Fleur de Lysはサンフランシスコの有名なフレンチレストラン。友人が30年前に行ったきりでもう一度行ってみたいというので、ワイングループ6人で行ってみた。私は7,8年前に2度ほど行ったことがあるけれど、ずいぶんと変わってるんだろうなあと興味津々。
室内は薄暗くドレープがまるでアラビアンナイトのように下りていて、壁も全てギャザーの入った布で覆われている。カリフォルニアの白を基調とした清涼感のあるレストランのインテリアと一味違う。レストランの歴史の長さを感じさせる。
オーナーシェフのHubert Kellerはアルザス出身のフランス人。ラスベガスとセントルイスにもレストランを所有。サンフランシスコにバーガーバーもオープンしている。クッキングブックも出版している。いわゆるセレブシェフの一人。私たちのテーブルに数回現れて全員と握手をして、カフェを経営している友人がキッチンが見たいと言ったら快く案内してくださった。帰りにも出ていらして挨拶。気さくでハードワーカーと見た。2011年にミシュランの星をもらっている。
ソノマから車一台で行ったので、まるで日帰り旅行気分。
車の中からもう「カクテルが私を呼んでいる」
「スコッチが僕を呼んでいる」って大騒ぎ。
テーブルに案内されると、早速マルティニにとか何やかやのカクテルをオーダー。私はロラン・ペリエのシャンパンがグラスでリストに載っていたので、1グラスが$28はうそでしょうという高さだけれど、ここは仕事柄(言い訳)とばかりにオーダー。これぞシャンパン!と、喉も渇いていたからうっとりと飲んだ。美味しかった!
このレベルのどこのレストランのワインリストもたいがい素晴らしいけれど価格も3倍から4倍かけているのは、みんなが知っている事実。それでブルゴーニューの赤とカリフォルニアのカベルネを持ち込み。
白ワインをオーダー。ソムリエがやってきた。アピタイザーと魚料理にアルザスのリースリングとカリフォルニアのソーヴィニヨン・ブラン(Morogaという初めて聞くワイナリーのもの)を勧められた。リースリングは生産者名を忘れてしまいました。
ソムリエはちょっと知ったかぶりで、そのうえ美人の友人だけを見つめてべらべら。私たちは無視。感じ悪いなー。
「アルザスのリースリングをお勧めします。ドイツのリースリングは甘いですが、アルザスのは甘くありません」
「えっ、ドイツのリースリングでも、最近は甘くないのもあるんじゃないの?」と口をはさんだけれど、無視。続けて「アルコール度が11%と低いから最初に飲むワインとしていいと思います」とソムリエ氏。
「アルザスのワインがアルコール度が11%はほとんどありえないんじゃないかなあ。13%はあるんじゃない?」と私。
注いでくれたけれど、ボトルを見せてくれない。で、後から「ボトルとを見たら、アルコール度は12.5%でした」と言ってきた。
その後が嬉しい。「カリフォルニアのピノなら、どこのワイナリーのものが好き?」と聞いたら、帰りにはがき大のメモ用紙に10のピノ・ノワール生産ワイナリーの名前を書いて、出口のところで一つ一つのワイナリーについて説明してくれた。名誉挽回?
印象に残っている料理。
Local Petrale Sol
Dungeness crab, sea urchin and caviar, olive oil potato puree, toasted bacon brioche
とっても美味しかった! 使われている材料もいいよね。魚の上に蟹とウニとキャビアがのっていて、味わいにアクセントを添えていた。
Kurobuta Pork Lion
Brussels sprouts, mustard seed, spaetzle crispy bacon and tarragon red wine sauce
なぜメニューにローマ字でKUROBUTAと書くのかなあ。イギリスのBerkshireで開発(?)された豚なんだそうだからBerkshire またはBlack pigと書いてもよさそうなのに、、。日本から取り寄せたのかと聞いたら、東海岸で飼育されている黒豚だといっていた。
札幌で同級生と行った円山公園にあるフランス料理の店で、黒豚をいただいた。食材の美味しさをシンプルな味付けでよく生かしていたのを記憶している。
このレストランのは、もう少し肉自体が固い(英語ではDRYというけれど)感じだった。札幌でいただいたのより脂肪分が少ないのかな?それとも料理法なのかな?
Kobe beef cheeks, topped with mustard and cornichons
Smoked veal jus, sweetbread fricassee with truffle and spinach
ここ数年、KOBE BEEFとメニューに書いているところが多い。神戸から輸入しているのではなくて、コーベビーフ・スタイルというのが正確なのだそう。Wagyu とAngus cattleを交配させてアメリカで飼育されたもので、本物の神戸ビーフより、お値段がずうっと安い。KOBE BEEFは霜降りはあまり見られなくて、デリケートというより、しっかりとお肉の味(?)がする。
Alaskan Halibut
Black pepper butter, pea greens, carrot emulsion, pea soup with ham bits, roasted baby carrot, parmesan cream.
この料理が出てきた頃には酔いが回っていたことと、お腹が一杯になっていたこともあって、味についての記憶が薄い。
全員の感想は:
「楽しかったね、サービスも雰囲気も良かったし」
「料理は美味しいのと、普通のとバラツキがあったね」
「支払った金額分の価値ある?」
「うーん、、、、」
「また来る?」
「うーん、、、」
同じ金額を出すのなら、同レベルの違うレストランへ行ってみるかな。