No. 42 Date:2009-11-02
安くて美味しい赤は?
世界的な不況で、高額ワインの売上げは停止状態。カリフォルニアも例外ではない。ワインの消費量は落ちていないけれど、高いワインは動きが鈍い。ワインは飲むけれど、高いワインは飲まないということなのだ。日本も同じ状況だとのこと。
フレンドリー価格のワインはどのようにして選んでいるのだろうか。ワインショップへ行って、自分で見繕って買っている人が多いのだろうか。それともスペクテーター誌の最近号「500グレート・バイ」のスコア等を目安に買い求めているのだろうか。
この号のスペクテーター誌の90点以上の赤ワインは、オーストラリアのシラーズ、フランスはコート・デュ・ローヌが多く、カリフォルニアの赤はジンファンデルとピノが数個だけだった。
カリフォルニアの良いワインは残念ながら高いと言わざるを得ない。特にパーカーやスペクテーター誌が高得点をつけるワインは高い。
日本ではシラー系のワインはそれほど人気がないと聞いている。となると、高い点の付いたものを買うことになるのだろうか。
高い点がついたワインを消費者が買う。だからワインショップも高い点がついたワインを仕入れる。96点以上だと確実に売れる。92点も売り上げが向上する。80点だと点をつけられないほうがましという感じで売れないと冗談半分、本気半分でいわれている。
ここ20年間ほどは高い点がついた赤ワインというと、「ビッグ、図体が大きい、アルコール度が高い、味わいが芳醇で凝縮している」というイメージがぱっと出てくる。このタイプのワインは、ずらりと並んだワインを次々と試飲していくときに、強く印象に残るワインということになる。白ワインだと酸味が少ないので、ほのかに甘味を感じる。そしてボディがある。
デリケートでニュアンスを楽しむタイプのワインは、80-85点というところだろう。
90点代のイメージとして描いた特色を持つワインは、ワインだけで飲むと(テイスティングと同じように)とても美味しいけれど、食べ物と合わないという声が、だんだん大きくなってきている。
デリケートでニュアンスを楽しむことができるワインは、料理を引き立ててディナーの席での食事を楽しくしてくれる。
アルコール飲料専門チェーン店のビヴァレッジ&モア(BevMo)の売れ筋価格帯は1本が15-20ドルで、それらのワインはもともと30-40ドルしていたものだという。でもそういったワインを買うというのも、もともとの値段を知っていなければならない。
ワインショップのスタッフがワインに精通していて、知名度はないけれど質の高いワインを手ごろな価格で出しているブランドを見つけておいている店があるので、そこへ行くのもひとつのアイデア。そのためにはワインショップに足しげく通ってスタッフと仲良くなっていなければならない。ということは賢くて勤勉なワインの買い手にならなければならないということで結構大変。何はともあれ、今は質の良いワインが手ごろな値段で手に入るバイヤーマーケット。この機会を楽しまない手はない。
最近飲んだフレンドリー価格で美味しかった赤ワイン
カベルネ・ソーヴィニヨン
2006年 Hess Allomi Vineyard $25
2006年Avalon $13
2007 年B.R. Cohn North Coast Silver Label $20
ムルヴェードル
2007Cline Mourvedre $17
ピノ・ノワール
2006 Westwood North Coast $15