旱魃とブドウ畑
アメリカ中西部と東海岸は厳寒と大雪に悩まされている。カリフォルニアは旱魃の恐怖が現実になりつつある。
2月中旬に2日間ほど、ソノマとナパを含む北部はちょっとした洪水になった箇所があるくらい雨が降った。ソノマとナパは今の時期のブドウ畑にはまあまあの雨が降ったけれど、この程度の雨量では旱魃問題は解決されない。
毎年、雨季であるこの季節は雨降りが続く日があって、すっかりそれが当たり前と思っていた。今の季節は丘陵地とブドウ畑の下草が瑞々しい緑色なはずなのに、今年は茶色、まるで砂漠のような色合いなのだ。20年以上この土地に住んでいるけれど、こんな色の冬景色を見るのは初めて。2月中旬現在、先週の雨とその後の太陽のおかげで、ブドウ畑は下草が緑色になった。でも丘陵地はまだ砂漠色。
今後多少の雨が降ったとしてもブドウの収穫量が落ちるのは確実。
毎日20度前後の気温の日々が続いたため、カーネロス地区などではブドウの芽が膨らみ始めている。
3月、4月、5月にこの辺りでは霜が降りので、新芽が霜の被害を受けると大変。霜被害予防にスプリンクラーで水を撒くのだけれど、その水が足りないと水を撒くことも不自由になって、発芽したまだ柔らかな芽がダメージを受けてしまう。
それで一機が3万ドルのポータブルの空気を混ぜる霜害予防のファン(大型扇風機みたいなもの)が売れて、ソノマの工場では在庫がなくなって、4月まで手の入らないという。
ブドウ畑とスプリンクラー用の水は、人工貯水湖に冬の雨を貯めるところと、地下水を使うところ、その両方を使っているところがある。冬の雨量に頼っている畑は心配が大きい。地下水を使うところは,超緊急とはいえないけれど、でも地下水の水位が低くなってくるとこちらも危うい。
ブドウ栽培者たちはぶどうの収穫量がゼロという最悪の状況も考慮して、ブドウの保険に入るところが増えている。
旱魃はブドウだけではなくて、カリフォルニアの主産業である農産物にも、大きな影響を与えるので、消費者にとってもつらいところ。
今、大きな嵐がやってくるという天気予報はないけれど、少しでもいいから雨が降ってくれることを祈るばかり。