No.1ハーラン・ワインを究める 

No. 1 Date:2002-6-15

ハーラン・ワインを究める

醸造責任者 ボブ・レヴィ・インタビュー

Qこの土地を選んで購入したのはビル・ハーラン氏ですか?

そうです。最初は84年に40エーカーの土地を買って、葡萄樹を植えたのは6エーカー。現在、敷地は240-250エーカーで葡萄畑は36エーカーになりました。一度に250エーカーの土地を買ったのではなくて、徐々に隣の土地を買い足して行ったのです。彼はこの土地が偉大なワインになる葡萄が育つ可能性を感じたのです。ビルは世界のワイン産地を旅しています。偉大なワインが生まれる可能性をもった畑を見て歩きました。ブルゴーニュで偉大なワインが生まれる畑は丘のてっぺんでも低地でもなくて丘陵地の真ん中です。ハーランの畑がある丘陵地の麓は歴史的に偉大なカベルネが生まれる土地として知られています。有名なマーサズ・ヴィンヤードやトカロンがハーランの畑の丘の麓にあります。特にナパ・ヴァレーの場合、土壌やテロワールに加えて、朝に霧がかかることがとても重要です。ハウエル・マウンテンやマウント・ヴィーダのように1000フィート以上だと気候が違います。山頂の夜は低地ほど気温が下がらないし日中は低地ほど温かくありません。気温差があまりないのです。ここの気候はヴァレーの低地とそんなに変わりがありません。夜は気温が下がり日中は温かくなります。夜と昼の気温の差が大きいのですが、私たちはそれがいいことだと考えています。傾斜地で朝に霧がかかるところがいいと思いました。敷地は標高地300-1100にありますが、葡萄畑は350-600フィートの位置にあります。700-1000フィートになると霧がかからないからです。(*1フィート=0.3048メートル、1ヘクタール=2.471エーカー)

Q求めているのはヒルサイドの葡萄でマウンテンの葡萄ではなかったということですね。

そうです。それからこの土地のユニークな点は、北向き,南向き、東向き、西向きと4つの方向に向いた斜面の畑があることです。斜面によって異なる台木,品種、クローンを植えていますから、それぞれの斜面の畑から特徴の違う葡萄が収穫されるので、ブレンドするときに多様性と柔軟性を与えてくれます。

Qユニークなテラスという説明を聞きましたが、どのようにユニークなのですか?

初めて85,86年にぶどうを植えたときに、ビルはヨーロッパのいろんな土地を旅して様々な産地の米、葡萄、オリーブ等いろんな農産物を植えてあるテラスを見て周り、テラス(段段畑)が良いと思ったのです。その当時、丘陵地をテラスにして葡萄を植えたのは、ナパ・ヴァレーではハーランだけでした。そのときにはハーランは栽培技術的に最先端を行っていると思いました。しかし今日、テラスにして植えないと思います。密植にして、畝が丘の起伏に沿って上がったり下がったりするように植えます。これは80年代にはまだ無かった技術です。この方法だと土地を有効に使える上に葡萄樹が小さく小粒で高品質の葡萄が収穫できるからです。 それにテラスだと土地が無駄になります。

Q クローンはどのようにして選びましたか?

初めは80年代に葡萄が栽培されていたナパ・ヴァレーでよく知られる畑の中から私たちが好ましいと思ったクローンを選びました。フィールドセレクションです。そしてカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルドの4品種を植えました。カベルネ・フランとプティ・ヴェルドはひとつだけでしたが、メルローとカベルネ・ソーヴィニヨンは数種、選びました。90年代になってからは密植(クロス・スペーシング)で主にフレンチ・クローンを選択して植えました。

Q.キャナピーは?

ヴァーティカル(垂直)トレリス・システムです。80年代はそれが最新の栽培方法でしたから。今は一般的になりましたが。

Q.大学で葡萄栽培も学んだということでしたが、ハーランでの葡萄栽培にも関わっているのですか?

