Wine on Tap (ワイン・オン・タップ)
ワイン&フードのブログにも書いたけれど、ステンレスのタンクに入ったワインをカウンターで生ビールのようにグラスに注ぐシステムが、カリフォルニアで関心を呼んでいる。
主な理由は、コスト安であること、ワインのフレッシュさが保たれること、生ビール感覚でワインを楽しむのがちょっといい感じというところだろうか。ある記事によると50社ほどがタップ・ワインのプログラムに参入、その80%がカリフォルニアのワイナリーだとのこと。
特にワインをカジュアルに飲む人たち、フレッシュな若いワインを楽しむ人たちの間で好評。グリーンであること、お客さんにとってグッドヴァリューであることも人気の理由。
このアイデアはワイナリーではなく、レストランで発案されたもので、レストランがワイナリーにアプローチしてステンレスの小樽に入れて出荷してもらう。最近はワイナリー側も関心を持ち出し、逆にレストランにアプローチするワイナリーもある。
サンフランシスコのベトナム料理で知られるThe Slanted Doorでもワイン・オン・タップで5-6のワインを出している。レストランからワイナリーにアプローチしたもの。1グラスが$4から$8。
ソノマのプラザにあるレストラン「El Dorado Kitchen」でもカフェ&ワインバーのセクションでタップ・ワインを出している。白がソーヴィニヨン・ブランとシャルドネ、赤はピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーを5オンスで$5-$10、15オンスで$13-$28。どのワインもフレッシュで酸化していなかった。
あるレストランでは「レストランとワイナリーの協力が必要。ワイナリーの知名度が高いもの、醸造家の評価、ワインのディストリビューターがワインの質に誠実であることをポイントにケグ(ステンレスの小樽)に入ったワインを購入する結論を出す」と話す。
また自然環境に関心を持つ小さなワイナリー、オーガニックやバイオダイナミックで栽培、生産をするワイナリーがこのシステムに関心を持つ可能性を指摘する関係者もいる。
ケグ(ボトル26本の量)に入ったワインは10%ほど安くなる。ケグは再利用が出来るし、ケースのダンボール、ラベル、ビン、フォイル、印刷コストがかからないからだ。
レストランによっては生ビールに使っているシステムの一部をワインに使っている。但しワインには炭酸ガスではなくてアルゴンガスを使う。
ワイン・オン・タップはバイ・ザ・グラスに最適。お客さんにとっても、タップ・ワインをオーダーしたときに、酸化したワインを出されて、「このワインはいつオープンしたのかな?」と頭を痛める必要がなくなる。スクリューキャップをしのぐかもしれないという意見もある。
環境保護、コスト安、味がフレッシュとプラスの面が多いから、タップ・ワインの需要は増えることはあっても減ることはなさそうだ。