No.33 ワインコラムは広告?

No. 33 Date:2008-2-27

ワインコラムは広告?

面白い記事を読んだ。ワイン王国?とされるフランスでのお話。Le Parisienが2005年に掲載したシャンパンの記事のなかで、お勧めのシャンパンを記しているのは、憲法で言論の自由として保証されている権利は認 められない、これは広告だという判決が出されたというもの。
新聞のワインコラムにはよく「お勧めワイン」がリストアップされている。でもどうしてもこのワインを買うべきで、買った1本を飲んで運転をせよとは書いて いない。 判決は「アルコール飲料の売上げ促進を意図しており、読み手のアルコール飲料購買意欲を掻き立てるという心理的な影響を与える。こういった記事はアルコー ル飲料の過度の取りすぎは健康を害するという警告文を添えて掲載すべき」という判決内容で、この記事を掲載した新聞社は5000ユーロの罰金を取られたと いう。 この記事を読んで「えっ、どこの国?もちろんアメリカでしょう」というのが第一番の反応だった。まさかフランスとはね。
アメリカは禁酒法が制定されたことのある国だから、今でもアルコール飲料は悪魔の飲み物と信じている人たちが存在する。その人たちが作った組織が活発に活 動している。ドラッグが若者の間に蔓延しているのに、それを阻止する有効な手立てさえ講じられない国で、ドラッグではなくてアルコール飲料摂取のみに目く じらをたてているのも、アメリカらしい。アルコール飲料はドラッグだと主張するグループが、もちろん存在する。自由の国であるだけに、極端に走る人が出て くる。
この記事を法廷に訴えたのはフランスの「アルコール中毒とアルコール依存の予防」という全国組織だという。 アルコール飲料の摂取も含めて、何事もほどほどにというのが一番と信じている。日本にもアンチアルコール飲料という極端なグループが活発に活動し始める時期がやってくるのだろうか?