ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

我が家に猫2匹

娘を大学入学のために送り出してから、かれこれ約10年ほど、夫と二人で暮らしていました。猫を家族の一員として迎えたのが3年前。

ところが今年の一月半ばから我が家の家族に猫と娘が加わり一緒に暮らすことになりました。

3年前に動物保護のシェルターから生後4ヶ月ほどの子猫を引き受けてメラと名付けました。4月で2歳半。いつもいつも遊んで欲しいまだまだやんちゃなメラです。

メラはお腹を動物に噛まれて瀕死の状態で助けられました。傷が大きいので手術をすることになったそうです。野良猫は一般の家族に馴染むことがないのがほとんどのケースなので、治療が終わって元気になったら、避妊手術をして耳の片方を少しだけ切って(避妊手術をしてありますというメッセーシ)野良猫生活に戻すのが一般的なのだそうです。ところが手術をしたドクターが「この猫は優しい性格なので人間の家族に馴染む可能性がある」とメモに書いたために、療養中はボランティアの家族が面倒を見て、良くなった時点でシェルターにやってきました。

その翌日、遊びに来ていた娘と何とは無しにシェルターを訪れました。病上がりでペット用のクッションに寝ていたのですが、娘が撫でると、大きな音でゴロゴロいうのです。

「ママ、この猫、大好き。うちの猫にしたい」と娘。でも娘はサンフランシスコに帰るから、私が世話をしなくちゃならないなあ、どうしようかと思案しながら、次の部屋へ他の猫を見に行こうと立ち上がって、ドアを閉めてドアの窓からメラを見たら、伸び上がって大きな目でじっと私を見ているのです。

メラが私たちを選んだのだと思います。シェルターの人にこの猫を引き取りたいと言ったら、驚いた様子で「野良猫だったことを知ってますよね?」というのですが、その意図がよくわかりませんでした。ボランティアの青年が「彼女はいろんな辛い目にあったから、優しい家族に引き取られてすごく嬉しい」と言ってくれました。

猫用品を用意して、数日後に引き取りに行きました。お天気が良い日なので、メラはベランダに出てたのですが、覚えていたのでしょう、すっと寄ってきました。この時からメラは私の猫になりました。

メラと夫と3人で暮らしていたのですが、今年の1月半ばに娘が猫一匹を連れて、ソノマの家に帰ってきました。大学と法律学校を卒業。カリフォルニアの司法試験に合格してサンフランシスコの法律事務所で過酷な弁護士業を4年続けました。

アメリカは州によって法律が違うので、連邦の法律に加えて州の法律も学ばなければなりません。例えばオレゴン州に引っ越して、弁護士として働きたいという場合は、改めてオレゴン州の司法試験に合格しなければならないのです。カリフォルの法律はややこしいらしく、アメリカでカリフォルニアの司法試験が一番難しいそうです。

日本の弁護士は良くわかりませんが、アメリカの一般的な法律事務所はクライアントに請求する金額を時間で計算します。それも6分刻みに時間を計りながら仕事をして、合計何時間かかったということで請求するシステムです。トイレに行った時間、私のメッセージに返事をする時間、ランチはもちろん、タイマーを止めます。

私から見たら時間の奴隷です。4年間、時間の奴隷として、夜遅くまで、時には土曜日も働き続けたのですが、ボスが退職して法律事務所を閉鎖することに決めたのを機会に、時間でチャージする世界から抜け出したいというので一時帰宅することになりました。

6分刻みにチャージをしない環境で一人でも助けることができる分野で弁護士として働きたいということで仕事を探しています。

娘が連れてきた猫は真っ白で濃紺色の目をした4歳か5歳くらいの猫でした。名前はユキ。雪にちなんで娘がつけた名前です。サンフランシスコのシェルターに保護されていたのを娘が引き取ったものです。

娘はユキにパティ状態の缶詰で大半がタンパク質で量を増やすための穀物が入ってない、なんとかというブランドの餌しか与えません。ドライフードは与えないという方針です。なぜかというと、猫は野生の生き物を捕獲して食べるのが本来の姿なのでドライフードを与えると腎臓に悪いそうで、年をとると泌尿器系の病気になりやすいとのこと。著名な動物ドクターの意見なのだそうです。理にかなってはいますよね。

私はメラにウエットフード(缶詰)とドライフードと両方与えていました。同じ場所で餌を与えたら、ユキがパッとやってきてドライフードを食べるのです。娘曰くユキはドライフード中毒(笑)だそうで、ユキの目の(鼻?)の届くところでメラにドライフードを食べさせないようにという注文。

