ピノ・ノワールとブルゴーニュの赤
シャルドネとピノ・ノワールの模範はブルゴーニュとされている。
ブルゴーニューがブルゴーニューであるのは涼しくて(寒くて?)痩せた土地で栽培されたブドウから造られたワインであること。そのワインが名声を得て良いピノ・ノワールの模範と歴史的に捉えられてきた。
カリフォルニアではここ25年間、この二つのブドウ品種を温暖で肥沃な土地で栽培し、ワインを造ってきた。生まれたワインは、ブルゴーニューとは違うものであって、当たり前。最近は、カリフォルニアのピノも涼しい地区で栽培されたものから造られているけれど、でもブルゴーニュではなくカリフォルニアのピノ
。
ブルゴーニューのワインを理解し、愛飲する人たちは、これはピノではない(正確にはこれはブルゴーニューではないというべき)と言う。一方、ブルゴーニューの赤を飲みなれていない人はカリフォルニアのやや熟したピノを好む。繰り返して書いてきたけれど、私たちは「飲みなれたスタイルのものを好む」
カリフォルニアのピノを好む人は「ブルゴーニューの赤は未熟な状態で摘まれている」といい、ブルゴーニューの赤が好みの人は「カリフォルニアのピノは過熟」という。
正確にはブルゴーニューではその土地にとって、理想的な状態で摘み、カリフォルニアもこれが理想的に熟した状態という時点で摘む。もっとも過熟気味で摘むワイナリーもあるし、ブルゴーニューでは天候状態によってはやむなく未熟で摘む年もある。時には過熟気味の状態で摘まれたブドウから造られたワインがワイン誌で高く評価されることも少なくないけれど。
カレラのピノを飲むパーティにロマネ・コンティが飲めると思ってきたとはっきり言った女性がいた。ロマネ・コンティを飲んだ人はしっかり比較。飲んでいない人はこういうものなのかなあと考えていたはず。
それもワインを飲む楽しみのひとつなら素敵なこと。でもカレラのピノがロマネ・コンティではないと残念に思うのは外れている。
どちらもいいワイン。ロマネ・コンティは数度しか飲んだことがないけれど、ブルゴーニュで栽培されたピノから造られた素晴らしいワインであることは確か。カリフォルニアのピノがブルゴーニューの赤と同じではないといって批判するのはちょっとポイントが外れている。美味しいと思うほうを楽しんでほしい。もちろんお財布とも相談して、、。