サンフランシスコに滞在していて、ワインカントリーへ行きたいけれど、時間がないという訪問者たちに、市内にいながらワインカントリーを味わってもらいたいというコンセプトを実現したテイスティングルームがオープンする。ミッション・ストリートとマーケット・ストリートを横切っているイエバ・ブエナ・レーンにある。内装は高級感が漂うシックなデザイン。でも気取った雰囲気ではなく、ワインカントリーの地に足が着いたイメージに洗練されたサンフランシスコのイメージを重ねている。カウンターは一枚板のチーク材を使い端はぎざぎざのままといったように。このテイスティングルームをオープンした若いオーナーの一人、アンドリュー・チャン氏は「デズニーランドにはしたくなかった。シックな洗練されたテイスティングルームにしたかった」と話す。壁はクルミの木、ガラス張りの大きなドアを押してロビーに入ると、テイスティングルームへ下りていく階段の壁一面にデスプレイされたボトルが幻想的で印象深い。
マイナー・ファミリー・ヴィンヤーズ（Miner Family Vineyards）、フリッツ・ワイナリー（Fritz Winery）、ハナ・ワイナリー（Hana Winery）、セインツベリー（Saintsbury）、パルメイヤー（Pahlmeyer）、ランドマーク（Landmark Vineyrds）、シャトー・モントレナ（Chateau Montelena Winery）、マウント・エデン・ヴィンヤーズ（Mount Eden Vineyards）の８ワイナリーがここに入っている。それぞれのワイナリーの広々としたカウンターがあって、ワイナリーから直接送り込まれたスタッフがワインを注ぎ、ワイン造り、栽培といったことを説明してくれる。窓の外にブドウ畑が見えないことを除けば、ワイナリーのテイスティングルームを訪れてテイスティングするのと基本的に同じ体験をすることができる。
ワイナリーのカウンターで試飲をして、ボトルを購入した際にはアメリカ国内(現時点)への送付も受け付ける。
また他では売られていない古いヴィンテージを買うことも可能とか。
テイスティングバーとは別に、ソファーが並んだ空間がある。このラウンジではグラス売りのワインとボトルを買うことが出来て、チーズや軽い食べ物が用意されているので、ソファに腰掛けて、くつろいでワインと食べ物を楽しむことができる。食べ物の価格は20ドル以下とのこと。ラウンジには半円形のカウンターバーもあるので、ソファに腰掛けないで、カウンターでワインを味わうことも出来る。
ラウンジから仕切られた空間には座り心地のよさそうなソファーが壁に沿って取り付けられたスペースがあって、ここはＶＩＰが使う。ワイナリーのお客さんが、ここで接待される。その奥に20人が座れるダイニングルームではプライベートなパーティやセミナーの開催が可能。
ワインのテイスティング料金等の払い方はリゾートホテル式。入り口でカードを渡される。そのカードに試飲したワイン、オーダーした食べ物等の料金、ボトルを買ったらその料金が記録されて、テイスティングルームを出るときに清算するというシステム。
予約を取らないと入ることが出来ないプレミアムのワイナリーや、サンタクルズ・マウンテンまで出かけるのはちょっと大変、あるいは一般公開されていないワイナリーのワインを味わってみたいという人にとっては便利。それに豪華な雰囲気を楽しみながらワインの試飲をしたいという人にもぴったりのテイスティングルームだ。近くにあるモダンミュージアムなどへ行った帰りに寄って、ワインをゆったりと楽しむというのもいいかもしれない。