2010-4-23
レストラン Farmstead
ナパ・ヴァレーの北にある瀟洒な町、セント・ヘレナに入る少し手前(南)に新しいレストランとテイスティングルームができた。
レストランとテイスティングルーム、苗木屋はロング・メドウ・ランチ・ワイナリー(Long Meadow Ranch)が所有。
1870年代に建てられたゴシック式の農家の家、Logan-Ives ハウスを忠実に復元して、テイスティングルームとしてオープン。同ワイナリーが造っているオリーブオイルのテイスティングもできる。
復元で生じた建築材料を再利用してもともと苗木屋の倉庫だったものをレストランに改築。レストランの名前はファームステッド(Farmstead)、農場という意味で、全くぴったりのネーミングだ。古い農機具は洒落たシャンデリアに変身。イスはロング・メドー・ランチで飼育した牛の皮を使用。Logan-Ives ハウスの土台に使われていた石はアウトドアの暖炉に再利用。バーも設置されたラウンジなので、暖かくなったら、暖炉に火を灯して、ナパの冷え込む夜をロマンチックに過ごせるだろう。
いかにもデラックスという雰囲気ではなく、かといって田舎風という雰囲気でもない。清潔感あふれる天井の高い広々としたスペースは垢抜けていて、リラックスできる。窓から苗木の棚が見えるのも楽しい。
このレストランのユニークなところは、ツーリスト対象一辺倒ではなく、地元の住民にも楽しんでもらおうという点だ。ワイン持込は1本につき2ドル。持ち込み料金が1本に付き20ドルというレストランが少なくないので感激した。そしてその料金はローカルのチャリティに寄付している。なんとも良心的で、ちょっと暖かい気持ちになる。
ワインリストはインターナショナルで、本格的だ。しかもボトルの価格は小売価格なのだから、またしても感激。たとえばコリソンの2000年ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンはボトルが46ドル、グラスが16ドルだった。
ファンシーな料理というよりも新鮮なオーガニックの食材を使った美味しくて素朴な料理が主。
高級感が売り物のナパヴェレーのレストランとは意識的に差別化している。ツーリストそして地元の住民がくつろぎにやってくるスペースとなるだろう。
ロング・メドー・ランチ(Long Meadow Ranch)ワイナリーはナパ・ヴァレーのマヤカマス山の中腹にある。オーガニック栽培のブドウを使用したワイン、オリーブオイルの生産のほかに、草食の牛、卵、野菜やフルーツをサステイナブルとオーガニックで栽培している。
バイオダイナミックでブドウを栽培しているワイナリーは、ここの牛の角を使っている。角に糞を詰めて土中に寝かして、それを散布するからだ。