3つのワイン
サンフランシスコのレストランでワインを持ち寄ってディナーをした。この日のワインの中で印象に残ったのが、1990年Noel Verset Cornas (コルナス)、1996年Laurel Glen (ローレル・グレン), 2010年Spottswoode (スポッツウッド)の3つのワイン。
1990年のコルナスはベルベットのような柔らかな口当たりでしなやかなワインなのだった。シラーがこんな風に熟成すると予測(勉強不足、いや飲み不足)していなかったので、嬉しい経験にうなづきながら飲んだ次第。
この生産者のワインを飲みなれている方たちのコメントで、素晴らしい香り、
ピュア、ミディアムレアの牛肉、ブラック・オリーブ、ダークフルーツ、エレガント、深みという言葉には同感だったけれど、リッチでパワーフルというのには、「えっ?」と首を傾げてしまった。エルミタージュでもパワフルで若いのしか飲んでなかったし、飲むのは、ほとんどがカリフォルニアのシラーだから、リッチ、特にパワフルというのでは、多少違う認識なのだと思う。この生産者のコルナスではパワフルということなのかもしれない。
1996年のローレル・グレンも、これまた素晴らしい熟成具合。フルーツの味わいがまだ残っていて、ほのかに若さを残しながら上品に熟成して、しなやかなでバランスのとれたワイン。お料理との相性も抜群。楽しくいただいた。1996年のローレル・グレンをお持ちの方、今が飲み頃だよ。
2010年のスポッツウッドはパーカーが気前良く11(?)のワイナリーに100点を与えたワインのひとつ。なぜパーカーが醸造家泣かせのヴィンテージにこんなに多くのワイナリーに100点を与えたのか?もしかしてシンガポールの企業家に売ったことが影響しているのか、、、。違う人が試飲しているのか、、と考えたけれど、パーカーがナパ・ヴァレーは自分で試飲して点数をつけたし、コメントも書いたという、、。
パーカーは2010年のナパのカベルネについて要約すると「涼しい年で収穫時期が遅かったけれど、素晴らしいワインが生産されている。ワインの構成が良く、ピュアなフルーツ、タンニンが豊かだけれど、十分に熟しているゴージャスなワイン。アルコール度は他のヴィンテージに比べると超えていない。長く熟成できるワイン」と書いている。ナパにとって力強い見方だね。
えっ飲んだワインの感想?高級ワインを生産するスポッツウッドのカベルネだから、まずいはずがない。でも今までのワインに比べるとヴィンテージのせいで、凝縮感がいつもよりやや低い。そして骨格がちょっとだけあいまいかな。でもエレガントでとても美味しい。ふくよかで黒系フルーツの味がびっしり詰まっている。
ちなみにスペクテーター誌はこのワインに93点。スペクテーター誌は、まだアルコールドの高い濃厚なワインがお好みのようだ。
パーカーの味覚がニュアンスを大事にしたワインを評価するように多少変わったのかしら?2012年と2013年をどのように評価するのか、とても興味がある。
だからワインは興味が尽きないし、楽しい。