はい、醸造,栽培とも私が責任者となっています。ワイングローイング(ワインを栽培する?)と考えています。

Q.よりコントロールができますよね。

ワインは畑で造られます。醸造より畑の影響のほうが大きいということです。

Q.ハーランワインを造る栽培上のキーファクターはなんですか?

基本的なことなんですが、細部にまで気を配るということです。いい葡萄が育つ可能性があって、素晴らしいワインになることが証明されたぶどう畑は、その土地に対して精魂込めて手入れをする責任があると思います。そして最大の注意を払って、その畑からベストの葡萄を育て上げることです。たとえほんの少しだけ質が向上するという場合でも、そして費用がそれ以上にかかるとしてもです。なぜかというと全ての土地がそういう可能性をもっているわけではないからです。平均的な葡萄が育つ土地に、同じ手入れを施すというのは浪費になります。というのはさして葡萄の質の向上はみられないからです。葡萄の品質が向上すると思われることは全て常に実行するという決意が栽培哲学といえます。

Q.そのためには低収穫量、摘葉、といった様々な作業をするということですよね。

はい、ハーランの全ての葡萄が理想的に熟することを目指しています。そのために、このブロックの場合はどうすればいいか、丘の上のほうの畝、下のほうの畝、南斜面の下のほうの畝、北斜面の下のほうの畝、それぞれにあった栽培作業をすることによって最も理想的に熟した品質の高い葡萄が収穫できるなら、それをしなければなりません。もしそれができないなら、あるいはしないことを選んだとすれば、「ではこのブロックはいつ収穫するか」を考えます。これは私たちにとって、とても重要なことです。葡萄栽培作業は柔軟性に限りがありますから。そのためにハーランでは30ロット以上のワインを造ります。理想的に熟するのを待つので、各ロットの収穫された日にちが異なるからです。葡萄畑の1箇所のぶどうが熟しすぎたり、他の一画はまだ十分に熟していないのをミックスして醸造することを避けます。現在、葡萄畑をそのように見るワイナリーが増えてきています。でも大きなスケールではそうするのは難しいことだと思います。畑にはバリエーションがありますから、それを特色によって非常に小さく区分けして、栽培作業をするというのは難しいですよね。

Q.32エーカーは、それができる広さということですね。

はい。

Q,土壌の特質は?

6エーカー、3エーカー、9エーカーとワイナリーから見える畑の土壌は大変興味深いものです。フランシスカン・シェイルと呼ばれています。茶色の細かく砕かれた石がアスファルトの下に敷かれますが、それがフランシスカン・シェイルで、手で潰すと簡単に砕けます。そのフランシスカンシェイルの間に粘土層が入っています。ですから石ころが多く、水はけが良いと同時に粘土が水分を保ってくれます。北東斜面は主にメルロー種を植えていますが、この土壌はメルロー種によく適しているらしくて、素晴らしい質のメルローが育ちます。あとの畑はブロック毎に土質が変わります。あるブロックは石ころだけ、あるブロックは小石と土。ですからブロック毎に栽培方法と手入れを変えなければなりません。そしてブロックで特色の違う葡萄が育つわけです。表土が12-18インチで、18インチ以上の畑はありません。(1インチ=25.4ミリメートル)

Q,葡萄は有機農法で栽培しているのですか?

除草剤は使っています。丘陵地なので,雑草の処理が大変ですから。それ以外は限りなく有機農法に近いです。

Q.理想的に熟した質の高い葡萄を収穫して,それをどのようにしてハーランスタイルのワインに仕上げるのですが、ハーランスタイルを作り上げたのはどなたですか?もちろん原材料である葡萄が大きな役割を果たしますが。

