犬と人
大都会は多分どこも同じだろう思うのですが、サンフランシスコでは通りすがりに目が合ってにっこりというのは、余りありません。スーパーも同じです。勤務帰りに買い物をする人で混み合っていて、後ろを通り抜けるときにも、エクスキューズミーというけれど、決して笑顔を見せません。疲れているし、さっさと買い物を終わらせて帰りたいんでしょうね。その気持ちはわかります。
この辺がソノマとは違うところ。ソノマのスーパーはまずゆったりとしたスペースで広々としているし、のんびりと買い物をしてます。もしぶつかりそうになったら、笑顔でエクスキューズミー。
ある日の夕方、サンフランシスコで通勤帰りの人に混じって、スーパーで私も買い物をしました。ショッピングバッグを提げて、坂の多い娘のアパートまで歩いて帰るときに、気がつきました。
犬を連れてる人が多いのです。バーの前に3匹をつないでハピーアワーでちょっと飲んでる人もいるらしく、写真の犬たちは吼えもせず静かに待ってます。カメラを向けたら後ろにいた黒っぽい犬が他の二匹の背中をよじ登って前に出てきてカメラを見つめるという積極さ。
大概は小さな犬を連れているのですが、珍しく大きめの犬を連れた男性が私を通り越しました。それで後ろを歩いたのですが、いろんな人が犬に声をかけるのです。
「ハーイ、キュート・ボーイ!」
「ハー、ゴージャス!」
犬の所有者である男性は、何の反応も示しません。
これがソノマなら、「この犬の名前は?」とか「何という種類の犬ですか?」とか、犬ではなくて人間に話しかけて、立ち止まって会話が始まる可能性が大きいです。
話しかけないとしても「ハー・キューティ!」って犬に言ったら、所有者は絶対に微笑みます。
都会は、知らない人には基本的には話しかけないということなんでしょう。
娘にその話をしたら、彼女も特にゴールデンリトリーバを見かけると犬に話しかけるといってました。