2019年のワイントレンド

2018年があっという間に過ぎてしまいました。そして2019年も2月。今年もあっという間に過ぎてしまうのでしょうか?

2019年のワイン市場のトレンドはどんなものかなと思って2、3のワインコンサルタント会社のトレンド予測をチェックしてみました。

共通しているトレンド(私観も含めて)の予測をあげてみます。

1)どの調査でも、ミレニアル世代(1981年から1996年に生まれた世代、22歳から37歳)がワイン消費者の主流になると予測しています。

この世代が今後のワイン市場を形作る基礎になる。

この世代はベビーブーマーのようにブランドに忠誠ではなく、アイキャッチングなラベル、クリエイティヴなラベルに惹かれる。ということはワイン販売はヴィジュアルであることが重要。

ポートランド州立大学の調査によると以下の3点がワインの購入のポイントとなるとしている。

ラベルの色

ロゴのサイズ

どういうロゴを使っているか

この点を考慮した販売方法としてレストランではワインリストをよりビジュアル化することを提案。

ミレニアル世代は低価格帯のワインにはあまり関心がない。その結果プレミアムワインの売り上げ向上に寄与している。と同時にグッドヴァリューに明確に焦点をあてていて、高品質のワインで値ごろ感のあるワインをさがす。

ミレニアル世代は未体験のワインを試してみようという傾向が強い。ホットなぶどう品種など常に新しいワインの発見を求めている。例えばロゼは「このワインはホット」のカテゴリーに入っていて、アメリカのロゼの販売が2017年6月前の52週で53%の販売向上に貢献している。しかしワイン生産者が「ホットな品種」のトレンドを追いかけて栽培、ワイン生産することは危険と警告。なぜならこの世代のトレンドは短期間で変動するので、栽培してワインが市場に出る頃には、もう違うトレンドを追いかけていることになるからだ。ワイン生産者は従来のマーケティングから新しいマーケティングに変えていく必要がある。

一般的に家飲みが多くなっている傾向の中で、ミレニアル世代は家飲み、プライベートなソーシャルセッティングで飲むケースが多いという点でもミレニアル世代がトレンドに大きなインパクトを与えている。

2)缶ワインのセールが2017年から2018年にかけて43%増。しかしワインセールの全体から見ると1%ほどと少量。缶ワインの白ワイン、ロゼ、スパークリングワインが増えてきている。2019年は順調に消費が延びるだろうと予測。

3)カリフォルニアだけではなくてアメリカ全体にいえることだけれど、労働者不足が憂慮されている。

今までは移民労働に頼ってきたので、トランプ政権の移民政策の変更が深刻な労働不足を起こしている。メキシコからやってくる季節労働者が国境を越えるのが難しくなった。さらに北カリフォルニアの2017年の大規模な山火事で合法、違法移民の10万人が住宅不足のため他の場所へ移動したという。ワインカントリーでは火事の影響で仮住宅を労働者に提供することが困難になってしまった。収穫期にぶどうを摘む人が不足してくると深刻な状況に陥ってしまうことが懸念されている。

3)小規模のワイナリーを代表してくれるデストリビューターが少なくなってしまった状況の中で、消費者に直接販売する、DCTDIRECT-TO CONSUMER が急増。年間生産量が1万ケース以下のワイナリーの68%(2016年)がDTCシステムで販売。2014年に比べると6%増。一方、大手ワイナリー(年間生産量が25万ケース以上のワイナリー)はDTCシステムから撤退し始めている。2014年の大手ワイナリーのDTC売り上げは12%だったのが2016年は6%に減少。

この予測が当たっているかどうか、、、2020年に確認しましょう。

ところで、日本のミレニアル世代は日本のワイン市場に大きな影響を与えているのでしょうか?