カリフォルニア州は外出禁止令(自宅に留まりましょうという感じ)が出されて、不可欠なビジネス(病院、スーパーマーケット、薬局、ガソリンスタンド等)以外は閉店。10日間、どこへも行かずに家にいる状態で、この原稿を書きました。今日(3月25日)州知事は記者会見で「この禁止令は12週間続くかもしれない」述べています。

素敵なセッティングでおいしいワインを楽しんだ、日々が夢のよう。

3月5&6日にサンタバーバラのリッツカールトンホテルで開催されたWorld of Pinot Noirに行ってきました。今年は20周年記念とのことで、もう20年も続いていることに驚きました。実は多分15年以上前に、開催され始めたばかりのころに一度行ったことがあります。開催地はピスモビーチだったと思うのですが、大きなテントの中ですごく込み合っていて、しかも暑くて十分に試飲ができなかったのを記憶してます。

そのころに比べたら、なんという違い!とっても快適な会場で試飲、ランチ、セミナー、大規模な試飲会と盛りだくさん。

私はセミナー&ランチと5&6日と二日続けての100ワイナリーのピノ・ノワール(少しのシャルドネ)試飲会に出席しました。

セミナー:

What’s altitude to do with it? (意訳:標高とワインの関係は?)

以下の10のワインを試飲しました。

Domaine Kirrenbourg (アルザス):

 2017 Premier ($63)

 2017 Terroir B($52)

Mission Hill (ブリティッシュコロンビア):

 2015 Martin’s Lane Naramata Ranch($70)

 2017 Prospect($35)

Cono Sur (チリ):

 2016 Ocio ($65)

 2017 20 Barrels($35)

Domaine Nico (アルゼンチン):

 2016 Le Paradis($350)

 2017 Histoire d’A($50)

Sangiacomo Family Vineyards (ソノマ):

 2017 Robert Road Vineyard ($70)

 2017 Sonoma Coast ($60)

コートドールかと思うピノ・ノワール(Domaine Kirrenbourg ,Alsace):2017 Premier $63)、軽やかで程よい果実味のエレガントなピノ・ノワール(Domaine Nico ,Argentina):2016 Le Paradis$350)、香り豊かでふくよかな飲みなれたピノ・ノワール(Sangiacomo Family Vineyards,Sonoma): 2017 Robert Road Vineyard $70) 、香りからかなり熟したフルーツの味わいを予測したけれど、フルーツの甘みが強くなく、タンニンがしっかりしてるタイプのピノ・ノワール(Mission Hill ,British Columbia): 2015 Martin’s Lane Naramata Ranch $70) 、オークの香りと味わいをしっかりと利かせたピノ・ノワール(Cono Sur ,Chile): 2016 Ocio $65)とタイプの異なるピノ・ノワールを試飲出来て勉強になりました。

高地のブドウ畑から造られたピノ・ノワールに一貫した特徴があるというよりは高地の気候、海に近いことから生じる特色、土質(花崗岩、石灰)を含む栽培条件が組み合わされたテロワールから、個性が異なるピノが生まれるという結論に私はたどり着きました。

セミナーとペアになっているセミナー後のランチ:

セミナーに参加していたワイナリーの他のワインが提供されていて、Domaine Kirrenbourg , Alsace):2017 Pinot Gris Grand Cru Schlossbergが注がれて感激。アルザスの白はアルコール度が高くてボディが厚めのものが多いと認識していたのですが、このワインは程よいボディとバランスの取れた素晴らしいピノ・グリでした。

The grand and Premier Crus of Burgundy (ブルゴーニューのグランクリュとプルミエクリュ)

ブルゴーニューのグランクリュとプルミエクリュを比較試飲できるめったにない機会で、わくわくしてセミナーに出席しました。

セミナーに出されたワイン:

Bouchard Pere & Fils:

 2017 Beaune du Chateau Rouge Premier Cru ($45)

 2016 Beaune Greves Vignes de L’Enfant Jesus Premier Cru ($125)

 2011 Le Corton Grand Cru ($150)

Louis Jadot:

 2016 Beaune Aux Cras Domain Gagey Premium Cru ($67)

 2016 Nuits-Saint Georges Les Vaucrains ($105)

 2014 Clos Vougeot Grand Cru ($185)

Domaine Michel Magnien:

 2013 Chambolle-Musigny Les Sentiers Premier Cru ($120)

 2014 Charmes-Chanbertin Grand Cru ($135)

Domaine Dujac:

 2011 Charmes-Chambertin Grand Cru ($220)

タンニンがしっかりしたワインが多かったです。トップノーズで一瞬ブショネ?って思うカビっぽさが感じられた数ワインがあったのですが、空気に触れているうちに消えました。AOCによる味わいの違い、プルミエ・クリュとグラン・クリュ(2011年はまだベビー)の迫力の違いを再確認できたように思います。

 

続いてランチ:

セミナーで出されたワインを所望すると注いでくれるというぜいたくなランチ。とてもおいしいかった2011 Le Corton Grand Cruをたっぷりと楽しめました。

試飲会

100の参加ワイナリーの60%くらいがカリフォルニアのワイナリーでした。開催地が地元なのでサンタ・バーバラ・カウンティからの参加ワイナリーが多かったです。続いてソノマが多いのが印象に残りました。加えてモントレー、メンドシーノ、サン・ルイス・オビスポ・カウンティ、サンタ・クルーズからも参加してました。

カリフォルニアの様々な栽培地区からワイナリーが参加しているので、カリフォルニアのピノの今の様子がざっとわかって参考になりました。素晴らしいピノ・ノワールがありましたが、バランスが今一つとれていないものも少しありました。でもピノの質は確実に向上しています。

他にオレゴン、海外からはイタリア、ブルゴーニュ、チリ、アルゼンチン、アルザス、ブリティッシュコロンビアから参加してました。

試飲会のムードは熱気に満ちていて、ぶつかり合いそうに込み合っているのだけれど、フレンドリーで楽しんでいる様子が新鮮でした。混んでいるのにギシギシ感がないのです。ブースでワインを注いでもらうのに、ブースの手前は意外とスペースがあって注ぎ手までたどり着くのに大苦労というのが少ないのも嬉しかったです。

あまりにもたくさんのワインが出ているので、2日間頑張りましたが、味覚も体力も頑張り切れず、試飲を逃がしたワインも結構あるかと思います。

消費者向けのイベントなので、参加者はリラックスムード。とはいってもピノ・ノワールファンで知識をたくさん持っている人たちが集まっていました。

世界のピノ・ノワールのタイプを学びながらの楽しいイベントです。南カリフォルニアの海岸沿いの気候は何とも言えない気持ちの良さで、南カリフォルニアの海と風を感じながらのぜいたくなイベントです。

癒しを感じるワインイベントでした。