ミレニアル世代とマイナーワイン

日本も同じだと思うけれど、アメリカでは購買力を持っているグループを分類して販売戦略を練る。その例のひとつとして、ベビーブーマー(1946-1964年生まれ)、ジェネレーションX(1965-1976年生まれ)、ミレニアル(1977-1998年生まれ)というグループ分け(分類)がされている。このグループをさらに区分けして、ベビーブーマーはどういう特色を持った世代でどういうものを買うか、広告、流行、トレンドにどういう反応を示すかといった具合に、特色、パラメーターを見極める。

その情報を元に、マーケティング担当者たちは、今、最も活発なグループを絞り出して、そのグループにマッチする販売戦略を作り上げる。

ミレニアル世代(21-30才)は将来のアメリカのワイン市場に大きな影響を与える世代と捕らえられている。豊かな時代に育って裕福なベビーブーマたちが最盛期のころ、高額ワインをがんがん買ってワイン市場を引っ張って来た。でもその世代は年齢も上がってきたし、退職しつつあるので、購買力が後退してくるのは必然。ジェネレーションXはベビーブーマーたちに比べると現実派が多く、どちらかというとビールを飲む傾向に走ったと言われている。ジェネレーションXが購買力のある年齢に達したのだから、べビーブーマーの後をついで高額ワインを買うかと言うと、どうもそうではないようだ。そこで期待はミレニアルへ向かう。興味深いことにミレニアル世代のほうが、ビールではなくワインを買う傾向にある。

この世代はワインの主流であるカベルネ・ソーヴィニヨンとかシャルドネ、あるいは有名ブランド(ワイナリー)、知名度の高い栽培地区といったものに固執していない。この前の世代の若い女性は「シャルドネ、プリーズ!」と言うのがクールだった。今もシャルドネは売れているけれど、以前の勢いはない(ノー・オークのシャルドネは、新しいカテゴリーのひとつとして定着している)。

そこでミレニアル世代は「多様性」という言葉で表現されているという。

彼たちは一般的ではないワインを探している。前世代はカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワールと言ったメジャーなワイン、有名栽培地区以外のワインはレベルの低いものとしていた。そのころのメジャー以外の品種と地区の質が、それほど高くなかったこともその理由のひとつだろう。

メジャーではないワイン、シュナン・ブラン、リースリング、グレナッシュ、プティ・シラーと言ったワインをミレニアル世代は探しているという。

アメリカのホールセラー(卸売業者)の数は減ってしまった。大手の業者が生き延びて、小さな業者は統合されるか消えていった。大手の業者は小さなワイナリーを相手に細かいビジネスはしない。大手のワイナリーを相手にビジネスを張っている。大手の業者がミレニアル世代の傾向を把握して、大手のワイナリーに植え替えを伝えたとしても、今、早急に対応できない。ブドウ樹が成長するまでに時間がかかる。

今、ミレニアル世代がマイナーのワインを生産しているワイナリーを発見。メジャー以外のワインを生産している小さなワイナリーはいきいきし始めている。

 

メジャー以外の白ワインを探してみました。ア・ラ・カルトをご覧ください。