No.37 ステファン・タンザーの予告

No. 37   Date:2008-11-28

ステファン・タンザーの予告

sssss ステファンタンザーはインターナショナル・ワイン・セラーというワイン誌をロバート・パーカーのような派手さはないけれど長年にわたって発行している。
彼の味覚はどちらかというとヨーロッパワインよりなので、パーカーほど過熟、高いアルコール度、高いペーハーのワインに高い点をつけない。
業界ではその誠実な人柄もあって、尊敬されているワイン評論家だ。その彼がナパとボルドーのカベルネベースのワインについて予告をした。
コレクターが2005年ナパ・カベルネと2005年ボルドーを2020年にブラインドで試飲したら、ナパかボルドーか当てるのに苦労するだろうというのだ。
以下がその理由。
2005年のボルドーは数々の素晴らしいクラレットを産み出した。トップクラスのワインは今までにない高いアルコール度に達し、しかも健康な酸とのバランスがいい。そして強い。しかし熟したタンニンを持ち、味わいがびっしり詰まったワインだ。そのワインのいくつかはアルコール度がナパを思わせる。
一方、2005年のベストのナパのカベルネ(ベストというのはブドウの収穫量を効果的にコントロールして、ブドウを完全に熟させた生産者のもの)はクラレットのようなカベルネなのだ。2005年という年はヨーロッパのような気候状況で、しかし、もし収穫量をコントロールしなければ、収穫量が豊かになる年だった。
世界でも最も有名なボルドーとそのチャレンジャーであるカベルネを並べて試飲するとき、試飲といえども吐き出す人は少ないと確信する。
彼の予告は当たるかしら?あと約10年後、この話、覚えてるかなあ?
2004年と2005年のカベルネの記事を35号、2つの試飲会というタイトルの中の、Cab Societyとしてちょっとだけ触れているので読んでみてください。