フランスワインに加酸?

フランスのワイン法は変わるのだろうか?地球の温暖化でこのところフランスのワイン産地も温暖になって、アルコール度が14%というのも珍しくないよね。

フランスはブドウの生育期間中に気温が上昇してくれなかった年は、酸度が高くなって、糖度が上がらないという年がある。

そのためにフランスのワイン法は良いワインに仕上げるのに十分なアルコール度まで自然の糖度だと上がらないときには発酵のときに糖分を加えることが許されている。数十年前にはボルドーで糖分を発酵時に加えないとアルコール度は11%ほどたっというシャトーもあったとか。

逆にカリフォルニアは発酵時に糖分を加えることは禁止されているけれど、必要うなら酸を加えることは許されている。

でも今、地球の気温パターンに変化が起きて、ヨーロッパでも酸を加えることが必要な年が出てきていて、糖度を加えてもいいという許可を求めている。

最近のボルドーは糖分を加えなくてもアルコール度が14%まで上がっているワインもある。酸が少なくアルコール度が高いフランスワインはフランスワインの理想ではないよね。なのでバランスをとるために酸を加えることが許可されなければならないと考えているフランスの醸造家も多いとか。

ドイツでは小さな2つの地区では酸が不十分だったために酸を加えることが過去3年のヴィンテージのうちの2ヴィンテージに許可されたという。

フランスは公的に糖分を加えることを、いつか許可するのかしらね。

 

参考までに:

ブドウの糖分が十分に上がる産地ではシャピタリゼーション(糖分を加えること)をする必要がないから、シャピタリゼーションが禁止されている。アルゼンチン、オーストラリア、カリフォルニア、イタリア、南アフリカなどでは禁止。

使われる糖分は蔗糖が一般的だけれど、醸造家によってはテンサイ糖とかコーンシロップの使用を好む。

温暖な地区ではシャピタリゼーションは必要ないけれど、加酸が必要ということがある。一般的には酒石酸を使用。醸造家によってはクエン酸、リンゴ酸を使うこともある。

カリフォルニアでは1980年代はトップクラスのワインでも酸を加えることが多かったけれど、90年代からは、ブドウ栽培の改良をして、質の高いブドウを収穫することによって、酸を加える必要がないということを確認。カリフォルニアの高級ワインは良質のブドウを使って自然に造るのがベストという哲学に基づいて、酸を加えていないことがほとんどといってもいい。