ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

アンディの思い出のために

今年もソノマのプラザから数ブロック離れた角にある家の前庭がきれいなイルミネーションで輝いています。そしてサンタクロースの曲も流されています。

毎年この家の前を通るとその輝いているイルミネーションのきれいさに感動するとともに、なぜか悲しい気持ちになるのでした。ある年に軒に掛けられている表示板の文字を読みました。「アンディの思い出のために」と書かれてました。そこでこの悲しさの基がわかったのです。

もうかれこれ25年はたったかと思います。感謝祭の日に酔っ払って運転する男友達の車に17歳くらいだった一人娘のお嬢さんが同乗していて、大きな木に衝突してお嬢さんが亡くなったという記事を新聞で読みました。ご両親は毎年どんな思いで感謝祭を迎えるのだろうと、心が痛みました。

そのお嬢さんのご両親が住む家だったのです。

母親は一人娘を亡くしてから、仕事をやめてヴァンを買い、若者が乗車が必要なときは一切質問無し、電話をすれば黙って送迎するというヴォランティアを始めました。

そして、毎年クリスマスになると一人娘の思い出のためにきれいなイルミネーションを飾り続けています。

今年も車で通りました。20年間、毎年どんな思いで飾るのかしらと思うと、胸が詰まり、涙がこぼれそうでした。今年はとりわけお母さんの悲しみが強く、それを感じたのかもしれません。

テレビでは華やかに楽しげにクリスマスのプレゼントのコマーシャルがひっきりなしに流されています。

でも様々な思いで人々はクリスマスを迎えるのですね。

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ワイントレイン

ワイントレイン

数年ぶりにナパヴァレーのワイントレインに乗る機会がありました。このトレインが走り始めたころに、取材で乗ったのが、10年ほど前かと思っていたのですが、来年の9月に25周年を迎えると聞いて、もう、そんなにたったの?月日のたつのは本当に早いものだと驚きました。

乗車前に記念写真。わくわくして小さな階段を踏んで車内に入りました。古き良きアメリカを偲ばせるちょっと豪華で落ち着いた雰囲気のダイニングルーム。1915年-1917年製の車両を完全復元したアンティーク列車のメインテナンスは大変だろうな。でもしっかりと手入れが行き届いていて、使い古された疲れた感じの雰囲気はまるでなくて、25年前に初めて乗車したときのままでした。

日差しがおだやかな窓辺の食卓に落ち着きました。列車が静かに発車します。旅立ちの気持ちになって素敵なひと時が過ごせそうとわくわく。ちなみにどのテーブルもみんな窓に沿って配置されてます。フレンドリーなサービススタッフの女性がグラスにシャルドネを注いでくれました。もちろん赤ワインのチョイスもあり。

ランチはコースになっていて、サラダ(ゴートチーズと砂糖をまぶしてローストした胡桃がのっている)かスープ(クリームトマト)から選びます。メインはローストビーフ、ポーク、チキン、ベジタリアンデッシュ、アヒツナのタタキとチョイスが多いです。それにその日のスペシャルがありました。

私はスペシャル(アヒツナのタタキがカレー風味の蕎麦の上に載っている料理)を選んでリストにお勧めとして載っていたTuTuのピノ・グリ(酸がきれいな軽やかな白でした)でいただきました。味のバランスが取れていて美味しかったです。野菜は地元の新鮮な野菜を使っています。キッチンが付いた車両が連結されているので、料理は本格的。

車で走りなれている29号線の見慣れた景色がゆっくりと流れていきます。黄色と茶色の秋のブドウ畑が続く穏やかな光景です。

ガルギッチで途中下車が出来るとのことで、静かに止まり、何人かのお客さんを降りて、またゆっくりと動き始めました。

メインを食べ終えたころに終着点セントへレナに着きました。ここで機関車が後部へ移動して、南下の準備が完了。

私たちはデザートをいただくラウンジに移動します。ゆったりした空間です。

デザートをいただく前にワインバーの車両へ行くことにしました。この日は日本人女性のみゆきさんがカウンターに立っていました。彼女が勤務している日にワイン列車に乗ると日本語でワイン談義ができますよ。期待していたより面白いワインがそろっていました。飲んだことがなくて、興味があるワインを試飲する良い機会。

デザートもチョイスができます。コーヒーと一緒においしくいただきました。

数多くのワイナリーを巡りたい人にとっては、目的が違うけれど、車窓からワインカントリーの景色を眺めながらランチをいただいて、3時間をゆったりと楽しみたい方にはぴったり。こういう時間のすごし方もなかなかいいものです。秋色になったブドウ畑を眺めながら、ゆったりとした楽しいひとときを過ごさせていただきました。

改札口に通じる通路の金網の塀に鍵がたくさんロックされています。2010年に誰かが始めたのがきっかけだそうで、「ラブ・ロック」と呼ばれているとのこと。家族全員の鍵をロックしたものや婚約を祝ったものやらで、ロマンチック。夏の日の夕方にワイン列車にカップルで乗って夕日を眺めながらディナーというのもいいと思いますよ、そして二人の愛をロックする?

駅にあるワインショップの品揃えはなかなかのもの。インシグニアが250ドルほど、ロキオリとキスラーのシャルドネがありました。

そうそうカレラのハーフサイズのジェンセン(2009年と2010年が$49)とセレック(2004年と2006年が$59)が売られてました。どういう販売通路でここで売られているのかはわかりませんが、話の種に飲んでみたい方には良い機会かも。

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2013年ハーベスト終了

2013年ハーベスト終了

夜の気温が10度前後に落ちるようにった今日この頃、ブドウの葉が枯葉色に変わって、夕日に映えている畑はとても美しいです。

今日はハロウイーン。「トリック・オア・トリート」と言って思い思いに仮装した子供たちがチョコレートやキャンディをもらいに家々を回ります。

友人の家は200人くらいがやってくるというのです。かわいい子供たちが親に連れられてやってくるのは初々しくて嬉しいものですが、中学生高校生たちが団体でやってくると、ちょっとぞっとします。我が家は町から離れているので、誰も来ません。それで友人が今年は私の家に避難したいというので、我が家で数人の友人を招いてディナーをすることにしました。

2013年のハーベストが無事に終了しました。2012年に続いて収穫量も多くて、なかなか良い年のようです。

何人かの醸造家に「今年のワインの出来は?」と聞いてみましたが、まず「うーん」と一呼吸置いてから「なかなかいいよ」という反応でした。

「ブドウの状態がいいのと不可思議なのとがあった」と知人。

「まだ少しだけ発酵中のタンクがあるけれど、ほぼ終了だね。なかなかよさそうだ。最後に暑くなって焦って摘んだのがあって、このときは忙しかった。」とピノ・ノワール生産ワイナリーの醸造家。

樽に入ったばかりの赤ちゃんのワインからヴィンテージの予測をするのは、赤ん坊を見て、どんな大人になるのかと予測するのと同じくらいに難しいんじゃないかしら。昔は神童、今は普通ってのもあるし、、、。

2010年と2011年はそれはそれは涼しい年で、収穫量がとっても少なかったから、手に入れたいワインがなかなか手に入らなかったと思います。

そして2012年と2013年は順調な天候のおかげで、たくさん付いた房が順調に生育して、量がぐんと増えました。(我が家の裏庭のスモモも桃も2年続けて豊作です)

ということはワイナリーにとって旗印のワイン造り用のブドウの選択幅が広くなるから、良いものが出来るし、セカンドワイン用のブドウも十分にあるし、質も良いということになるから、消費者にとっては楽しみなヴィンテージですね。

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