ブドウ栽培はタイミングが全て (2)
剪定
2015年1月20日現在、剪定が終わった畑、畑の脇に車がずらりと駐車されて、剪定作業真っ最中の畑、まだ剪定されていない畑とある。
剪定をいつするかは天候状態と剪定作業をする人のスケジュール、摘み時をいつにするかなどによって決まる。
雨天が続く時期に剪定すると*ウッド・カンカーという病気に(wood canker disease) に感染するリスクが多い。
剪定を遅くにすると、そのリスクは少ないけれど、その分、発芽も遅くなる。そして発芽が遅いと、霜害を避けることができるという利点がある。ソノマ・カウンティ(多分ナパも同じだろう)では、通常、霜災害の危険は4月15日になると大丈夫とされている。その前に発芽していると、霜が降りると初々しい芽が見事に霜にやられてしまうのだ。毎年霜が降るわけではないけれど、霜害にすっかりやられてしまった年もあったのを記憶している。霜害防止にはスプリンクラーで水を散布して新芽を守る。霜予報が出ると、夜中に寝ずの番をしてスプリンクラーを作動させる。日本のお茶畑でも同じシステムで霜害からお茶の新芽を守っていると知人に聞いた。
また遅くに剪定をすると、発芽が遅くなるから収穫期も遅くなる。遅くなることによって、秋の涼しさが感じられるころまで糖度をあげることが出来るという利点もある。しかし突然に気温が下がってしまったり、雨が降る時期が早くにやってくる年があったりで、安心していられない。
きれいに剪定された畑、まだ伸び放題の枝のままの畑、それぞれ以上の理由があっての状態なのだ。
剪定作業をしている人を眺めながら「初春の風物詩ね」なんて、ロマンチックな気分で車を走らせてるけど、いろいろな思いがあっての剪定なんだよね。剪定時期のタイミングもむずかしいね。
$1* ウッド・カンカー(wood canker disease)
例えばボット・カンカー(Bot canker)とかユーティパ?( Eutypa)という病気。樹齢10歳以上のブドウ樹に見られる。切り取った樹の切り口(傷)にカビ類の胞子がくっついて潰瘍状になって、それが表面にコブみたいなものを発生させる。コルドン剪定のブドウ樹に発生しやすく、ブドウ樹は枯れてしまうこともあるので、この病害を発見したら、その枝を切り取ってしまわなければならない。
コルドン剪定
ケイン剪定