政治とワイン
ワインと政治は無関係だと思いっていたかったのですが、残念ながらつながってますね。
1月20日に就任式を迎える次期大統領トランプの不法入国者に対する方針がワインの価格に影響するかもしれません。
トランプ次期大統領は1100万人いるとされる不法移民をアメリカから追放すると、キャンペンで何度も繰り返していました。
アメリカのワイン産業はメキシコ人なくして成り立ちません。栽培、収穫の実働はメキシコ人が担っています。そしてその大半が不法入国した人たちです。もしこの人たちが国外追放されたら、労働者が激減します。トランプ次期大統領の方針に怯えて、休暇でメキシコへ帰ったのちに、アメリカに帰ってこないメキシコ人も出てくることも考えられます。
労働者不足を心配する栽培農家は(ブドウだけではなくて果実、野菜の栽培農家も含む)高額な機械の購入をし始めています。
不法移民の賃金は安いです。これが正規の労働者となると賃金が高くなるし、機械購入経費等も含めると、野菜や果物の値段が上がります。さらに摘んでくれる人がいなくて放置される野菜や果物も出てくるという状況になってきます。
ブドウは手摘みではなくやむなく機械摘みに切り替えなければならなくなる状況も考えられます。機械摘みより手摘みのほうが、一般的には質がキープされると考えられているので、もし労働者不足で手摘みが困難になったら、ワインの質に影響を与えかねません。
特にカリフォルニアの農産物生産量はアメリカ最大なので、トランプ次期大統領の不法移民政策が大きく影響します。
不法入国して長いこと住んでいる家族は親だけが国外追放されて、アメリカで生まれた子供と引き離されるのではないかと怯えています。買い物に出たときにチェックポイントが設置されていて、身分証明書を示すことができなくて国外追放になってしまうのではなかと、恐怖におののく家族がいます。
カリフォルニアはトランップ次期大統領が極端な移民政策を打ち出したら、戦う用意があると宣言しています。
選挙運動では極端なことを宣言して(嘘も含めて)関心を引いたトランプですが、大統領になったら、現実を直視して国民が納得出来る移民政策を打ち出して欲しいものです。
そうそうブッシュ大統領がイラン戦争を引き起こした時代に、ヨーロッパの国々の人はアメリカ嫌いになって、カリフォルニアワインを飲む料がかなり減りました。
トランプ次期大統領の政策次第では、カリフォルニアワインの輸出量が減るかもしれません。