No.44 2つの意見

No. 44 Date:2010-3-03

2つの意見


久しぶりにワインスペクテーター誌を斜めに読んでいたら、ふと目に留まったのが、ジェイムス・ローベのコラム。彼が好むワインは過熟、高アルコール度のこってりタイプ。ロバート・パーカーはこの派の代表格。
そしてジェイムス・ローベやロバート・パーカーが好むタイプのワインに反対する派が存在する。反対派は、ワインはディナーの席で楽しむもの。上記の派が好むワインは食べ物に合わないと主張する。
ジェイムス・ローべは、彼のコラムで、他の派は視野が狭いと批判。確かにデリケートな食べ物に合わないワインが存在するけれど、いまやワインはディナーの席だけではなく、いろんな場面でいろんなタイプのワインが楽しまれていると書いている。
それからどういうワインに慣れ親しんで飲んできたかで、好みのワインのタイプが違う。イタリアの赤、ロワールの白を飲むのに慣れた人にとってはカリフォル ニアワインから、そういったタイプのワインを見つけるのは難しいと主張。確かにそうだろうなと、私も思う。
サンフランシスコのデリケートな味わいを特色とする料理を出すレストランはカリフォルニアワインをリストに載せていないところもあるし、載せているところもある。
愉快なのは、最近は、全体的に過熟ワインを造るワイナリーが減ってきてアルコール度が低いカリフォルニアワインが造られ始めているのだから、そろそろ新しいテーマに話題を変えたほうがいいと反対派に送る言葉でコラムが終わっているところだ。
同氏と正反対の意見でいつもコラムを書いている地元のライターの顔が浮かぶ。ワインは食べ物と一緒であるべきと、スペクテーター誌やパーカーを批判してきた地元のライター氏はどう反論するのか、あるいはテーマを変えるのかしら。楽しみだ。
私は、前から言い続けているように、デリケートな料理に合うワインも、パーティでちびりちびりと飲むこゆい(濃い)ワインも楽しむ欲張りなワイン飲みでいたい。