ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

テキーラ その(3)




テキーラ その(3)

カリフォルニアでもグアダラハラでも安いブランコをソフト・ドリンクで割って飲むのが一般的。

「コカコーラで割る人が多いよ」とグアダラハラのタクシーの運転手さん。

でもワイン、あるいは日本酒と同じで精魂こめて造った高級テキーラが存在します。これらはそのまま飲む。初めはちょっと腰がひいていたのだけれど、いろいろと飲んでみとアルコールがぐわっと口の中に広がってむせそうになるものと滑らかですんなりとのど越しよく飲めるものとがあることに気が付きました。良質のものはブランディでもそうだけれど、アルコールが喉を攻撃してむせるってことはない。

エンリケを初め、多くの人に感激してもらえる質の良いテキーラを造ろうと研究をしています。エンリケのお宅で10年寝かせたテキーラを飲ませていただいたのですが、香りといい味といい、アルマニャックを彷彿とさせてくれました。

今までテキーラというとマルガリータで飲んでいたけれど、これからは良質のものを少しだけそのまま楽しみたいと思っています。信じられないことに聖餐式のパーティで4時から夜中までテキーラを飲んだけれど、二日酔いになりませんでした。一緒に行ったサンディもそういってました。。日本酒もそうだけれど、混じり物が入っていないピュアーなテキーラは悪酔いしないのかも。それにラードが胃袋の壁を覆ってくれたのも良かったのかな(笑)

テキーラの分類をちょとだけ。

テキーラにはミクスト(mixtos)というのと100%アガヴェのものと、2つのカテゴリーがあります。ミクストは51%以下しかアガヴェを使っていなくて、他に糖分なんかをミックスしています。

もし質の良いテキーラを飲みたいなら、絶対にアガヴェ100%のものを探したい。。

テキーラの種類は基本的に5つあります。

1. ラベルにブランコ(blanco)あるいはプラタ(plata)と書いてあるもの。これは蒸留後、すぐに瓶詰めしたもの、あるいはステンレスタンクか中性の樽で2ヶ月以下貯蔵したもの。

2. ホーベン(joven) またはオロ(oro)とラベルに書いてあるもの。これはブランコ(blanco)とレポサド(reposado)をブレンドしてある。

3. レポサド(reposado)とラベルに書いてあるもの。樽で最低2ヶ月、最高1年熟成したもの。樽のサイズに規制はない。

4. アニェホ(anejo)とラベルに書いてあるもの。小型の樽で最低1年、最高3年熟成してあるもの。

5. エクストラ・アニェホ(extra anejo)とラベルに書いてあるもの。樽で最低3年樽で熟成したもの。このカテゴリーは新しくて、2006年3月からできた。

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ニュースレター更新しました




「試飲会レポート」を更新しました。先日の東京でのセミナー、「新しいスタイルのカリフォルニアのピノ・ノワール その2」の内容を記載しました。新しいピノって。どういうスタイルで、じゃあ、どのようにして造るの?というのがテーマです。

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テキーラ (2)



ちょっと時間が空いてしまいましたが、テキーラの続きです。

ツアーをしてくれるテキーラ生産所を相棒が見つけてくれたので、まずそこからスタート。デモストレーション用に植えてあるアガヴェを根っこから掘り起こして収穫、それから根(パイナップルと呼んでいた)の皮?を向く作業を見せてくれました。この作業に使う刃物というか鍬というか、はものすごく切れそう。根の重さは70kgはあるという。何個も収穫するのは体力がいるだろうなあ。

一定のサイズにした根を大型のオーブンで焼いて、澱粉を糖に変えます。焼いたアガヴェは薄茶色になっていて、甘い香りがしました。齧ってみた。ほんのりとした甘味があった。焼いた根を細かく切ったり、すりつぶして汁(果汁?)を収集。皮は残します。

汁を大型の樽、あるいはステンレスの発酵タンクに移し、数日間発酵させる。アルコール度は低い。これを蒸留します。一度だけ蒸留したものはordinario(オルデナリオ)と呼ばれます。二度蒸留したものは silver tequila と呼びます。二度蒸留したものしか、私は飲んだことがありません。出来上がったテキーラを、樽で熟成しないで瓶詰めするか、樽で熟成させます。

(続く)

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