No. 33 Date:2008-3-09

「その他の白ワイン」が人気

ここ数年、「その他の白ワイン」と分類されるワインの売上げが上昇している。そのことが総体的なワイン販売増加の理由のひとつといわれている。「その他の白ワイン」とは、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングだ。
「その他の白ワイン」を飲む人が増えた理由は2,3ある。
まずアロマチック(豊かなアロマ)な白ワインとして知られていて、フルーティでやや甘口であることだ。それから軽いスタイルなので料理とマッチする。ここ 数年、アジア系の料理の人気が高まっている中では、特にこのタイプの白ワインは合わせやすいこともその理由のひとつだろう。もうひとつは最近のワイン好き は自分が選ぶワインに自信を持っているうえに、今まで試していないカテゴリーのワインを試してみようという意欲をもっていることだ。
「その他の白ワイン」のカテゴリーが注目され始めたのは、多くのトレンディなレストランのオーナーやソムリエたちが料理のトレンドに合わせて今まで知られ ていないいろんな地区のワインや品種をワインメニューに載せ始めたからだ。それが5年前。そういったワインがお客さんに受け入れられ、それが今、小売店で も売れるようになったのだ。トレンディなレストランのオーナーやソムリエたちが、作り出したトレンドといえるだろう。
ではシャルドネの人気は衰えたのかというと、決してそうではない。特に高価格のシャルドネはスタイルが変わっていることもプラスとなっている。数年前に大 人気だった、オークがたっぷりで、ボディ豊か、バニラ香と味が強かったスタイルが修正されて、きれいなアロマと前より酸味が豊かな品質の高いスタイルのも のが造られている。
シャルドネを飲まずに「その他の白ワイン」を飲むというのではなく、シャルドネに加えて「その他の白ワイン」も飲み始めたと言うほうが正しい。実際、シャルドネは23%のシェアーを保持しているのだから。
カリフォルニアのワイン好きたちは、白ワインは「オークとフルーツがたっぷりなのがいい」というのから少しはなれて、「アルコール度がちょっと低くて香り はフレッシュ、オークの香りと味わいが無い白ワインも悪くない。料理にもマッチしやすいし」ということを理解したということだろう。
オーストリアの白ワイン、グリューナー・フェルトリナーは数年前、トレンディなレストランのソムリエが好んでリストに載せていた。そしてワインショップに も並ぶようになった。今は定着していて、ことさらにこのワインについて話すということがない分、このワインは定着したのだという。
5年後にはアメリカが世界最大のワイン市場になると予測されているように、ワインの売上げは着実に増えている。
特にアメリカの若者がワインを多く飲むようになっている。特に21から31歳のミレニアルスと呼ばれる層がワインを飲み始めている。(下の記事を読んでく ださい)このことはワイン業界にとって明るいニュースだ。この層がこれからワイン文化をさらに洗練させていくことになるのだろう。
これは白ワインだけではなくて赤ワインにもいえることで,カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローの売り上げも順調だ。

 

ワインを飲む若者急増

ワインは特別な日の飲み物と考えるワイン飲みが多かった時代は終わった。アメリカでは日常的にワインを飲む人たちが確実に増えている。
2007年はアメリカで「日常的にワインを飲む」という人たちが「時々飲む」という人たちより多くなった年として記憶されるだろう。ワイン業界がサポートするワイン・マーケット・カウンシルがリサーチ結果を発表した。
アメリカではビール、カクテルが多く飲まれていたのが、いまやグラスワインを飲む人のほうが多くなったのだ。時代も変わったものだなあと感心する。
アメリカでワイン飲みと自称する人が2000年に比べると53%上昇している。逆にワイン以外のアルコール飲料を飲むという層は13%減っているのだ。
ワインを飲む層は55%がワインを毎週飲むと答えている。
注目されているのはミレニアルスと呼ばれる(21歳から31歳)の若者の間でワインの人気が高くなっているということだ。この世代の47%が「2年前より もワインを飲むようになった」と答えている。ジェネレーションX(1964-1970年代に生まれたカナダ人とアメリカ人)は37%、ベビーブー マー(1946-1964年に生まれたアメリカ人)は10%だという。ジェネレーションXはビール、ベビーブーマーは年の衰え?を感じ出したか、それとも 飽和状態というところなのだろう。ワイン業界にとって明るいニュースなのは、ミレニアルスの数はべビーブーマーが7千700万人と多かったのに次ぐ7千万 人に上るということだ。この7千万人のミレニアルスの多くが、アルコール飲料を飲むことが許されている21歳に達していないのだから、この層がワインを飲 むようになるとワイン業界の将来は明るい。
24歳の娘は、まさに典型的なミレニアルス世代のワイン飲みだ。友人たちと集まるとワイン(もちろんバーゲンワインだけれど)とチーズ、金曜日のランチは スプマンテとサンドイッチ、スパークリングワインで軽い食事と、当然のことのように楽しんでいる。ビールは彼女たちが集まったときの必須の飲み物ではなく なっているのだ。女の子だからということもあるけれど、男の子が一緒の席でも、飲み物はワインだけということに抵抗を示していない。
アメリカはイタリアを追い越して、フランスに次いで2番目の最大ワイン市場になった。