No.54 フォアグラ





フォアグラ

今年の7月1日から「カリフォルニアのフォアグラ生産と販売は禁止」という法律が施行になるということで、シェフとフォアグラ大好き人間は激怒したりあきれたりしている。

フォアグラは長い歴史を持つ伝統的な食材だ。なぜカリフォルニアで生産販売禁止の法律が制定されたかというと、動物虐待だということで動物愛護団体が州政府に圧力をかけたもの。 

フォアグラは秋になると長い渡り鳥暮らし?に備えてエネルギーを蓄えるためにたらふく食べて肥えたカモの肝臓だ。リッチで口当たりが滑らかな脂肪分たっぷりのグルメ食品。

動物保護団体はカモの食べ過ぎ気質?を利用して強制的に食べさせるのは動物虐待だというもの。ソノマにSonoma Artisan Foie Grasという会社があるけれど、昔のように原始的に管を通して食料を注入するというようなことはしていない。農場を自由に歩き回って、たっぷりと与えられる自然食(ホルモンや抗生物質は使われていない)の餌をたらふく食べてるだけだ。最後の2週間は温度調節付きの別室に12匹一緒に入って、同じ餌を1日に2回与えられる。カモは満腹になったら食べないというストップをかける機能を持っていないので、食べ物を見ると走り寄ってくるという。以前にこの農場を訪れた記者のレポートを読んで笑ってしまったけれど「カモは最後に殺される1日を除いてはいい暮らしをしている」と書いていた。

フォアグラはカロリーがとても高いし、コレステロールも言うまでもなく高く、価格も高いから、毎日たらふくフォアグラを食べる人はいないだろうし、目くじらを立てて法律を作ることもないのではかなあと思う。

極端なところがカリフォルニアらしいと思っていたら、なんとシカゴでも2006年に同じ法律が制定されたそうだ。そして2年後に廃止となった。カリフォルニアの法律もいずれそうなるのだと思う。