Zap garden court
ZAP主催のジンファンデル試飲会(3月27日)の招待のメールが入りました。マスク着用の必要なし、コロナ予防接種済み確認の必要なし、感染は自己責任という説明書きがついてます。まだ躊躇する人が多くて、参加者が少ないようで、招待のメールが何度も送られてきました。
万が一の感染は自己責任ということで、決心して行ってきました。理由の一つはサンフランシスコのパークホテルが会場だったことです(単純)。

パークホテルは1984年に文化財に指定された由緒あるホテルです。2016年にアメリカのベスト歴史的ホテルに選ばれています。
ホテルのドアを開けて中へ入ると正面に見える、ガーデンコートと呼ばれる丸い天井の素敵なサロン&レストランが大好きなんです。ガーデンコートはなんと1969年にサンフランシスコンの文化財に指定されています。1906年の地震でダメージを受けてしまいましたが、元々のホテルは1875年にヨーロッパの一流ホテルに対応するホテルとして建てられたものです。1875年は「金ぴか時代」ともいわれてますが、ロマンのある昔を彷彿させてくれて、うっとりします。

試飲会場はもちろん違う広間ですが。

Zap tasting

一月に開催される数百というワイナリーが参加する大規模な恒例のZAP試飲会ではなくて、プレミアムクラスのジンファンデルを生産する39のワイナリーが参加するテイスティングというのも魅力がありました。

トップクラスのジンファンデルはどのように変わったのかを確認するいい機会だと思ったのです。何年もZAP試飲会に参加していないので、浦島太郎感です。

会場にはすでに多くの人が来てましたが、ブースに近づけないほどの混みようではないのでほっとしました。参加してる人々は以前に比べると心なしかゆったりしています。

全体的に、軽やかでバランスの取れたジンファンデルが多くなっていたのは予測通りでした。エスプレッソタイプのジンファンデルには、このテイスティングでは出会いませんでした。

ジンファンデル種の香りにスパイスが重なったきれいなジンファンデルが多くなってるのは嬉しかったけれど、それに加えて複雑な味わいと深みがあるジンファンデルはとても少なかったです。最もそういうジンファンデルを造るワイナリーは生産量が少なく、テイスティングには参加してなかったということもあるかもしれません。

ベリーとスパイスのアロマがあって、しなやかな口当たりと味わいに深みのある飲み手に訴えてくるようなジンファンデルというのは、限られた畑でしか造ることができないのだと思います。

個人的で主観的な感想です。
いいなあと思ったジンファンデル:

ROBERT BIALE VINEYARDS
 きれいなジンファンデル香にスパイス、しなやかで味わいに深みがあって、長いフィニッシュのバランスの取れたジンファンデルでした。

GREEN &RED VINEYARD
 昔からこのワイナリーのジンファンデルが好きでした。今も変わらずスパイス(コショウ)のニュアンスがあって軽やかでおいしいジンファンデルでした。
懐かしかったワイナリー:
ずうっと昔に訪れて好感を持っていたワイナリーです。

PEACHY CANYON
優しいワイン。跡を継いだ息子さんは、日本からたくさんオーダーが入ったと嬉しそうでした。どのワインも口当たりがソフトでほんのりと甘く飲みやすいジンファンデルでした。
少しだけ個性を感じたワイナリー:

TRES SOBORES
2019 Estate, Rutherford ($30)
 小粒で霧っと引き締まったベリー風味が個性的でした。

考えさせられたワイナリー:
以下の二つのワイナリー。暗めの会場で、軽い気持ちでテイスティングして、ぱっと感じた印象です。

TURLY WINE CELLARSRIDGE VINEYARDS
Tegan Passalacqua が醸造&栽培のヘッドマネージャーになったのは2013年のこと。もともと同氏は栽培に大きな関心を寄せていて樹齢のいったブドウ畑を広い範囲で見つけて、なるべく手をかけずずに各畑の特徴を生かしたワインを生産しています。サイトによると50のブドウ畑から50(様々な品種)のワインを生産しています。約20のジンファンデルを生産しています。そのうちの3つのジンファンデルを試飲しただけなので、ストーリの一部しかわかりません。

2020 Juvenile, California (NA)
 甘みが気になるとてもシンプルなワイン

2020 Kirschenmonn Vineyard, Lodi (NA)
 軽くて甘みが勝っていてシンプル。
2020 Buck Cobb Vineyard, Amador Country (NA)
 少しのジンファンデル種の香りとタンニン。こちらもシンプル。

2020年というヴィンテージのせいでこういうワインが出来上がったのかもしれませんが、少し驚きました。今回のテイスティングに出されていたワインは印象に残るジンファンデルではないことが意外でしたが、ストーリの一部を垣間見ただけなので、全体像はわかりません。考えさせられるワイナリーでした。

Ridge Vineyards
リッジが造る深みのある美味しいジンファンデルにいつも感激していました。
しばらくジンファンデルの試飲をしていなかったので、スタイルが変わったことを、知らないのは私だけなのかもしれません。あるいはヴィンテージが関係しているのかもしれませんが、造り手の冴えた感覚が感じられないジンファンデルになってしまったように感じました。

2019 Pogani Ranch Sonoma Valley ($40)
 ジンファンデル種の香りは少なくて、くさみがすこし、ソフトな口当たり。

2019 Lytton Springs, Dry Creek Valley ($45)
 ソフトな口当たり、しっかりしたタンニン。

2020 Paso Robles ($35)
 まろやか。

全体的に、このテイスティングに出されていたジンファンデルの価格が高いのに驚きました。20ドル30ドルというのは珍しくて、50ドル、60ドル、70ドルのものが多かったです。$125ドルというのもありました。長いことジンファンデルに関心を持っていなかったから、価格が上がっていることを、私が知らなかっただけなのかもしれません。

浦島太郎はジンファンデルのスタイルも価格も変わったことを遅ればせながら確認しました(汗)。

1品種だけの試飲会は比較しやすくて勉強になりました。

ガーデンコートでは土曜日にアフタヌーンティーをサービスしているので、行ってみたいなと思ったのですが、小麦粉が食べられない私には無理なメニューであきらめました。でもロビーの隣にあるPied Piper bar にアメリカの画家Maxfield Parrish(1870-1966) が描いた大きな絵(4.9X1,8m)が飾ってあるので見に行きたいです。

Pied Piper Bar

試飲会再開催、活動開始の季節です。

Pied Piper barの絵画の写真はWIKIPEDIAに掲載されているのを使わせていただきました。