ソノマの暮らしブログ

カリフォルニア州ソノマに住んで25年。第二の故郷と決めた美しいワインカントリーで、ワインを追いかけて暮らしています。

ソノマとナパの山火事

10月8日の夜、強い風が吹き続けました。

きっかけは記憶してないのですが(多分、避難の可能性があると予測して、申し込みの通知が携帯に入ったのだと思います)、その夜、携帯電話に緊急通知を受ける申し込みをしました。

夜の12時頃にビーンと緊急通知が入ったので、チェックするとナパで火災が起きているという通知でした。ナパの火事ならソノマは大丈夫だろうと、そのまま寝ることにしました。その後3回ほどビーン、ビーンと通知が入ったのですが、無視して寝てました。

私は自宅の電話に出なかったのですが、夫が取ったら、外を見て火が見えたら避難するようにというメッセージだったそうです。

翌朝、自宅のあたりはかなりの煙でした。プールサイドのチェアが2個ともプールに落ちていて、パラソルも倒れていたので、風がすごく強かったことに驚きました。でも隣町のサンタ・ローザがすごいことになっていることは、まだ知りませんでした。

夫はこの日、ヨーロッパに出張する予定でした。庭に出てじっと外の様子を見てましたが、午後から飛行場へ行くことに決めたようです。私も火事は日本にいるときに何回か目の当たりにしているので、避難の準備だけしていたら大丈夫だろうと思ったので、ヨーロッパ行きを止めませんでした。

テレビをつけて、大変なことになっているのを知りました。火の手が隣の地区まで来ていることを知って、スーツケースに貴重品や数日の着るものを詰めて、すぐに持ち出せない物は車に積みました。9日と10日はテレビのレポートと市役所のサイトと緊急通知をチェックして一日が過ぎました。

娘にサンフランシスコに来るようにと、強く言われたのですが、それほど緊急事態ではないと思ったので、ソノマにいると主張。でもこの地区で残っているのは私だけだったら、ちょっと危険だなと思って、火が見えるかどうかを点検しながら隣の家をチェック。まだ明かりがついていたので安心。そしてこの夜の火事の状態について確認のために2軒の家に電話しました。

「今夜は大丈夫だと思う。でも私たちは必需品は全部車に積んで、避難準備ができている。恵美子は準備できてるの?」

「イエス、猫をケースに入れる時間を考えて、10分あればOK」

「避難するときは一人で住んでる隣のジャスリンと恵美子とうちの家族で一緒に出ることにしましょうね。そのときはすぐに連絡するから」

とっても頼もしい隣人。

寝る前に緊急避難命令が出たときのことを考えて、着る服を一箇所にまとめておきました。そして頭の中で、どの順番に避難準備をするか、まず猫をケースに入れて、スーツケースに洗顔用具を詰めてと、リハーサルをしてから寝ました。

熟睡(本当です)して、翌朝外に出てみたら、近くの山も見えないほどのすごい煙。家の中も煙っぽい。火事のコントール率は0%とテレビで報告。まだまだすごい勢いで一時は6つの火事が同時に起きてました。

隣の奥さんのバーニースは看護師さんなので、「手術用のマスクがあるから、必要なら持って行くわよ」とメッセージ。本当に親切。

「日本で買ったアレルギー用のマスクが数個残っているので、それがなくなったらお願いします」と返信。

11日はヘリコプターや飛行機が飛ぶ音がすぐ近くで聞こえるし、煙に加えて灰も飛んでくるので、今日は避難しなきゃならないなと直感。朝一番にシャワーをして外へ出る服を着ました。

火事が発生した2日間は煙が濃すぎて下が見えないので、大量の水や消火剤をまくヘリコプターも飛行機も飛んでませんでした。消防士も400人しかいなくて、避難警告をして市民を守るので精一杯。有名なホテルは消防士が一人もいなくて、完全に焼け落ちるまで放置。

「娘の恋人の警察官から電話が来て、避難命令がもうすぐに出るから、早めに家を出たほうがいいと言ってるので、避難するよ」夕方の四時頃、バーニースから電話。

隣のご主人のジョンがガスの元栓を閉めに来てくれました。

ジョンの後をついて道路に出たら、避難する人の車で渋滞。いつもなら20分で通過できる道が1時間かかりました。煙のため辺りが薄暗く、遠くに煙がムクムクと上がっているのが見えて、恐ろしかったです。

予備軍の人たちや他州から消防士さんたちが応援に駆けつけてくれて(10時間もかけて来てくれた消防隊もありました)1500人(だったと思いますが、、、)の消防士たちが24時間火事と戦ってくれました。

 

