No.40 あなたはどのタイプ?

No. 40   Date:2009-06-30

あなたはどのタイプ?

モンダヴィ等を所有する大手のワイン社コンステレーションが実施した調査結果が面白いので紹介したい。調査対象になった人は1本が5ドル以上のワインを買う人で安価な大瓶ワインやボックスワインを買う消費者は含まれていない。この調査結果に基づいてワイン社は販売促進のプロモーションを企画する。その対象となる買い手である私たちも自分がどのカテゴリーに入るかを知っておくのもいいんじゃないかしら?
消費者を6つに区分している。
1)熱狂者
調査対象となった消費者の12%を占める。ワインを購入するのは25%がこのカテゴリーの人だという。この層の人たちはワイン知識が豊富でワインに情熱を持っている。ワインはグローバルなものと感じていて、世界のワインを楽しむ。またワインに関する情報に関心を持っている。98%の人が6ドル以上のワインを購入。
2)イメージを求める人
ワインは社会的地位を示すシンボルと捕らえている。自分が社会のどこに属するかの助けにしている。平均年齢35歳、若い消費者グループのひとつだ。ワインのカテゴリーについてまだ勉強中。ワイン知識を蓄えて友達を感心させたい。そのためにインターネットを駆使してワインについての情報を得る、あるいはレストランのワインリストを調べる。インターネットを通して新しいパッケージ、新型の栓に関心を示し、新しいブランド、品種、ワイン生産国のものを積極的に試してみる。またこのグループは価格が品質のバロメーターと信じている。このグループは調査対象の消費者の20%を占め、ワインの購買率は24%。このグループの60%以上がスーパーでワインを買っている。このグループではメルローが最も人気があり、ピノ・ノワールの人気は低い。
3)実際的知識を持った買い手
ワインを買うのが好き(他のもののショッピングも好き)。ベストのお買い得を探していろいろな店に出かける。クーポンとか値下げをチェックし、割引があるなら6本を一度に買う。このグループは熱狂者と同じようにワイン知識が豊富だけれど、違うところは自分で探すというところが違う。インターネットでいろんなサイトをチェックし、自分で結論を出す。この調査対象の15%を占めワイン購買率は15%。
4)伝統主義者
調査対象の16%を占め、購買率は15%。文字通り伝統と歴史を重んじる。すでに確立していてワイン造りに定評のあるワイナリーを好み、そういうワイナリーのブランドを探す。よく知られたワイナリーを好む。このカテゴリーのグループに効果があるのは広告だ。しかし新しいブランドを試みるのは好まない。彼らが好むブランドが見つからない場合は買わない。新しいブランドは求めないけれど、彼らが求めるワインにはお金を注ぐ。1本8ドル以上のワインの購買額の25%を占める。
5)ちびちび飲む人
調査対象の14%、購買率は8%と一番低い。ワイン知識はあまりなく、国産(アメリカ)の同じブランドを買う傾向がある。ワインをコカコーラやアイスティーと同じように見ている。いつもワインを飲んでいる。どういうワインを買うか決まっていて、どこで買うかも良く知っているので、ワインをチェックしたりせず、いつものワインを見つけると、ショッピングカートに入れてショッピングを続ける。この消費者はワインを買うということを楽しむということはない。棚やボトルに張られている販促文句などには関心を示さない。ワインについて知りたいという気持ちはない。
6)圧倒されてしまった人
23%と占有率が大きい。購買率は13%。ワインを買うということ自体に圧倒されてしまっている。ワインコーナーへ行って、ずらりと並ぶワインを見ると混乱と迫力に押しつぶされてしまう。買うということをどこから始めたらいいのか戸惑う。しかしこの層はワインを楽しんでいるし、もっとワインについて学びたいと思っている。わかりやすい説明を求めている。醸造技術、樽のタイプ、熟成といった細かい説明には混乱してしまう。アドバイスをしてくれる人、あるいは簡単なポイントを説明したカードなどを求めている。混乱してしまったり、買うための情報をそこで得ることができない場合、ワインを買わずに素通りしてしまう。この層は2ヶ月に一度ほどワインを買う。この層がワインを買いやすいように、わかりやすいワイン情報をつけたり、アドバイスをするスタッフを置くと、売り手にとって売り上げが上がるチャンスが大きい。

この調査の結果、典型的なあるいは一般的な消費者とひとくくりにすることはできないということ。それから最後の二つのカテゴリーに関心を持ってもらう販売方法を考えることが売上向上の機会だと結論付けている。ワインを売る側は、最後の2つのカテゴリーに属していないからコミュニケーションを怠りがち。この二つのカテゴリーの人達が買いやすい販促を見いだすことこそ、売上増進につながる。

皆さんはどのグループ?