ソノマの暮らしブログ

QR コードでラーメンをオーダー

年末に我流おせち料理を作るためにサンフランシスコのジャパンタウンにあるNIJIYAというスーパーに行ってきました。アメリカに渡ってから30年以上になりますが、毎年、煮しめとか黒豆とか、その他色々なものを作ってきました。両親から受け継いだ日本のお正月の風習なしのお正月は考えられないからです。過去3年はコロナのためにお客様を呼ぶのを中止しましたが、その前は30人ほどの人が元旦にいそいそと我が家にやってきました。私が生まれて初めておせち料理らしいものを作ってみた時から、毎年欠かさずに元旦のパーティに来てくれる人が3人ほどいらっしゃいます。

食料買い出しの前にちょっとランチをしようということになって、「ラーメンがいいね」というのでラーメン屋さんを探しました。驚いたのは、2ブロック内に、ラーメン屋さんが4軒ほどあるのです。お蕎麦はあんまり人気がありませんが、ここ10年ほどラーメンの人気が爆発的なのです。

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なぜお蕎麦じゃなくてラーメンなのかなと考えてみました。お蕎麦というのはある程度の特殊な味覚を必要とするらしいけれど、ラーメンは油っぽくてこってりしているし、お肉も入ってるので馴染みやすいのだろうなという私なりの結論です。

この日はお天気が良くて外でも食べられるくらいの気温だったので、外にテーブルがあるラーメン屋さんを探しました。外にテーブルがあって、席も空いているラーメン屋さんが見つかったので、店内に入って受付を済ませると、アジア系アメリカ人の青年が外のテーブルに案内してくれました。テーブルにメニューがないのでレイが「メニューをお願いします」と言ったら「 OK」 と言って店内の戻っていきました。ふとテーブルの真ん中に QR コードがついた紙が置いてあるのに気が付きました。

QR コードって、1994 年に日本のデンソー ウェーブによって発明されたマトリックス バーコードの一種なんですね。

datamatrix

紙を読んだら、このコードを使って食べ物をオーダーするようにということです。なかなかメニューを持ってきてくれないので、このQRコードでオーダーするしかないなと思ってたら、レイも同じことを考えてたようで、スマートフォーンを手にしてます。でも老眼鏡を忘れてきたので、携帯に出てきた字が読めなくて、メニューを待つより仕方がないといって、携帯をテーブルに置きました。するとテーブルへ案内してくれた青年が(どうやら彼一人で接客の応対をしているようです)メニューを持ってきてくれました。写真入りの大きな字で書かれたメニューなので、どれをオーダーしたいか、すぐに決まりました。でも、なかなかオーダーを取りに来てくれません。

超近眼で小さな文字を読むのは問題がない私が、QR コードでオーダーをしてみることにしました。スマートフォンのカメラを(だったと思う)QR コードにあてると、コードを読み込んでラーメン屋さんのサイトにつながりました。オンラインショップと同じように名前を入れてメールアドレスを入れて、それからオーダーを入れていきます。写真入りの大きな字のメニューを見て、すでに決めていたラーメンをオーダーしました。次はクレジットカードの番号や期限を入れて支払いをします。チップは何%にするかを決めます。10%、18%、20%から選ぶのが一般的なのですが、最近は10%がなくて、15%、20%、25%から選ぶようにという飲食店が増えています。インフレでサービス業界で働く人たちも大変なのでしょう。オーダーを入れたらすぐに E メールで「毎度ありがとうございます。オーダーを受け取りました」というメッセージが入りました。

この辺りの店はいつもお昼時間は混んでいて、長い列ができてるのですが、この日は誰も列を作っていません。ふと気がついたのですがレストランの入り口にタブレットが置いてあるのです。入り口に設置してあるウエイティングリストの紙に名前を書いて、名前が呼ばれたら中へ入るというのが、タブレットに変わったんですね。タブレットに名前と電話番号を入れてテキストで席が空きましたよという連絡が入るのを待つというシステムなんです。長い列を作って立って待つ必要がなくて、あちこちのベンチなどに座って待っているのです。これはとても便利だなと思いました。

札幌の大丸の飲食店街はレストランの入口の壁に沿って10個ほどの椅子が並んでいて、前の人が店内に入ったらあいた椅子へ移るというシステムでした。

オーダーを入れてから15分でラーメンが運ばれてきました。お味の方もなかなかで、久しぶりにラーメンを楽しみました。アメリカは日本と違ってテーブルで支払いを済ませるシステムなので、係の人が来るまで待たなければなりません。でもQRコードでオーダーをしたら、食べ終わったら、お会計を待つ必要もなく、さっと外へ出られて気持ちよかったです。

それにしてもレストランサービス業の人手不足が深刻なのでしょう。その結果、こういう方法が生み出されたのだと思います。

スマートフォーンがないとカジュアルレストランでラーメンを食べるのも難しい時代になったのかなあと思いました。帰って友達にその話をしたら「私は達者に携帯を使えないからラーメン屋さんに行けないわね」と言っていました。そうではないけれど、メニューをもらって、オーダーを入れてというのに時間がかかるので、気長に待たなければならないということなのでしょう。

「年を取って車が運転できなくなると大変だわね」QRコードでラーメンをオーダーしてから、ふと思ったのです。アメリカ社会は車社会です。私たちが住んでるところは、車がないというのは靴がないのと同じで、どこへも行けません。多少不便でもバスが使えるといった状態ではないのです。タクシー会社も、今はないと同様です。

「大丈夫さ。その頃になると運転手無しで走る車が登場してるよ」と自信たっぷりのレイ。

「行き先をコンピューターで入力しなければならないと思うけど、タイプミスで違う住所を入力してしまって、とんでもないところへ連れて行かれることもあるんじゃない?」

間違った住所をインプットしてしまって、車の中で慌てふためいてる二人の姿が目に浮かんで笑ってしまいました。

HONDAのCRVを買って初めて運転したときに、キー無しなので(それまではキーを差し込んで運転するアンティーク車(笑)に乗っていました)どのボタンを押したらエンジンがスタートするのか、二人で慌てふためいてました。

「エンジンをスタートしてください」とレイがボイスオーダー(のつもり)をしてもエンジンがかからず、大笑いしたものです。
でも慌てふためく老夫婦の図に笑ってる場合じゃないのかもしれません。

時代の変化に合わせて、ますますハイテクになる世の中に対応できるように心がけたいものです。

2023年が皆様にとって素晴らしい年でありますように。

ラーメンの写真はGAIJINRAMENから、QRコードのシンボルはコグネックスのを掲載させていただきました。

病院のTransparency (透明性)
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