スタイルは醸造方法とテロワールのコンビネーションだと思います。しかし私のワインに対する感性がワインに吹き込まれていないとは言えません。「葡萄畑の個性は何か、そしてそれをどのようにワインに生かすか」というのは、醸造家の解釈になります。それは醸造家に与えられたアーティスティックなライセンスです。基本的にはハーランの葡萄畑の葡萄たちが生み出すワインは、パワー、高い凝縮度、重厚さがあるワインとして知られていると思います。でもナパ・ヴァレーではこういった特色を持つワインを造るのは、特にヒルサイド(丘陵地)やマウンテンでは、それほど困難なことではありません。絶対的に必要だと感じたのは、パワーと凝縮度に加えて、フィニッシュがソフトでしなやかであることです。それが最終的に快感を与えてくれるからです。もし、ワインを飲んでも快感がないと、そんなに多くの人がそのワインを飲むことに興味を示さないと思います。このパワーとしなやかさを持ったワインを造ることが最も難しいことです。

しなやかさはどのようにして得るのかというと、ほとんどそれは葡萄畑からきます。低収穫量、それから畑の手入れによって得ます。

熟した葡萄に求めているものは、糖度と風味です。糖度はナパ・ヴァレーの場合,温かいので収穫量が多くても問題がありません。風味,これも適切な栽培技術を施して,ヴァーティカル・トレリスで適切に太陽光線を浴びていると、品種の特質が葡萄に表現されます。他に2つのことがあげられます。収穫量を少なくすることによって、葡萄畑(サイト)の特質を十分に表現した葡萄を得ることができるということです。それから最も重要なことは、熟したタンニンです。葡萄の熟する経過の中で最後に熟するのが,タンニンです。到達するのが最も難しいことです。もし、収穫量を多くしすぎると、葡萄樹は糖度を上げ、味わいを熟させるための十分なエネルギーがありません。そのためにタンニンは未熟なままで残されます。ですから収穫量を低く抑えて、適切な栽培技術で手入れをすると、タンニンが十分に熟した葡萄を収穫できるチャンスが高くなります。タンニンの含有量は多いのですが、質の高いタンニン、しなやかなタンニンが得られるということです。

Q.醸造方法は?

ワインに手を加えすぎないことです。ワインをあんまり動かさないようにしています。工程のはじめから細部に注意を払っています。もちろん葡萄は全て手摘みです。それから選別します。十分に熟していない葡萄、あるいは熟しすぎている葡萄、カビが付いている葡萄等を取り除きます。それから除梗しますが、破砕はしません。可能な限り葡萄を優しく扱うために摘んだ葡萄は小型のボックスに入れます。スーパーで売っているようにパーフェクトな状態の葡萄がほしいのです。除梗の後、葡萄粒にほんの少しだけ切り目を入れます。その葡萄粒をコンベアーに乗せます。葡萄粒は重ならずに一面に並びます。またここで選別作業をします。もし状態の悪い粒があれば取り除きます。さらに葡萄粒に短い梗が残っていたら、その葡萄粒も取り除きます。10人がその作業に当たりますが、1時間に1トンの葡萄粒しか処理できません。ポンプを使って葡萄をタンクに入れるのではなくて、コンベアーを使って葡萄粒を優しくタンクへ入れます。各タンクの中にスクリーンが入っていますので、果汁だけをポンプオーヴァーします。それもシャワーのように優しくします。ぶどう葡萄粒の果皮を優しく取り扱うためです。もし果皮を破ると粗いタンニンが出てくるからです。それから果帽をやさしく押します。それを1日に3回行ないます。それからオークの発酵タンクを使っています。

Q.オークの発酵タンクを使用するというのは、新しいアイデアですよね。いつから使い始めたのですか?

1998年から使い始めました。

Q.なぜオークの発酵タンクを使うことにしたのですか?ステンレスの発酵タンクとは結果に違いがありますか?

ロットによっては違いがあります。全てのロットに使っているわけではありません。ロットによってはオークの発酵タンクよりステンレスの発酵タンクのほうが合っている、また逆にロットによってはオークの発酵タンクのほうがマッチしていることがあるからです。発酵の際の道具の一つと考えています。

Q.毎年、ロットによって、どちらの発酵タンクを使うかを決めるわけですね。

そうです。多分、65%くらいがオークの発酵タンクになるのではないかと思っています。

発酵日数と発酵温度は、私の考えで、その年のハーヴェストがどのくらい成功したか、どのくらいしなやかなタンニンが得られたかによって決めます。もし非常にタンニンの質がいい葡萄が収穫できたら、最高の抽出度で抽出したいので、高めの温度で発酵させて、長くエクステンデド・マゼレーション(長期醸し)をします。

Q.高めの発酵温度というと?