で、メラの餌は私のオフィスに置いて、ドアを閉めることになりました。忘れて、ドアがちょこっと開いていると、ユキはさっと私のオフィスに行ってお皿に残ったドライフードを全部食べてしまうのです。で、オフィスのドアを開けてある時はドライフードは冷蔵庫に入れておくことと新しい規則(涙)

一人っ子(?)の暮らしに慣れていた2匹が同じ屋根の下で暮らすことになって、戸惑ったようで、なかなか仲良しになってくれませんでした。

でも最近は同じ部屋にいることができるようになりました。メラはお天気の良い日は外に出るのですが、ユキのことが気になるようで、時々家に帰ってくるようになって、夕方5時過ぎにはきちんと(笑)家に帰ってきます。

娘が猫用のオモチャを出して交互に遊ばせると2匹が順番を待って遊べるようになりました。

その光景を見ていると気持ちが和らぎます。

シェルターから猫を引き取って感じたのは、シャム猫とか(それくらいしか知らない)純粋種の猫を飼うのも素敵ですが、一生、自分の家として暮らせる場所を探している動物に安全な場所を与えてあげるというのも大切だなあということです。

今2匹の猫は安全な場所で可愛がられて暮らしています。

私は娘が帰ってきたので、楽しいのですが、娘はまだまだキャリアを築かなければならないので、彼女がまた家を出る日が来ます。

娘との今の時間をしっかりと楽しもうと思っています。

でもユキがいなくなると、寂しいだろうなあ。

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カリフォルニアの新しい規則

2019年も2月になりました。雨天が多い新年ですが、今週は良いお天気が続きそうで、日差しが春めいてきました。

アメリカはトランプ大統領がメキシコとの国境に塀をたてることに固執、その予算が議会で承認されるまで連邦政府を部分的に閉鎖を宣言して、政府に勤めている人たちが経済的困窮に陥っていました。そんなことはおかまいなく閉鎖を続行。一か月続けました。この大統領は自己陶酔で冷酷、もっと言えば残酷な性格の人間で、ぞっとしてきました。国民や国を守るという意識はなく、勝つこと、自分の思い通りになること、マスコミが毎日自分のことを報道するようにいろんなねたを良くも悪くも撒いて悦に入っているという大統領失格の人物です。一日の半分以上をテレビを見たり友人に電話しているという情報がリーク。右派のテレビを見て政策(外交ン政策も)や悪口をツイートしているそうで、アメリカはどこまで落ちるのでしょう。

さて、新年を迎えてカリフォルニア州では多くの規則(1000の規則)が制定されました。その中で目に付いたというか、関心のある法律をお伝えします。

1)カリフォルニア州からストローが消える?

カリフォルニア州のレストランではお客さんがリクエストしない限りストローを出してはいけない(付けないこと)という法律が制定されました。プラスチックが環境破壊に繋がっているということが話題になってます。少しでもプラスチックの使用量を減らそうというものです。この法律はカリフォルニア州が初めてです。今のところレストランだけでカフェとかファーストフッドの店は含まれていません。竹製のストローとかが出てきてます。わが家ではストローは使ってませんが、レストランでストローが必要かと聞かれたら、必要ないと答えてます。

2)ミルク

多くのレストランでは子供用のメニューがあります。

メニューの飲み物のチョイスにミルクと水を加えなければならないとされました。糖度の高い清涼飲料水は親がリクエストしたら出すというもの。子供の肥満が問題視されてることから、なんとか児童肥満防止つなげたいという苦肉の政策なのでしょう。

3)動物保護

カリフォルニアらしいなあと思う法律です。2019年からカリフォルニアのペットショップではシェルターあるいは動物保護団体に保護されている犬、猫、ウサギしか売ってはいけないという規則です。規則に反すると5万円の罰金を支払わなければなりません。ペットショップではペットがどの保護団体あるいはシェルターから来たかをお店に展示しなければなりません。営業としてペットを飼育(繁殖)している人の犬や猫は売ってはいけないというもの。野良犬や野良猫保護の法律ですね。純粋種の犬とか猫を飼いたいと思ってたこともありますが、ソノマのシェルターから子猫を連れてきて我が家の一員としてかわいがるようになってから、気持ちが変わりました。雑種の子猫に住みよい環境を与えてあげることができたし、すっかりなついているメラ(雌猫の名前です)が心を癒してくれるます。ソノマのペットショップではシェルターの猫を紹介するコーナーがあって、すぐに引き取られています。

