我が家でのスペシャルディナー



我が家でのスペシャルディナー

11月初旬の金曜日、相棒が大学時代の友人を招いて我が家でディナーパーティを開催。全員で10人。料理をしてくれたのはクリスとユカの若いカップル。正式な名前はKristoffer Toliano 。まだ27歳という才能と可能性に満ちた若いシェフ。今、サンフランシスコのインター・コンチネンタル・ホテルにあるレストランLuce のスーシェフとして働いている。Luceのダニエル・コレイ シェフはミシェランの星をもらっている。前フランス人の女性シェフ、ドミニク・クレンがアメリカ版の鉄腕シェフにチャレンジして勝ったときにも、彼がしっかりとバックアップしていた。ロサンゼルスのビバリーヒルズ・ホテルやタイガー・リリーといったレストランで修業している。フレンチ、イタリアン、日本料理、インド料理、中近東料理とさまざまな料理をこの若さで学んでいて、彼の料理にそれが反映されている。バーテンダーをしている奥様のユカさんは、高校まで日本で育ったという。細やかに彼を支えて手伝っている姿がとってもほほえましかった。

8コース、総勢10人分のお皿は半端じゃない。家中のお皿をかき集めて使ってもらった。

メニューは

Amuse: Veloute of Sunchoke, Coco nib essence

Wine: 1996 Gloria Ferrer Royal Cuvee

フランス語でベルベットの口当たりという意味だとか。アーティチョークを材料に作ったこくのあるスープ。スパークリングワインとの相性?マッチしないはずがない。

Second: Composure of Autumn Salad, Early Root Vegetables, Herbs, Shiso Crisps

Wine: 2009 Von Winning Langenmorgen Riesling

イタリアパセリの根や、バナナスクオッシュなどを一つ一つ別に料理して皿に盛り合わせた秋の色を演出した1品。青ちその天ぷら、貝割れを含むハーブの芽のデリケートなサラダが添えられていて、とてもユニーク。

Third: Crudo of Kona Kampachi, Sashimi, Tartar, Kimi Jouyu, Yuzu Kosho

Wine: 2009 Hd’V Hyde Vineyard Chardonnay

カンパチの刺身とハマチをはじめ2-3種の刺身を使い、ミョウガのみじん切り、すった山芋でとろみをつけたタルタル。黄身醤油、ユズコショウが風味にアクセントを加えていた。

Fourth: Autumn Mushrooms Farro Porridge

Wine: 2009 Jean-Marc Brocard Chablis les Vielles Vignes de Sante Claire

シメジ、マツタケ、ナメコなどのキノコを使ったリゾット。

上記のシャルドネとこのコースのシャブリを隣り合わせて比較しながら飲んだ。タルタルにはシャブリが、リゾットにはカリフォルニアのシャルドネがマッチすると私は思ったけれど、それは各人の好み。

Fifth: Taglitelle Fresh Pasta, Chicken Leg Confit, Lemon Preserve, Giblet Jus, Grain Mustard

Wine: 2007 Littorai B.A. Theriot Vineyard Pinot Noir

2009 Valerie’s Vineyard Pinot Noir

1999 Calera Selleck Pinot Noir

チキンのコンフィ、自家製のパスタ。ソースに鶏のレバーを使って、こくをだしてある。

ピノ・ノワールとの相性は抜群。

Sixth: Pork in Three Parts-Loin, Belly, Baby Ribs, Artichokes en arigoule, Crispy Quinoa Cremolata, Sweet Onions, Cranberry Beans

Wine: 1999 Shafer Hillside Select Cabernet Sauvignon (Magnum)

2005 Staglin Estate

2006 Valle La Pena Malbec

豚を3通りに料理した1品。

Fromage:

Wine: 1990 Counterpoint

1990 Laurel Glen Carbernet Reserve (Magnum)

Dessert: Leche Flan a la Philippines

Wine: 1983 Chateau Doisy Daene (Barsac)

Mingardise

ピーナッツバターのクッキー。コーンフレークを使った、かりかりとした歯ざわりのデリケートなクッキー。

クリスは30時間かけてこのメニューの準備をしてくれたという。この日の朝、カンパチを手に入れて、我が家に持参。魚をまるごとおろして、徐々に刺身に仕上げていく。毛抜きを使って骨を丁寧に抜いている。きれいに盛り付けられた刺身しか見たことがなかったので、刺身を作るってこんなに手間隙がかかるものなのだと今更ながら感心した。刺身を切っているのを見ている私は唾がこぼれそうな顔だったのだと思う。優しいクリスは私だけにそっと刺身2切れをくれた。わさびと醤油をつけて、口に入れた。その美味しさにため息。

食材のベストの味を引き出すこと、細部に注意を払うことなどは2ヶ月の日本滞在中、日本料理店料理で修業したときに学んだという。

来年の春に二人で小さなベーカリーカフェをサンフランシスコにオープンする予定。

料理を終えたクリスも加わって大宴会。自宅で一流シェフの料理を親友たちと楽しめるなんて最高の贅沢。持つは良き友!クリスとユカさんに大感謝!