80度代(華氏)の高めから90度代の低めです。ですから良い年だと50-60日ほどかかります。もしあるロットの質がその反対だったとしたら、タンニンが少しグリーンだったとしたら、発酵温度は低めにし、25日くらいにします。エクステンデド・マゼレーションはしますが、それほど長い間しないということです。もちろん,毎年、それからロットによって違います。レシピはありません。

Q.このような栽培,ワイン生産過程でのミシェル・ローランの役割はなんですか?

彼は1年に1度から2度、私たちが造ったワイン、それからワインのブレンドをみてくれるためにやってきます。彼が畑についてのアイデアを持っていた場合はそのアイデアについて、それからマーケティングのアイデアなどについて話してくれます。世界的な観点から見たワイン、特にボルドーからみた展望をこのワイナリーへ持ち込んでくれます。

Q.例えばぶどう畑では、彼はどんなアイデアを示してくれましたか?

もう,長いこと一緒なので,あんまり覚えていないなあ。それに80年代には画期的だったことも、今は当たり前になっていますね。ハーランワインの品質を向上させるためのアイデアというよりは、彼が世界の他の生産地でどういうことをしているかといったことを話してくれます。ハーランでは適用しないにしても、あなたの観点を変えるかもしれないアイデアなんかについてです。例えばボルドーでは、収穫時期にしばしば雨が降りますよね。彼と彼の友人が考え出したアイデアを、もともとは誰が考え出したアイデアかは知りませんが、3,4のワイナリーで、今はもっと多いかもしれませんが、実行してると思います。地面をビニールのシートで被ったのです。そうすると雨が降っても,地面に水が吸い込まれることが無く乾いたままなので、収穫時期のぶどう果汁が薄められることがありません。

Q.どの時点でビニールのシートを敷くのですか?

ビニールのシートを購入しましたから、今は毎年8月にビニールを地面に敷くようです。かなり経費がかかります。平均的なワインを生産するワイナリーは、それだけのお金をつぎ込まないと思います。それが大きなスキャンダルとなって、AOCから格下げされました。なぜかというとテロワールを変えたからということです。でもワインはビニールシートを敷かなかったときよりも、ずっと良くなっていました。政府がとった対策は結果的にそのワイナリーにとってプラスに働きました。ヴァン・ド・ターブルに格下げしたわけですが、フランスで今までで一番高いヴァン・ド・ターブルになったのです。1級より高いテーブルワインとなったのです。数千ケースのワインの話ですが。

Q.ハーランでは、ビニールシートは必要ないですよね。

ありません。でも年によっては太陽が当たりすぎるから日除けの布を張ってみるとか(笑い)、そういった角度を変えたアイデアを与えてくれます。

Q.ハーランワインについての印象は、よく熟したフルーツ、例えばカシス、チェリー、それからミネラル、鉛筆の芯、オリーブ、オークからはトースティなオーク、スギ、そして凝縮した味わい,深み、と同時にエレガントでソフト、長いフィニッシュというよう感じですが、同感ですか?

いいですね(笑い)

Q.このようなワインを造る際、葡萄をどの時点で摘むかというのが、ハーランワインのキーポイントのひとつになりますか?葡萄が非常に熟した状態でかなり遅くに摘んでいますよね。

はい、かなり遅い時点で摘みます。タンニンが熟したかどうかが決め手になりますから,タンニンが熟するのを待っていると、糖度が高くなります。私は天気予報から気候状況等を考慮して、十分な日数があるかどうか、糖度が高くなりすぎる前にタンニンが十分に熟するかどうか決めなくてはなりません。そうすると遅くに摘むことになります。糖度がどのくらいまで上がれば高すぎるのか? 今までで、糖度が29.5度ブロックスまで上がるのを待って摘んだこともあります。毎年、そうしたいと思っているわけではありません。今までに2回、1997年と2001年に糖度が29.5度ブリックスまで上がったロットが1ずつありましたが、素晴らしいワインになりました。私としては26から27度ブリックスで摘みたいのですが、いつも、それが可能ということはありません。高いタンニンの質を求めているからです。

Q.培養酵母を使っていますか?

