

母の葬儀が終わって、残された父と私の食料品を買いにイオンへ行きました。するとお雛様の曲が流れていました。二人でアイスクリームを食べたベンチを見たら涙が止まりませんでした。

日本には四季ごとに様々な行事を祝う深い文化があります。

自然と向き合って季節をめげる日本の風習を、私なりにソノマで楽しみたいと思っています。

今年はコロナのため、友人を招くこともできず、我流ちらし寿司と、家庭菜園に冬なのに元気に育っている三つ葉を入れたお澄ましで、家族だけのささやかなお雛様を祝いました。

そして両親のことを思い出すしんみりとしたお雛様でもありました。

、昨年植えた小さな桃の木に花が咲いたので、歌にちなんで写真を撮りました。

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散歩とお弁当

ソノマ市が設置した散歩道を歩くことに加えて、もう一つの楽しみを見つけました。

ウオーキングの後に、お弁当を食べることを思いついたのです。

お弁当を食べる前に散歩道をウキウキしながら30分歩きます。早くお弁当が食べたくて急ぎ足になります(笑)

一人でお弁当食べる(ピクニック)場所は散道の終わり(始め)にあるセバスチャーニという大きなワイナリーのブドウ畑です。畑に沿って芝生があってピクニックにぴったりの場所があるのを知りました。

家族連れやカップルが数人同じようにランチを楽しんでいますが、かなり離れているので、一人という感じにさせてくれます。時々若い女の子が一人で囲まれている木々にハンモックをかけて休んでます。

芝生にサイドに小さなテーブルが付いた折り畳み式の軽い椅子(いつも車に積んであります)を置いて、ブドウ畑を後ろに、道路を向こうの遠くに見える小高い山とブドウ畑を眺めながら、お弁当を食べます。

アマゾンで日本のお弁当ボックスをみつけたので購入しました。それに5時間温度が落ちないという保温マグも買いました。

お弁当に卵焼きは絶対に欠かせません。お弁当には必ず卵焼きを詰めます。母が作ってくれた卵焼きの味からちょっと外れるけれど、卵焼きを口に含むと母を思い出して、幸せな気持ちになります。

一人でランチって寂しくない?って思う方もいらっしゃるかもしれませんね。お友達と一緒も楽しいですが、一人でお弁当を食べる時間も大好きです。開放感が最高です。

一度だけ、ピクニックエリアがあるワイナリーの庭でレイが付き合ってくれて一緒にお弁当を食べました。楽しかったです。でもなかなかレイとのスケジュールが合わなくて、今のところ、一人の時間を満喫中です。

我が家の裏庭でソノマ山を見ながら食べるランチもいいですが、家を出て車で20分のワイナリーのブドウ畑のそばでひと時を過ごすのもまたいいものです。

私は一人でレストランやカフェへ行ってコーヒーやランチを楽しむのが好きです。コロナで行かれなくなったこの時期、お弁当を食べるのがそれと同じくらいの幸せ感をくれます。カフェだとブログを書いたり本を読んだりできるけれど、ピクニックは書くことができないのが、少し残念ですが、綺麗な空気を吸って、ミュージックを聴きながらゆったりと景色を眺めると、自由に外出できないストレスが和らぎます。

一人でウオーキングをしている女性が、にっこりして手を振って通り過ぎていきます。

初めてお弁当を食べた時のことです。通り過ぎる車が、私の目の前で必ずゆっくりになるのです。

「日本人が一人でお弁当を食べてるのが珍しくて車のスピードを落とすのかしら」と、ちょっと神経質になってしまいました。ふと右を見上げると、道路が盛り上がっていることを知らせるブBUMPという標識があるではありませんか(笑)。ここを通る時、車はスピードを落とさなければならないのです。自意識過剰!

日本式のお弁当箱の次にアメリカ製のサラダランチ用の容器を見つけました。さすがはアメリカ製、でかい!

1段目はサラダのドレッシングが入る小さな容器と3箇所にチーズとかクラッカーとかを入れることができるように3つに区切られています。2段目はサラダ野菜がたっぷり入ります。

30分の散歩で少し汗ばんだ時に食べるサラダの味も、また美味しいものですね。

食後はポットに入れてきた紅茶でクッキーを食べます。嬉しさで顔がほころびます。単純な私です。

ある日、リードをはずした中くらいの白い犬と中年の男性が、芝生を歩いて近づいてきました。本当はリードを外したらいいけないんだけど、、。ふと見ると犬が用を足しているではありませんか!

