No. 35 のっぽと太っちょのボトル

No. 35 Date:2008-6-18

のっぽと太っちょのボトル

ガラスは厚く、ショルダーは幅が広くがっしりとしたボトル。底のへこみも深い。色も濃い。こういうボトルに入ったカベルネは値段が高くても納得。高級感が漂っている。テーブルに置くと迫力がある。
でもマイナス面も少なくない。重いボトルを片手で持って、優雅にワインを注ぐには、かなりの力がいるから、柔なソムリエさんは大変。重いボトルが入ったボックスを運ぶ人たちが腰通に悩むことになりかねない。
ボトルのネックが標準より長いタイプのボトルもある。すると標準サイズのボトルとミックスしてボックスに詰めるとボックスを閉めることが出来ないので、と ても不便。最近はピノ・ノワールのボトルも胴体が太くて重いボトルが出ている。特に値段が高く、高級感を狙っているワインだ。これだとボトルのネックが突 き出ることはないけれど、今度は幅が広いのでラックに入らない。標準サイズの私のワインセラーのラックには太っちょのボトルは入らないので保管する場所に 苦労している。
あるワイナリーがユニークなボトルを使ったり、新しい商品が登場すると、どの業界も同じだけれど、おらんちもということになり、クリエイティブなボトル使用がトレンドになった。
最近、グリーンになることを目指すワイナリーが増えている。オーガニック、バイオ・ダイナミクス、サステイナブルでの栽培、ソーラーシステム、廃水の再利 用等、環境保護を考えて、いろいろと工夫している。グリーンの観点から考えると、重いボトルはそのコンセプトから外れるよね。ガラスの使用量が多くなる し、重いボトルは運送するのに、ガソリンや石油を多く使うことになるのだから。なのにどうして重いボトルを使うのだろうか?消費者の目に留まるし、高級感 のあるボトルは高くても消費者が買うからだろう。
燃費が悪くても、高級車が売れるのと同じかな。