ワインをエンジョイ

PartⅡ-ワインをエンジョイ-

ワインの いろは 的なこと、ちょっと聞いてみたかったこと、知っておくとワインがもっと楽しく飲めるようなこと、そんな質問にカフマン恵美子がお応えします。

赤白それぞれのワインのおいしい飲み方は?

赤ワインは室温で、白ワインは冷やしてが原則です。
でも暑い夏の日の室温はかなり高いですよね。時にはレストランでも赤ワインが生ぬるい感じでサービスされることがあります。飲んだときに、もう少し冷えて いるほうが美味しいなと思ったら、赤ワインでも少し冷やして飲んでみましょう。赤ワインはコルクを抜いて、少し時間を置いてから(少なくとも30分は置いたほうがいいでしょう)、飲んだほうがワインにまろやかさが出ることがあります。これがワインを飲むルールだと堅苦しく考えないで、自分が美味しいと思うように飲むのがベストです。楽しむのは、飲み手である貴方ですから。

食事との組み合わせについて

必ずしもベストの組み合わせではなくても幸せに暮らしているご夫婦が大勢いますよね。料理とワインの組み合わせも、ベストというのはそんなに多くありません。
基本は好きなワインを楽しく飲み、好きな料理を美味しく食べるということです。あまり好きではないワインを、料理に合うと勧められたからといって、無理し て飲むのは味気ないものです。食べ物とワインが口の中で喧嘩をしない組み合わせが、食事を美味しく楽しいものにしてくれます。喧嘩するっていうのは、口の 中が苦くなる、ワインがすっぱくなるといった感じです。不快な感じがなく、知らないうちにワインも料理も消えているというのが、良い組み合わせというとこ ろでしょうか。
例えば、チーズやステーキには赤ワイン、お鮨やてんぷらにはスパークリングワインや酸味が美味しい白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ)なんて いうのは、考えるだけでお腹が空いてきますよね。塩味、酸味、甘味、旨みと分類して、ワインを当てはめていくなど、いろんな方法があります。

ピノ・ノワールってよく聞くけど、どんな特色があるの?

ロマネ・コンティというワインの名前を聞いたことがあると思います。フランスのブルゴーニュ地方の 最も有名な黄金の丘、コート・ドールという地区のピノ・ノワールというブドウから造られた赤ワインです。値段は宇宙に手を伸ばすほどに高く、ごく少量しか 生産されていないため、手に入れるのも大変です。 でもカリフォルニアではフルーティでそれほど高価ではない美味しいピノ・ノワールが造られています。

アカデミーで脚本賞、そしてゴールデングローブでも2つの賞を獲得した映画、サイドウエイをご覧になりましたか?ワインカントリー、サンタ・バーバラ地区 をあまりぱっとしない二人の男性が旅をするコメディです。ピノ・ノワール狂の主人公が、ワインについていろいろと御託を並べるので、ワインファンにとって は愉快な映画です。この映画のおかげでワインマップを手にサンタ・バーバラ地区を訪れるツーリストが急増。舞台になったレストラン、ヒッチングポストはい つも満員で嬉しい悲鳴をあげているとか。そしてカリフォルニアではピノ・ノワールを買うお客さまが増えています。

ピノ・ノワールというブドウは涼しい土地が好きです。温かすぎるとピノ・ノワールらしさが消えてしまうのです。カリフォルニアのピノ・ノワールならカーネ ロス、サンタ・バーバラ、ソノマ・コースト、ロシアン・リヴァー・ヴァレー、セントラル・コーストという地区で栽培されたピノ・ノワールに良いものがあり ます。 ピノ・ノワールは食事に合わせやすく、程よい酸味と優しい口当たりが、料理に寄り添ってくれます。塩と胡椒でグリルしたシンプルなサーモンとピノ・ノワー ルはよくマッチしますよ。

カルトワインって何?

通説(俗説)は生産量がすごく少なくて、簡単に手に入らない高級ワインで、値段がとても高く、ワイン評論家(ロバート・パーカー)やワイン雑誌(ワインスペクテーター誌)が100点満点のうち95点以上付けたもの(多分)というところでしょうか。
例えば生産量が2万ケース(1ケース12本入り)なら、生産量がそこそこで手に入りやすいので、カルトワインにはならないという定義?もあったりします。 カルトって云うとついカルト宗教団体を思い浮かべてしまいます。誰が最初にカルトワインて呼んだのかはわかりませんが、「カルトって呼ばなくてもいいん じゃないかしら?」というのが私見ですね。