幅広いワインの提案
おそらく、他の都市でも同じだろうと思うけれど、今、フレンチ・レストラン、イタリアン・レストランとして、古典的な?料理を出すところはサンフランシスコでは少ない。もっともチャイナタウンへ行くと中華料理、イタリア街へ行くと、クラシックなイタリア料理のレストランがあるけれど。
サンフランシスコはアジア人が多いこともあって、いわゆるフレンチやイタリアン、アメリカン料理にアジア(日本を含む)のスパイス、ユニークな食材、料理法を取り入れた料理を出す。アイデアが斬新で、美味しいものがたくさん出ている。
こういう料理をフユージョン(Fusion,融解)とよんでいるけれど、うまく取り入れられていないとその料理はコンフユージョン( confusion 混乱)になると、相棒は親父ジョーク。
最近ではアジアのスパイスに加えて、中近東、南米のスパイスと食材も取り入れている。
こういう料理に合わせるワインは?
魚料理には白、肉料理には赤という基本の提案は、こういう料理には当てはめることができない。
たとえば白身の魚をフレンチ風に粉をまぶしてバターで焼いて、レモンをかけてというムニエルだとシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、それともブルゴーニュの白かなと、アイデアがぱっと浮かぶ。でも同じ白身の魚をローストして、ソースの代わりに色とりどりの野菜をみじん切りしたものに、ハーブを加えて、エキゾチックなスパイをニュアンスに使ってあるのをかけてある料理となると、そう簡単には行かない。
最近のサンフランシスコではフランスワインを基本に、次はカリフォルニアのレストランだからとカリフォルニアワインをベースにしたワインリストからはずれたワインを提案する若いソムリエが出てきている。
あるレストランで刺身を基調とした一品に、アジア系のきりっとした感じの若いソムリエがギリシアの白を勧めてくれた。ぴったりとマッチして感激。
白を例にとると、イタリアのヴェネト地区とかフリウーリ地区などの白、オーストリアのグリューナー・フェルトリナー、スペインのアルバリーニョ、ドイツの新しいスタイルのミネラル分のきいた辛口のリースリングなど、いろんなワインを提案してくれる。
ワインと食の世界のマッチングの世界が広がってきていて、嬉しい。