カリフォルニアワインの魅力

PartⅠ-カリフォルニアワインの始まり-


ワインのいろは的なこと、ちょっと聞いてみたかったこと、知っておくとワインがもっと楽しく飲めるようなこと、そんな質問にカフマン恵美子がお応えします。

ワインはどうやって始まったの?

紀元前4000年からブドウが栽培されていたと言われています。何処でワインが最初にワインが 造られたかは定かではありません。フランスでは4世紀初ころ、キリスト教が公認され、ミサ用のワイン造りがブドウ園の発展を促したそうです。12世紀に入 るとフランスワインはイギリス、ゲルマン諸国に輸出されるようになりました。19世紀に現在のワイン生産につながる方法を確立したとされています。

ワインって何?

答えはシンプル。ブドウ果汁を発酵させたものです。
「ワインを飲むのだ!」と構えないで、夕食にビールやお茶を飲むように、気軽にワインを飲みましょう。それが赤であったり白であったり、ピンク(ロゼ)であったりします。そして甘口だったり、辛口だったりとスタイルによって違ってきます。 私は若いときに札幌地方裁判所で速記官をしていました。裁判官と書記官がワイン会を開くというのを 耳にしたことがありますが、「ワインは偉い人とか、年寄りが特権意識を持って飲むもの。遠い世界のもの」と思っていました。でもソノマへ来てそうではない ことに気がついたのです。 水割り(よく札幌のススキノで飲んでました)はワインと違って、酔うために飲むもので、飲み物そのものを味わっているわけではありません。ビールは最初の 2口くらいは冷えていて美味しいと思うけれども、生ぬるくなると苦味が出て、それにお腹がいっぱいになってしまうので、特に女性は食べ物を楽しめません。 日本酒は冷やした吟醸酒などは美味しいと思いますが、アルコール度が高いので、ほんのり酔って楽しむというよりガーンと頭に酔いが回ってきて、楽しむどこ ろではありません。 ワインには赤、白、発泡性ワイン、デザートワインと、いろんなタイプがあります。それにブドウの種類も多いです。だからアルコール度の低い軽やかなタイプ からコクのあるタイプまで、好みや気分に合わせて選んで楽しむことが出来ます。それに単に酔うために飲むというのではなくて、飲み物の味を楽しめるという のが何よりも嬉しいですね。 世界中にいろんなワインがあります。毎日違うワインを飲んでも、一生で全てのワインを飲むことはできません。でもいろんなワインを気軽に飲んでみると、世界へと気持ちが広がっていきます。その中できっとあなたの好きなカリフォルニアワインに出会えるはず。
「でもワインっていろんな知識がないとだめなのでしょう?」という声が聞こえてきそうです。私はアメリカンフットボールの大ファンです。でも最初は大 げさなユニフォームを来て大の男がボールを追いかけているというのが初めて見たときの印象でした。ルールを覚えて観戦すると、技、戦略ととても複雑で、こ れは究極のスポーツだと思うほどに入れ込むようになりました。ワインもいろいろ飲んでいく中で、あるいはワインショップなどでいろいろ聞きかじっている と、積み木を重ねるように、いろんな知識が自然に頭に入ってきて、ワインを飲む楽しみが大きくなると思います。

カリフォルニアワインってあまり高級なイメージがないんだけど、実際はどんなワインなの?

ワイン愛飲家たちがこぞって欲しがる世界のトップクラスと同等の高級ワインがカリフォルニアに も存在します。そしてカジュアルなワインもたくさんあります。ヨーロッパワインもピンからキリまでありますよね。でもヨーロッパワインのほうが高級でカリ フォルニアワインには高級なワインがないと思っている方も少なくないのでは?
そう思っている方がいるとしたら、それは自分が好むタイプのワインがヨーロッパのワインだということで、カリフォルニアのワインの質がヨーロッパより劣っ ているということではありません。ヨーロッパ、特にフランスは長い時間をかけて高級ワインのイメージのマーケティングを続けて成功しているということで しょう。

なんでカリフォルニアワイン?

世界中に、特にヨーロッパの歴史と伝統を持つワイン産地から、たくさんのワインが出ているのに、「何でカリフォルニアワインを飲まなければならないの?」と思う方がいても不思議ではありません。
日本のワインショップへ行くと、ヨーロッパ、特にフランスのワインがスペースの多くを占めています。石造りのシャトーの絵や読みにくい字体で書かれたラベルが歴史と伝統を漂わせています。 「せっかくワインを買うのなら、やっぱりフランスワインかな」と思ってしまうかもしれません。
でもモダンなラベルで快活な気風を漂わせているカリフォルニアワインにも注目してみてください。
まず特徴として、次の二つが上げられるでしょう。


カリフォルニアワインはふっくらとしたフルーツの味わいが楽しめます。カリフォルニアワインはフルーティです。口当たりがやわらかくて飲みやすいワインが 多いと思います。特にブルゴーニュのように涼しい地方のフレンドリー価格のワインは味が薄くて、冷たい感じなのです。カリフォルニアのワインはフルーツの 甘味があって、ふんわりしていて温かみが感じられます。

ラベル
カリフォルニアワインのラベルはわかりやすいんです。カリフォルニアワインはブドウの名前(ブドウ品種)で呼ばれているのでブドウの名前を覚えるだけでいいのです。
例えば「シャルドネ」という白ワインは、「シャルドネ」というブドウから造られています。
これがフランスだと、「シャルドネ」というブドウから造られているのは、ブルゴーニュの白でそのうえ栽培地区や村の名前(例えばプイイ・フュイッセ、モン ラッシェ、シャブリ等々)になります。そして、「ソービニヨン・ブラン」ならサンセール・・・というように、土地の名前からブドウ品種を知ることになりま す。まあ、まじめに暗記をすればいいことなのでしょうが...。
シャルドネが飲みたいときに、カリフォルニアワインだとカリフォルニアの地区など何も知らなくても、シャルドネが飲めるというのは嬉しいですよね。
因みに カリフォルニアでは、”白ワインというとシャルドネ”というほどに、シャルドネがよく飲まれています。「ホワイト・ワイン・プリーズ!」というより、「シャルドネ、プリーズ!」と言うほうが飲みたいワインの種類がはっきりとオーダーできるので、納得ですね。 それにカリフォルニアでは世界のいろんな種類のブドウのワインが造られています。