地球温暖化が、この火事の驚くほどに早い進行に関係しているそうです。カリフォルニアは数年間、旱魃に悩まされました。そして今年の冬に洪水があちこちに発生するほど大量に雨が降りました。雨の恵みを受けて、木を含む植物が例年よりも大きく成長。そして夏は猛暑が(夏は寒いはずのサンフランシスコまで)続いて、植物は完全に乾燥。山火事の可能性が高いと危険警報が出てました。山火事の原因はまだつかめてません。普通なら一箇所で終わるはずの火事が、運悪く乾いた強風のため火の勢いが増し、あっという間に飛び火してサンタ・ローザや隣の小さな二つの町の住宅街を一瞬にして火の海にしてしまいました。

6日間、娘の小さなアパートで2匹の猫と一緒に暮らしました。行くところがあって感謝。

解除が出て、前と同じ我が家を見て、感激。家に帰って2日目あたりからようやく緊張が解けてきました。

災害はいつやってくるか、予測がつきません。

今年の冬はまた大量の雨が降るという予報です。家の周辺の木の健康状態をチェックしてもらって、倒木を避けようと思っています。一度、大雨のため、前庭の松の大木が倒れたことがあります。幸運にも家から少し離れていたので、幸運にも被害はありませんでした。

毎日平穏に暮らしていることのありがたさを、再確認しました。

家が全焼(5200軒)してしまったたくさんの人たち、家族を失ってしまった人たち(42人死亡)の戦いはこれからです。

昨日、プラザのブティックに寄ったら、オーナーの女性と涙声で何か囁いてハグをしている40代の女性が目に入りました。女性の家と彼女の母親の家が焼けてしまったと、後からオーナーが教えてくれました。

友人たちと火事の話をすると、知人の家が焼けてしまったということが、必ず話題になるほど、被害が身近に起きました。

胸が痛みます。

様々な組織が救援活動をしているので、何らかの形でサポートしようと思っています。

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友人がメキシコへ帰国

今日、カフェのアシスタントシェフとしてせっせと働いていたメキシコ人の青年が故郷のグアダラハラへ帰ってしまったことを知りました。

16歳のときに国境を越えてやってきた不法移民の一人です。

「夜中に突然警官がやってきて逮捕される夢を時々見るんだ」と数年前にポツンと言ってたのを思い出します。米国へやってきて20年、漠然とした恐怖を持って暮らしていたのでしょう。

トランプ大統領は不法移民政策を強行に進めていて、犯罪歴のない不法移民までもどんどん強制送還しています。両親は不法移民だけれど、アメリカで生まれた子供たちはアメリカ市民ということで、両親だけが強制送還されて、家族がバラバラになる悲劇が珍しくなく、テレビで報道されています。

違法に入国したのだから、事情がどうあれメキシコへ送り返すという理由です。

今のところまだソノマには移民局の手が伸びていないようです。夫は彼たちを守るグループに入っていて、もし連行される事態が起こったら、会員同士が連絡を取り合って、その場に駆けつけて、写真を撮るのが夫の役割だそうです。

トランプ大統領は略称DACAと呼ばれる政策を憲法違反だから廃止すると宣言。

DACAとは両親が不法に国境を越えたときに16歳以下だった子供たちを不法移民と規定しないという大統領命令です。

オバマ大統領は移民法を成立させようと思ったけれども、共和党の頑強なそして冷酷な反対のために成立不可能とみて、せめて親の意思でアメリカへやってきた子供たちがアメリカに住むことを認めようと命令を出したもの。この法律の成立さえも共和党が反対したために、大統領命令として出さざるを得なかったわけです。

DACAの一人として認められるためには厳しい検査が行われます。大学生、IT企業で働いている人、先生になった人と、アメリカ人としての基盤を築き上げた青年たちです。全米に80万人、そのうちカリフォルニアには20万人がいます。

彼らはアメリカしか知りません。テレビで発言している彼たちの英語は全く訛りがありません。

DACA廃止声明に対する否定的な反響に反応して、トランプは議会に結論を預けた、良い結論を出して欲しいと責任逃れをしています。

 

ソノマの街では洗車場、ファーストフード、ハードウエア店(金物店?)など、低賃金で働いてくれる従業員募集の看板が目立ち始めました。

トランプ大統領の政策の恐怖から国へ帰った人たちは、メキシコの経済が向上したためアメリカへの出稼ぎをせずに家族と暮らすことができるようになったことから、アメリカへ戻ってきません。

そのために労働力不足が起こり始めています。

友人のブドウ栽培家はブドウを摘む労働者不足で頭を痛めています。急勾配の畑での作業は危険だからと受け入れてくれないそうです。

「賃金を高くするからと交渉しても答えはノーなんだよ」と困惑気味。

 

