ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

野蛮な国、アメリカ

ひっきりなしに降っていた雨が止んで、この数日間、カリフォルニアらしい好天気が続いています。春めいた陽気に誘われて散歩に出ました。

たっぷりの雨の後の心地よい太陽を浴びて、道端の雑草が綺麗な緑色です。ふと気がついたのですが、道端の雑草が光っているのです。例年だと雑草は濃い緑色で、光っていません。とっても健康な状態で水分たっぷりの雑草が太陽の光を浴びて光っているのでした。

光がうまく撮れてることを祈って写真を撮ってみました。写真から感じてもらえたらいいのですが、、、。

数日前にトランプ大統領が議会で初演説をしました。選挙運動中のように挑発的,就任演説のように暗いアメリカを描写する演説ではないことを共和党議員、トランプ支持者は祈ってハラハラしてたようです。

トランプ大統領はライターが書いた演説を単調に静かな声で読み上げました。私はオバマ前大統領の演説が大好きだったので、ただ読み上げる新大統領の演説は退屈で感激しませんでしたが、ハラハラ派はホッとしたようです。

演説内容は挑発的な言葉を使わなかっただけで、いつもと違いがありませんでした。

大きな課題は税金を下げること、道路や橋の改修に膨大なお金を使うこと、不法移民をどうするか、健康保険をどうするかです。

日本に住んでいる時は国民健康保険が当たり前と思っていました。日本でも国民保険があるのだから、世界一と謳われているアメリカも当然、そうだと単純に思っていました。ところが国民健康保険はありませんでした。

カリフォルニアに住み始めた頃のことです。私が健康保険には絶対に入っていなければならないと、キッパリ言ったものだから、夫は州立の施設に勤務しはじめたばかりでしたが、州がグループとして買っている保険に入りました。そうです、アメリカでは保険は買うものなのです。まじめに歯の健康保険も買ってくれました。

ある日歯医者に行こうと思ったら「歯の保険会社が潰れたから保険はきかないよ」というのです。

「えっ、アメリカでは住民の健康(命)が儲けるためのビジネスになっているの?儲けが少ない保険会社はつぶれるわけ?」

What a savage country!(なんて野蛮な国なの!)」覚えていた単語で思わず声を張り上げてしまいました。

隣に居合わせた大学時代の友人が「その通りだよ」とため息をつきました。

ご存知のように、そのことを十分に認識しているヒラリーがクリントン大統領時代に国民健康保険制度を作ろうとして共和党に見事につぶされました。

そしてオバマ大統領は野蛮な国から抜け出そうと?健康保険制度を作るのに尽力を尽くしました。国が管理する保険制度は反対が多くて無理だと読んで、妥協案としてACA(Afordable Care Act)というシステムを提案、それでも反対する共和党を押し切って成立させました。

保守派はこれをオバマ・ケアと呼んで、このシステムだと小さな会社が潰れる、保険に入らない人はペナルティを受けるという規則は憲法違反だと裁判所に訴えたり、8年間、オバマケアは廃止させるという方針で議員選挙にも勝ってきました。

この法律のおかげで初めて健康保険に入ることができた人が大勢います。

私の周りにも、中産階級で決して貧乏ではないけれど、保険は高いからといって買っていない人が結構いました。この法律のおかげで手頃な値段で保険に入ることができた友人がたくさんいます。

もっとも娘のように独身で高級取りはかなりの金額負担になってしまいましたが。これを共和党は欠点を修正しようではなくて、失敗だから廃止するべきと繰り返し繰り返し主張してきたわけです。

日本の友人達に健康保険は一ヶ月、どのくらい払ってるのかと聞いてみましたが、だれも知りませんでした。自動的に支払っていて、その額は毎月の暮らしに支障が出るほど高額ではないということなのかと思います。

政府が健康保険に関わることに大反対。それは社会主義の国になってしまうというのが反対の理由です。

アメリカではお金さえあれば世界最高の治療を受けられる保険が買えるので、裕福層にとっては保険制度に不満がないわけです。保険を買えないのは、その人のせいだという考えが根本にあります。基本的に貧困層には無関心ということです。

