料理とワインのマッチングは過大評価?

 

昨年の11月にベルリンへ行ったときに、とても個性的なレストランで、ダイニングを楽しみました。

レストランの名前はNobelhart & Schmutzig。2015年2月にオープンして9ヶ月後にミシュランの星をもらっています。

室内はユニークです。円半径の長いカウンターがオープンキッチンを囲んでいます。椅子は28。テーブルはありません。カウンター越しにせっせと働いているキッチンの人達、オーブン、ガスコンロ、鍋を眺めながら?10コースのメニューを楽しみます。

各料理が出される度に、スタッフがカウンター内から料理方法やら材料についてきっちりと説明してくれるのですが、気取ったり気負ったところがなくて、自然体なのです。

シェフはスイス生まれのMicha Schafer。ミシュランの2星を得たレストラン、 Villa Merton のマスターシェフMatthias Schmidtに見込まれて、このレストランで働いたことから、クリエイティヴな料理のプロセスを学んだとのこと。

食材はすべてベルリン周辺のものを使用しています。フォアグラ、ロブスター、フィレミニョンはメニューに載っていなくて、バターも使っていません。

全体的に淡泊な味付けです。

レストランのオーナーはソムリエで、名前はBilly Wagner、37歳。イケメンで、表情豊かでエンターテイナーのようにワインの説明をしてくれます。女性ファンが多いことでしょう。

実はこのレストランで以前にスポッツウッドのメーカーズディナーを開催しました。

このレストランでのメニューは、どちらかというと白ワインが合いそうなイメージのメニューです。スポッツウッドのソーヴィニヨン・ブランはマッチするけれど、カベルネも?という疑問がなきにしもあらず、、、。オーナーもインポーターも大胆です。

ディナーの席では参加された人たちの間でワインと料理の組み合わせについて話が盛り上がったそうです。

「ワインと料理のマッチングは、過大に価値されすぎてるかも」というつぶやきもあったとのこと。

ワインと食べ物のマッチングは、ピッタリとマッチするということは頻繁にはないですよね。例えばすべてのカップルが必ずしも素晴らしくマッチしていなくても、うまく調節して?暮らしているカップルも多いように(そこまで言う?)、ワインと料理の組み合わせもすごくよくマッチしてはいないけど、まあ悪くないよねっていうのが多いと思うのです。

この夜はワインのセレクトはソムリエにお任せして、コースごとに彼がお勧めのワインを注いでもらいました。

興味深いリースリング:どのリースリングもドイツワインの特徴とされている甘みがまるでありません。2008年と2005年を飲ませていただきましたが、2008年はとろみがあってハニーの香りがありましたが、甘みはまるで感じられませんでした。2010年のリースリングはブルゴーニュー用のグラスで出されました。ワイナリー名は難して覚えられませんでした。

赤ワインは:オーストリアのカベルネ・ソーヴィニヨンとリオハを注いでくれました。

ユニークなビール:ホップのきいたでもエレガントなビールがワイングラスでサービスされて、ワイン感覚でビールを楽しみました。もう一つはサワービールでした。

洋ナシをワインで煮込んだデザートはマディラでいただきました。

個性的でインテリ風?なワインが多くて楽しかったです。

ホテルに帰って、ふと思いました。好みのワイン1本(または2本?)で10コースをいただくというのもいいかも。

コースの中の数品の組み合わせがいまいちというときには、水を飲むとかパンを一口食べてから好きなワインを飲んで、「うーん、美味しいね、このワイン」というのも、いいですよね。

予約が8時だったので閉店の時間が近づいてきたら、オープンキッチンの照明がひとつひとつ消されていきました。まるでステージのようで、粋な演出です。

レストラン内での写真はノーだったので、サイトの写真を使わせていただきました。