アメリカは経済的打撃を受けることでしょう。カリフォルニアの農作業を担っている彼たちがいなくなったら、カリフォルニアの経済にも影響が出ます。

これからは人員不足を補うための自動化が進むんでしょうね。

ブドウはすでに手で摘まず、機械で摘んでもダメージを与えない品種は機械で摘むことが多くなっています。

ファーストフード店などは、ロボット相手にオーダーをするなんてことが近いうちに起こるのでしょうかね。

長年、ソノマの住人として暮らしてきた青年はグアダラハラへ帰って、うまく溶け込むことが出来るのかどうか、、、。

数年前にグアダラハラへ行く機会がありました。近代的な都市に発展していて、活気があって、食べ物も安くて美味しかったです。しゃれたレストランも結構あったので、シェフとして良い職場に恵まれて、警察におびえることなく幸せに暮らせることを祈っています。

不法移民問題は複雑です。国民の意見も分かれているし、議員たちの政治的な思惑も絡んで、過去に対処案を出した数大統領の意見も押し潰れてきました。

せめてDACAの対象となっている人たちの対処が早急になされることを期待しています。

移民問題について、「カリフォルニアワインの里、ソノマの暮らし」にも様々な意見について書きました。https://www.amazon.co.jp

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今年のスモモの出来

 

 

あいも変わらず、アメリカの大統領のマイナスなニュースが毎日報道されています。

北朝鮮を煽って、内閣や議員をギョッとさせたかと思うと、ヴァージニアのシャーロットヴィルで起こった死亡者まで出したデモ隊の衝突で、白人至上主義者やKKK、ナチ信奉者たちを非難することなく、右翼と左翼のどちらも悪いという主張をしています。アメリカを国際的に孤立させたばかりではなく、国内では人種差別を掲げる右翼(白人至上主義者やKKK、ナチ信奉者をこう呼ばせてもらいます)の台頭を許す状況を作り上げようとしています。

アメリカ創立以来、白人層の一部に存在し続けている人種差別意識。奴隷として強制的にアメリカへ連れてこられて白人層の(特に南部)所有物とみなされた黒人層が白人と同等の権利を持つことに抵抗がある白人層が未だにひそかに存在しています。従来の大統領は平等主義を掲げて人種差別を少なくする努力(大統領によって差はありますが)を続けてきました。それがトランプは公然と白人至上主義を認めるニュアンスの発言をして、良心的な国民を震撼とさせています。

友人たちを一層、欝に陥れています。

そんなわけで、心を癒してくれる日常に心を集中するように心がけています。

私が住むソノマは、毎日、好天気が続くので、その気になれば(不精者の私はその気になってませんが)、大概の植物が育ちます。

我が家の裏庭にりんご、桃、柿、スモモの木があります。なんの世話もしてないので、見栄えの良くないフルーツですが、毎年実を付けてくれて、熟した果物をその日に採って食することができます。

年によって開花時期に雨が降って、花ぶるいを起こして、ほんの数個しか果実がつかない年もあります。

 

今冬にたっぷりと雨が降ってくれたおかげで、スモモはたくさんの実がつきました。ところが熟する期間にどうやらスモモが気に入る天候状態ではなかったようで、果肉が薄茶色であまり美味しくないのです。

夫はスモモ栽培農家になった気分で毎朝ワインの箱がいっぱいになるほど、せっせと摘み取ってきます。そして友人にたちに強制的に配っています。

我が家のスモモが好きな友人は、毎年楽しみにしているのですが、「今年のスモモは味がいつもと違うね」と控えめに言いました。

「僕もそう思う。まずいのはどんどん捨ててよ」と夫。

 

少しでもスモモを救おうと、生まれて初めてスモモのジャムを作りました。サンセット・マガジンで見つけたレシピを使いました。

どっさりの砂糖とレンモン果汁に加えて、ペッパーコーン、オレンジピール(オレンジの皮を2センチほど皮むきで剥いたもの)、月桂冠の葉を1枚、バニラビーンを入れて煮込むので、一般的にイメージするジャムとはちょっと味が違ってて、家族に好評です。

娘は朝食のトーストに塗って食べるのにぴったりだと言って、瓶詰め一個をいそいそとサンフランシスコに持って帰りました。

スモモの栽培を家業としていたら、今年のスモモの味が悪くて売れなくて、家計が火の車になったなあと思います。果樹だけではなく栽培農家は天候次第で出来不出来が決まってしまうのだから、大変ですよね。

今は桃が熟してきました。こちらは開花時期に雨が降ったので、あまり実が付いていません。

熟しすぎてしまう前に採らなければなりません。形はかなり悪いのですが、今だ!というときに摘み取った桃は本当に美味しいです。

これはキューリでもトマトでも同じですよね。

スモモの写真は収穫したごく一部です。

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