オバマ前大統領がACAを法律として成立させる前は、癌とか糖尿病とか、心臓病とか、持病を持っている人、年を取ってから保険を買おうとする人たちに対して保険会社は保険を売るのを拒否してました。だから癌になってしまったら、膨大な医療費を自前で払わなければならなくなって経済破綻が起こっていたわけです。たとえ保険を持っていたとしても安い保険だったら、一定の金額を使ってしまった後は切られるというのが日常茶飯事でした。なんと非人間的なことでしょう!でもそれが当たり前としてまかり通っていたのです。

今、トランプ大統領と共和党はACAを廃止して別の保険制度に切り替えると主張してます。

思わず笑ってしまうのですが、(本当は笑い事ではない)トランプ大統領が選挙中にオバマケアを廃止すると演説すると、やんやの大喝采でした。でも支持者の多くはACAの恩恵を受けている人たちなのです。彼たちはACAはオバマケアと同じだって知らなかった人が多く、ACAが取り上げられるのは困ると、今更、苦情を言ってる始末。

共和党が上下議会で多数を占める今、今後、健康保険がどのように変化するのか、心が痛みます。

お金に余裕がある人が高額を払ってベターな治療を受けるのは、その人が稼いだお金なのだから当然です。でも国民全員が病気になってもホームレスにならなくてもいい、治療が受けられなくて命を落とすことがないシステムを先進国として持つべきだと思います。

どの国にも長所と短所があります。

アメリカは銃の売上げを守るために銃規制の作成を妨げたり、保険会社や製薬会社の大儲けを妨げないような健康保険システムを良しとする、儲け至上主義が幅を利かせています。悲しいことです。

厳しい銃の規制、国民保険が当然とされている日本。いい国です。

著作権

© Wine Talk, California Wine Perspective, Publisher: Emiko Kaufman/copyright(C) Wine Talk all right reserved.

続きを読む
3135 ヒット

思い出を胸に残して


父の49日と納骨を無事に済ませて、昨日ソノマに帰りました。
青空ではなくて雨が降ってます。でもそのおかげで旱魃の心配がなくなりました。

トランプの無謀な移民政策は日本でも大きく取り上げられていましたが、ワシントン州の連邦判事がこの政策は憲法違反という判決を出したことから、ニュース番組はこの話題ばかりを報じています。

サンフランシスコ空港の入管はこの政策のために緊張感が漂っているかもしれないと思ったのですが、通常通りでした。

もし日米の関係がこじれていて、この政策が日本人も向けられていたら、グリーンカード(永住権)所有の私も入国(あるいは搭乗)を拒否され、家族と引き離されて、いつ会えるのかと、不安でいっぱいだったことでしょう。トランプ大統領の結果を想像しない浅はかな政策のせいで、泣かされた家族が多くいるはず。一国の責任者次第で人生を変えられてしまうという現実。ぞっとしますね。

サンフランシスコ空港に、入国を拒否された人が出た場合の法律相談をするボランティアの弁護士が待機してました。素晴らしいの一言に尽きます。

著作権

© Emiko Kaufman

続きを読む
2215 ヒット

コーヒーショップまで30分


今日はトランプが大統領に就任しました。「信じられない」、「信じられない」と友人たちと嘆いていましたが、ついに現実になってしまいました。

大統領としての最初のスピーチもキャンペンで主張したのと同じ内容でした。時代に取り残された白人優先主義の1970年代、80年代に戻りたい人々と、21世紀のリベラルな人々との間に文化戦争を引き起こす、市民間の亀裂をさらに深めるスピーチでした。

明日、1月21日(土曜日)にウーメンマーチが計画されていてワイントンDCには2万人、全米80都市でもデモが繰り広げられる予定です。反トランプではないといってますが、、女性の権利、移民政策、同性婚差別反対と、トランプ新大統領の大半の政策に反対するデモです。
サンフランシスコ、オークランド、ロサンゼルスはもちろん、隣町のサンタ・ローザやわが町ソノマでも集会が開かれます。

著作権

© Emiko Kaufman

続きを読む
2062 ヒット