4) 飲酒運転の安全対策

飲酒運転で捕まった人は車のエンジンを作動させる前にアルコール度を知るための器具(ignition-locking device)で息を吹き込んで数字を確認しなければないという規則です。アルコール度が高いと車のエンジンがかからないようになっているん器具なのですね。この器具は自費で購入、逮捕後12-18カ月使用しなければなりません。車が必須な土地なので、飲酒運転で捕まった後も、アルコール飲料を飲んでなければ運転できるというのはありがたいですよね。

2019年が素晴らしい年になりますように。今年もよろしくお願いします。  

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カリフォルニア最大規模の山火事

日本でも報道されていると思いますが、今年も大規模な山火事が発生していて、大きな被害を受けています。

今回の火事はソノマから約3時間(100キロ車で飛ばしてですが)、北にある町と山林がすごい勢いで燃えています。もう12日になります。11月20日現在の情報によると死者76人、連絡がつかない人が700人、燃えた家は9891軒とカリフォルニアの山火事では最悪の状態だとことです。は60%がコントロールできたと報道されてました。

約一年前にソノマとナパの大規模な山火事のため、私は10日間サンフランシスコに避難しました。今回の火事はそれ以上の猛烈な規模の火事で、ぞっとします。行方不明者700人と発表されているので、まだ死者の数が増えることでしょう。数分間で逃げなければならなかったようで、逃げきれなかった人が多いはず。避難中の車が渋滞して、火が回って車の中で亡くなった人もいるとのこと。車を捨てて煙と火の粉の中を走り続けて助かった人は、まるで戦場のようだったと話してました。

まだ火事と戦っている真っ最中なので、火事の原因、なぜ住民が逃げ遅れたのか、通知システムはどうだったのか等を追求する時点に至っていません。

それにしても、カリフォルニアでは毎年山火事が発生しています。規模が小さいのも含めるとかなりの数です。

大きな原因は地球の温暖化で空気が乾燥して、山火事が発生しやすいということと、カリフォルニアの住民が山の奥まで住宅地を開墾し続けていることです。

でも地球温暖化だから火事になってもしょうがないといってたのでは人名救助にはなりません。もちろん地球規模で温暖化防止対策を講じることは絶対に必要です。

トランプ大統領はまだ地球の温暖化を認めようとはしません。州が森林の管理を怠っているからだと批判。でもカリフォルニアの森林の60%は連邦政府が所有、そして私有地が少量、カリフォルニア州が所有している山林は数%に過ぎません。そのうえトランプ大統領は森林管理費の予算を削減しています。

昨日、トランプ大統領は、ノルウェーは山火事予防に森の落ち葉をかき集めているとか言って、世界の笑いものになっています。ノルウェーは日本と同じように一年中雨が降る日があります。カリフォルニアは雨季と乾季がはっきりしていて、夏になると雨が降りません。ノルウェーの首相は、トランプ大統領とそのような会話をした記憶がないといってるし、開いた口がふさがりません。

キャンプファイヤーの煙はソノマ、ナパ、サンフランシスコ、そしてサンホセまで届いています。毎日、煙で青いはずの空がどんより曇って、太陽も山もかすんでいます。汚染のレベルが数字とともに、「不健康」「非常に不健康」とテレビで報道されてます。一昨日はサンフランシスコの空気汚染のレベルは世界最悪だと報道されました。そして翌日はソノマも含まれてました。12日間続いています。喘息気味の私は胸が痛くなって、咳が出るので、大きな声で話すのを避けてます。

外出しなければならない日は日本で買ってきたマスクをして出かけてます。

この煙は山林が焼けて出た煙のほかに、町が焼けたので、建築材やプラスチックが放出する有害ガスが煙に含まれていて、こちらも心配されています。

もうすぐ感謝祭です。行くところがない被災者たちはスーパーなどの駐車場にテントを張ったり車の中で寝たりしています。どんな気持ちで感謝祭を迎えるのでしょうか。

そして雨が降る予報が出ています。火事と空気汚染にはとってもプラスになるけれど、テント生活の方たちは雨をしのぐのが大変。

雨で死亡者の捜査が難しくなります。でも400人の検査者たちが雨が降っても捜査を続けるとのことです。

これだけの規模の被害を、新しい現実だと受け入れることはできません。カリフォルニア州民の安全と健康のためにも、山火事防止の森林管理方法を考案してほしいものです。

11月21日:天気予報通り、今日は朝から雨が降っています。明日は感謝祭です。感謝祭を一人でも多くの人たちが祝えるようにと、多くのヴォランティアの人々が活躍していると報道されてます。

煙のためにどんより曇った12日間、そして今日の雨、多くの被災者。沈んだ気分で感謝祭を迎えます。

写真は午後2時に撮影しました。

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