はい、サッカロミセス・バヤヌスを使っています。バヤヌスは強いスピーシスでアルコール度が高くても発酵を完了させるチャンスが高いからです。

Q.ハーラン・スタイルのワインは長く熟成しないのではないかという議論も聞かれますが、どう思いますか?

申し分なく熟成すると思いますよ。100%わかるということはありません。例えばボルドーのワインを観察することはできます。良い年というのは典型的に葡萄がよく熟した年です。ボルドーの栽培技術というのは,現在のようではありませんでした。今日、グレートな年ではなくても、もし栽培技術が非常に高いレベルで収穫量を少なく抑えたとしたら、偉大なワインを造るチャンスがあります。例えばボルドーの2001年は偉大な年ではありませんでしたが、少しですが偉大なワインが造られています。

もしボルドーの偉大な年と比較するとしたら、1928年,29,45,47,53,55,59、61,82年,これは葡萄が非常に良く熟した年です。

Qよく熟したということは、どれくらいに糖度が上がったのでしょうか?

彼らにとって、アルコール度が12%以下の年と14%の年ではとても大きく違います。先ほど上げた年はアルコール度が14%の年です。もしかしたら、14%を超えていたかもしれない。ということは十分な糖分、十分な風味、それから多分、十分に熟したタンニン(成熟したタンニン)のぶどうが収穫できたということです。そのクラシックな例が47年のシュヴァル・ブランです。多くの人達が20世紀を代表するワインと位置付けています。このワインのアルコール度は14.5%か15%ほどでしょう。残糖分が少しあるでしょう。収穫した時点での糖度がかなり高かったために発酵が完全に終わらなかったからです。それに揮発性の酸の含有量が高いと思われます。多分,発酵が途中で止まってしまったせいでしょう。でも,現在,最も捜し求められているワインでしょう。20世紀で最も高いボルドーワインだと思います。

Q.残糖分、そして揮発性の酸が含まれているワインがそんなに長く熟成するのですか?

長い熟成に耐えるワインを造るための決まったやり方,処方ということではありません。でもよく熟した葡萄をどうするかという指標ではありえるかもしれません。古い考え方、70,80年代の考え方では、長く熟成させるワインには酸とタンニンが必要と考えていました。私は高い酸が必要とは思いません。一定量の自然の酸は必要です。でもよく熟した葡萄の酸はそんなに高くありません。タンニンはたくさん必要です。ですから収穫量を低く抑えて、質の高いタンニンを得るようにしています。70年代、80年代のワインは、今になっても、まだ飲めません。バランスがひどく崩れています。酸味が強くでグリーンで攻撃的なタンニンのワインがほとんどです。酸がソフトでレベルの高いソフトなタンニンのワイン、今、飲んで美味しいワインが、なぜ、長く熟成しないのでしょうか?タンニンが、ポリフェノールが酸化防止の役割を果たしているわけですよね。それがワインを長く熟成させるわけです。

Q.最近,あなたが造った古いヴィンテージを試飲しましたか?

今の造り方でワインがどのくらい熟成するかを知るのに十分な年月、ワインを造っていません。

Q、1990年のハーランはどうですか?10年経ちましたよね。

ワンダフルです。前より良くなったと思います。ハーランのワインはヴィンテージがベストでなかった年でも,最低20年は十分にもつと思います。非常に良かったヴィンテージ、例えば94年、97年は、保管状態が適切であれば、40年は大丈夫だと思います。

Q,ハーランエステートのベストのヴィンテージは何年でしょうか?

ベストヴィンテージは94,97、2001年だと思います

長時間、どうもありがとうございました。