最近,ソノマ・カウンティにマシン使って試飲を提供するテイスティングルームとレストランが登場して話題になっています。
試飲マシンを使っているバーとかレストランはあるようですが、この二つの場所で試飲できるワインの数が桁違いなのです。
昨年の夏に、セバストポールにオープンしたテイスティングルーム「Region 」と今年の秋にヒールズバーグにオープンしたレストラン「Matheson」です。
ワインテイスティングというとワイナリーからワイナリーを訪れて試飲してきましたが、一か所で試飲できるようにということで、ベイエリアの小さなワイナリーがチームを組んで一つのテイスティングルームを共有して、試飲ワインを提供するようになりました。ナパ、ヒールズバーグ、セバストプールにこのタイプのテイスティングルームが(ナパには5つの新ティスティングルームがオープン)増えています。アイデアは予約なしでテイスティングルームを訪れて、小さなワイナリー(例えば年間生産量が500ケースのワイナリーとか)のワインを一箇所で何社も試飲してもらおうというものです。
新たなワインとの出会いがあるかも。このタイプのテイスティングルームについてはまたの機会に書きます。
Region
小さなワイナリーが一つのテイスティングルームに集まっていて、訪問者が気楽に試飲できるようにというアイデアから生まれたのがRegion。しかもセルフサービスの試飲用マシンを備えていて、自由にワインを試飲できます。
Regionには25のソノマ・カウンティのワイナリー(50の試飲用ワイン)が一箇所に集まっています。ゆったりとしたスペースで、あれこれと試飲したり、または数レストランから料理を(寿司、ピッッザ、サラダ、サンドイッチなど)オーダーして食事を食べながら飲んでみたいワインをセルフサービスでマシンからグラスに注いで、テーブルで楽しむこともできます。
地区別に3つのワイナリーを選んで、テイスティングしてみました。初めて名前を聞くワイナリーです。
試飲の量(1oz、2.5oz、5oz)を選ぶことができます。
*2016 Thirty-seven, Albarino, Petaluma Gap
フルーツの甘みがちょっと気になりました。
*2015 Chenoweth, Pinot Noir, Green Valley
軽やかできれいなピノです。(1ozが$5.40、2.5ozが$12.20, 5oz が$22.50)
*2015 Frost Watch, Merlot, Bannet valley
飲みやすい軽いタイプのメルローでした。(1ozが$2.50)
今回は試飲しませんでしたが、例えばImmortal Estate Impassable Mountain Carbernet Sauvignonは小売価格が一本 $300なので、話のタネに1オンスを試飲してみるのもいいかもしれません。
参加ワイナリーは1年間の契約をします。年末に4つのワイナリーが抜けて、新たに4つのワイナリーが参加するという仕組みです。
Regionのオーナーによると, 好評なので、来年の2月にサン・ルイス・オビスポに第二店をオープンする予定だとか。サン・ルイス・オビスポ・カウンティに属するパソ・ロブレス、エドナ・ヴァレー等の地区のワイナリーのワインを提供するというものです。
Matheson
ヒールズバーグにオープンしたMathesonは3階建てのアンビッションに満ちたレストランです。
フォーマルなダイニングは1階、3階にカジュアルなルーフトップバーがあって、各階ごとに異なるバイザグラスとボトルのリストがあります。全部で130のバイザグラスが揃っています。
130のうちの88のワインがwine wall(ワインの壁?)と呼んでいる、セルフサービスの試飲マシンからワインをグラスに注いで楽しむことができます。Regionと同じマシンです。飲みたい(試飲したい)ワインの量もRegionと同じように1oz、2.5 oz、5ozから選びます。
地元の新聞によると、ロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ・ノワールからクラシックなヨーッロッパワインまで揃えてあります。ベイエリアの生産者のものが70%を占めています。Chateau d’Yquem やWilliam Selyemのシェナン・ブランがあったそうです。
Hirsch Bohan-Dillon のピノ・ノワールだと1ozが4.75ドル, 2.5ozが 11ドル、 5ozだと 22ドル。高いものだと例えばメルローブレンドのVERITEは1ozが26ドル、2.5ozが 65ドル、5ozだと 130ドル。
Napa Tech system
この試飲用器具はNapa Tech system (会社はネヴァダにあります)が開発したものです。ワインのボトルがガラス板の後ろに置かれ、注ぐ栓が設置されていて、グラスにワインが注がれます。
Regionと Mathesonの両方とも、まずデビットカードみたいなのを受け取って、クレジットカードを預けます。試飲したいワインが入っているガラス張りのボックスの左上にあるカード差込口にカードを差し込んで、グラスを注ぐ栓の下に置きます。希望ワイナリーと量のボタンを押すと、オーダーした量がグラスに注がれます。
最後に、飲んだ量と価格が集計されて、総計がクレジットカードから引き落とされます。
ガラスの後ろに並んでいるボトルはマシンから不活性ガスであるアルゴンがボトルに注入されて、残りのワインが酸化するのを防ぎます。
ということはレストランがオープンしたボトルが一度に飲まれるのかどうかを心配する必要がないことを意味しますよね。数ヶ月の間、新鮮なままキープされるそうです。
マシンの価格は、ワインボトルが5本入るマシンが5000ドルです。
このマシンが置いてあるレストランやテイスティングルームに入ると、ワインのディズニーランドに来たみたいな気分になるかも。
嬉しくなってあれやこれやと関心のあるワインを試飲すると、かなり高い試飲になりそうです。