No. 29 Date:2007-07-12

テロワール派?それともアンチテロワール派?

テロワール派は地区独特の個性が出ているワインを好む人。そういう個性を否定するか、どうでもいいという人はアンチテロワール派。 パーカー、スペクテーター誌は、どちらかというと地区の個性よりワインの凝縮度に焦点を充てていて、地区よりワインとして個性を発揮しているものに高い点を付けてきた。これは「どこでもいい」派、まあ、インターナショナル派、言ってみればアンチテロワール派というところだろう。

テロワールに人間(ワインの造り手、栽培家)も入るのか? 現代のヨーロッパ人はテロワールというのは何世代にも渡ってブドウ畑の手入れを続けてきた栽培家、そのブドウからベストのワインを造る努力をしてきた醸造家が作り上げたその土地のその畑の味という風に解釈しているとされる。ということは土壌、気候に加えて、その土地(畑)の風土ということになるのだろうか。

例えばバクテリアが入っていたり、揮発酸が含まれていたり、オークの香りがやたらに強いというワインは、地区のワインの個性ではなくて醸造技術の問題だ。テロワールとは関係がない。最新技術が駆使できる現在、フレンドリー価格のワインは、マイナス面となるテロワールの個性は技術的に修正して美味しいワインを市場に送り込んで欲しい。まずいワインを「これはテロワールだ」と市場に出されると、飲み手はちょっとつらい。 プレミアムワインの場合、その畑の個性を表現して造り上げたワインと、磨きぬかれてトレンドにぴったりのワインのふたつのタイプがあった場合、どちらがいいと思うかは、飲み手の好みになるのだろう。

素肌美人が好きという声を聞いたことがある。それともパメラ・アンダーソンのほうがいい人もいるだろう。あなたはどちら派?