「うわ、今、ランチ、食べてるんだけど」と顔をしかめてしまいました。

何気なさそうに私の前を通過。そして帰りなのでしょう。戻ってきました。

やってきた方に戻って行ったので、そっと見たら、なんとその辺りでうろうろしてるではありませんか。近づいて話しかけてきたら「一人を楽しんでるんだから邪魔しないで」ときっぱり言うか、それとも、お弁当を食べ終わってたので、紅茶はあきらめて帰り支度をしようかと考えてました。すると犬が用を足した辺りをうろうろしていたようで、糞を見つけてビニールの袋に入れてゴミ箱へ捨てるところでした。散歩道とこの芝生にはビニーツブ袋とゴミ箱が用意されています。

きちんとマナーを守る男性だったのです。

アメリカ暮らしが長くなったせいかと思いますが、まず瞬間的に否定的に(特に男性)人を見るようになっている自分に気がつきました。

雨季なので雨が降ってますが、晴れたら合間を縫ってお弁当と散歩ができる日を楽しみにしてます。

冬の日中の気温が13-17℃のソノマだからできる楽しみですね。

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古い樹と私の手

最近のアメリカはカリフォルニアも例外なく、そしてソノマもコロナの感染率が急増、一向に減る様子がありません。カリフォルニアは夜の10時から朝の5時まで外出禁止令が出てしまいました。

11月26日は感謝祭。何十年も親友のカップル宅で13人ほどで感謝祭を祝っていたのですが、今年は家族だけで食事をしました

私の暮らしは3月と同じ。外出を控えて、知り合いのカップルと庭で2メートリ離れて「ハピーアワー」と称してワイン飲みながらだべるのが2週間に一度くらい。

最近の楽しみは街に作られている散歩道をミュジックを聞きながら1時間ほど歩くことくらいです(ため息)

散歩道の入り口に大きなカシの木があります。

葉が落ちた裸木に関心が向いたのは昨年の冬。年輪を重ねて優雅に曲がっている枝を眺めて、葉が落ちた木って美しいものだなって思いました。

今まで、葉が覆っている木の形を見て、木々の美しさを楽しんでいたのですが、裸の木々の美しさを発見してその美しさを楽しみながら散歩をしたものです。

古い木の凜とした姿になんか惹かれるものがあります。

年を重ねてきたごつごつとして曲がっている枝に見とれていて、ふと私の手に思いが行きました。なんせ考える時間がたっぷりあるので(苦笑)

ある夏に札幌で先輩とランチをしてました。

「その手どうしたの?」突然、先輩が聞きました。

「どうしたのって言われても、、、」

私の手の指は関節が太くなって、両手の人差し指と中指がちょっと曲がっているのです。

色々と理由を考えました。

「よく働いた人の手だね」と他の友人が言ったのを思い出しました。

アメリカの器具は、掃除機とか鍋など、全て大きいので、力が必要で日本人の手(私の手)には扱いにくくて、手がごつごつになってしまったのかもしれないと思いました。

娘に話したら、「そうじゃなくて、関節炎でしょう」と言われました。

速記官時代に速記タイプを打つときに、キーを叩いて打ってました。それが癖になって、コンピューターのキーボードも気がつくと叩いています。その上、早く打つために人差し指と中指だけを使って叩くので、指が曲がってしまったのかと思います。

関節炎だというのが正しいでしょう。正確には変形性指関節症(自己診断)だと思います。

ボトルをオープンするのが苦痛なのも関節炎のせいなのでしょう、幸いにもこの国は男性がさっとボトルをオープンしてくれるので、不自由はありません(笑)

父親に指が曲がってしまった話をしたら、「完全に曲がったら痛みが取れる」」と教えてくれました。父も指が曲がってたんだと気がつきました。もしかして遺伝?

関節が大きくなって指輪が似合わない手になってしまいました。

でも指輪が似合わなくなってしまったと嘆くのじゃなくて、好きな指輪をはめて(小指にしか入らない指輪もあるけれど)、シワシワでごつごつとした手をいとしむことにしました。

速記タイプ、原稿を書くときに叩くように打つコンピューターのキー、、、。

本当に頑張ってくれた手です。

長い間よく働いてくれてありがとう。これからも酷使するけどよろしくね。

古樹の曲がった枝、歴史を刻んで凜とした枝のように、ごっつくなってしまった手を誇りにしましょう。

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2002 ヒット