No.34 春の霜害

No. 34   Date:2008-5-09

春の霜害

  車を運転しながらブドウ畑を眺めると、初々しい黄緑色の芽がぐんぐん伸びて、ブドウ樹の頭のところが一面に黄緑色に染まっている。でも現実には、ノース・コースト地方(ナパ、ソノマ、メンドシーノ、レイク・カウンティ)では、なんと30年ぶりというシビアな霜の害に遭遇したブドウ畑が出ている。今のところ10%の収穫減になるだろうと予測されているけれど、まだ被害状況は正確には予測できない。
霜害にあった若い芽は、レタスを長い間冷蔵庫に入れておいたために、しなしなになって茶色に変色しているのと似た状態だ。
3月31日、4月5&6日に大きなダメージを受けた。初々しい芽が出始めたばかりだから、霜が降りるとイチコロなのだ。
霜害予防のスプリンクラーを設置してあるブドウ畑は大丈夫なのだけれど、設備がないブドウ畑の被害が大きい。
例年は霜害予防の設備をオンにするのは1-2回なのだそうだけれど、今年は30回もオンにした畑もあるとか。
今は、まだ芽が若いので、霜害で半枯れになっている芽を押しのけて、新しい芽が出てくれるのを待っている。新しい芽が出たときに、霜が降りませんようにと祈るばかり。この原稿を書いている4月26日は80度を越える真夏の気温になって、すごく暑い。
発芽の時期は新しいブドウが生長を始める胸が躍る季節なのだけれど、今年は残念ながらその華やいだ気持ちは消えてしまった。栽培家たちはパンチを受けた感じなのだ。これで霜が降りる時期が終わるといいのだけれど。
記憶に残っている霜害は2001年。この年は被害にあった芽の後に新しい芽が出てきて、収穫量が多少減った程度の損害で終わった。 地球の温暖化が言われているけれども、気温が落ちるときは落ちる。