ソノマの町にあるオーガニック専門のスーパー、Whole Foodのチーズ売り場の横にずらーっとロゼが並んでいるのでびっくりしました。
このスーパーは、例えば普通のスーパーであるSafewayなどに比べると、オーガニックということもあって、価格が高めなので、やや裕福層のお客さんが多く、多分、知的な消費者も多いと思います。セールと書いてある品物で、オーガニックなのはもちろんですが、健康的だなと思う食材はパッと売れてしまいます。それを見る度に、よく食材について知ってるなあと感心させられてます。
要するにfoodie と英語で呼ばれる人たちが買い物をする店なのです。フーディ(日本語では食通?)というのは食品とアルコール飲料に洗練された関心を持っている人たちで、趣味として新しい食体験を求めています。
そういう店でこれだけの数のロゼを展示しているのだから、ロゼ人気は本物なのかもしれません。
Nielsenという調査社の発表によると、アメリカの2016年1月2日を最後とする52週間の最新データーによると、8ドル台のロゼは52週間前に比べると売り上げが53%上昇、ヴォリュームでは40%上がっているとのことです。
大の男がピンクのワインを飲むなんてなあと、一般的に男性は敬遠してきました。それを見越して「 Real Men Drink Pink (本物の男はピンクを飲む)」とか「 Brose- bro who drink Rose (ブロゼーロゼを飲む兄弟分)」なんていうプロモーッションも功を奏してるのかもしれません。
もう一つ、見た目も見逃せません。無色のボトルであることはいうまでもありませんが、2014年からアメリカにも入っていますが、ボトルの底が(パント)の凹みがぐんと高くなって、灯りに反射してキラキラ光るボトルが使われているのです。これはロゼと白ワインにも使われていますが、いい感じで目を引きますよね。
今度ロゼ売り場に行ったら、ボトルの底をチェックしてみてください(笑)
「ロゼって甘い」
「安物」
「個性に欠ける」
「初心者が飲むワイン」
「女性っぽいよね」
という声が聞こえてきます。確かに甘いのも、どてっとしたのもあります。
でもロゼと一口に言っても、最近はいろんなロゼが出回っていて、本格的に造られたロゼが結構あります。1970年代に一斉を風靡したほろりと甘くて優しいホワイトジンファンデルが、今は辛口となってリバイバルしてます。
主な造り方が3つあります。
1、saignee ( bleeding) :セニエ(血抜き?)
赤ワインの生産過程でワインを凝縮させるために一定量の果汁を取り出して、抜き取った果汁を原料として造る。
2、赤ワイン用のブドウを房ごと搾汁:
短時間のスキンコンタクトによって色が付いた果汁を発酵。
3、赤と白をブレンド:
黒ブドウと白ブドウの果汁をブレンドして、白ワインのように醸造する。
いろんな品種から造られてます。
一般的なのはピノ・ノワール種、最近はグルナッシュ種も人気。色が濃くややボディがあるのはシラー種から造られてます。時々カベルネ・ソーヴィニヨン種から造られたロゼも見かけます。そうそうホワイトジンファンデルはロゼですよね。
甘さも生産者によって違っていて、やや甘いのから辛口まであります。甘いといってもコカコーラのように甘いのはありません。コカコーラは1リットルにつき糖分が108g、甘いと言われるホワイトジンファンデルでも5ー20g程度ということです。
それに色だけをチェックしても、玉ねぎの皮、薄い銅色、スイカ、サーモンピンク、チェリーピンク、マゼンタと、それはいろいろあります。
ひとつ言えることは色からは甘さの度合いとか、味のプロフィールはわかりません。ただワインに詳しい方はブドウ品種とワインのスタイルを予測することが可能です。
どんな場面でロゼを楽しむか。
アペリティフ、ランチには軽やかで味わいがフレッシュでぱりっとした酸がきいたタイプがぴったり。
どんな料理と楽しむか。
一般的すぎるけれどアジア料理、シュリンプカクテル、ニース風サラダ、アメリカなら感謝祭にいただくターキーにクランベリーソースを添えたものとか、クリスマスにいただくハムなんかにも合います。私はソノマのレストランでのランチに、グリルしたサーモンをのせたサラダで楽しみました。
小さなワイナリーでとっても良いロゼを造っていますが、少量なので、なかなか日本までは届きません。残念!
例として、グルナッシュから造ったTwo Shepards,グルナッシュとシラーを注意深くブレンドした Schererが好きです。
このクラスだと20ドルちょっとするので、安いロゼとは言えません。ボニドゥーンのも20ドル以下でした。ブラッド&アンジェリーナのロゼ、Miravalもいいですよね。人気俳優とかのワインにはあまり関心がないのですが、これは結構美味しいです。でもソノマでは27ドル前後と、ロゼにしては高いです。
ロゼはだれでも気軽に飲めるワイン。多分、日本だとお花見に楽しんだ方も多いかもしれませんね。初夏から夏にかけて、初心者も男性も女性も、若い方も熟年の方も、手軽な価格で好みのピンクワインを見つけて、気軽に楽しんでみたらいいのでは。
参考:
元クロニカル紙のワイン欄を担当していたジョン・ボネがリストアップしたカリフォルニアのロゼです。
2013 Matthiasson California Rosé ($23, 11.5%)
2013 Heitz Cellar Napa Valley Grignolino Rosé ($19, 13%)
2013 Broc Cellars Sonoma County White Zinfandel ($22, 11.5%)
2013 Edmunds St. John Bone-Jolly Witters Vineyard El Dorado County Gamay Noir Rosé ($20, 13%):
2013 Waxwing Spring Hill Vineyard Sonoma Coast Pinot Noir Rosé ($23, 13.4%)
2013 Le P'tit Paysan Pierre's Pirouette San Benito County Rosé of Mourvedre ($19, 13%)
2013 Birichino California Vin Gris ($16, 13% alcohol)
2013 Proulx Willow Creek Farm Paso Robles Grenache Rosé ($24, 12.4%)
2013 The Scholium Project Rhododactylos Bechtold Ranch California White ($28, 14.16%)
2013 Dragonette Cellars Happy Canyon of Santa Barbara Rosé ($22, 13.2%)
2013 Donkey & Goat Isabel's Cuvee Mendocino Grenache Rosé ($24, 13.7%)
2013 Idlewild Gibson Ranch Mendocino County Grenache Gris ($28, 12.9%)
2013 Fiddlehead Cellars Pink Fiddle Sta. Rita Hills Pinot Noir ($22, 12.6%)
2013 Lucy Santa Lucia Highlands Rosé of Pinot Noir ($19, 14.1%)
2013 Three Wine Co. Contra Costa County Carignane Rosé ($16, 12.6%)
2013 Vaughn Duffy Sonoma County Rosé of Pinot Noir ($18, 13.9%)
2013 Red Car Sonoma Coast Rosé of Pinot Noir ($20, 12.7% alcohol)
2013 Turley Wine Cellars White Napa Valley Zinfandel ($19, 11.9%)