No.22 イタリアンワイン・テイスティング

No. 22-7 Date:2006-05-17

春から初夏にかけていろんなワインテイスティングが開催される。一つの場所で多くのワインを試飲できるいいチャンスだからできる限りでかけることにしてい る。正直言って、イタリアワインについてはあまり詳しいことがわからない。だからもっと面白いともいえるのだけど。113のワイナリーの中から行き当たり ばったりに試飲していく。すごいワインを飲んでみる機会を落としているかもしれない。
イタリアワインのテイスティングはサンフランシスコで開かれていても、注いでいる人はみんなびしっとスーツを着ている。カリフォルニアのテイスティングは注ぐほうも試飲するほうもジーパンで参加する人たちが多い。
「イタリアの貴公子だ!」と思うような濃紺のスーツを着た美男子が目に留まったので、試飲はそっちのけでこの男性の写真を撮ろうと思ったけど、理性(見栄)が邪魔をして浅はかな行動にブレーキがかかった。試飲が終わってから探したけど、もう消えていた!!
あるテーブルに行ったら、今日はシラーしか注いでいないと言ってシラーを注いでくれた。デリケートでシラーの典型的な香りがしてなかなかいい。でも「トス カーナでサンジョヴェーゼではなくてなんでシラー?」という素朴というか、偏見というか、そんな疑問がふと浮かんだ。あんまり混んでいなかったし、とっても誠実そうな背広を着た紳士がじっと私を見つめているので、「失礼な質問かもしれませんが、何でサンジョヴェーゼではなくて、シラーを植えたのですか?」 と聞いたら、「それはグッド・クエスチョンです」と言って熱心に説明してくれた。東トスカーナにワイナリーと畑があるのだが、気候、土壌がクラシックでは ないので、伝統的なキアンティワインは造れないことから、10品種のブドウを植えて実験をしたら、この土地にはシラーの栽培が適していた。100%シラー で3000ケースを生産。総生産量は8000ケースのワイナリー。そして最後に「ワインスペクテーターのトップ100のワイナリーのうち14番に選ばれて います」と付け加えた。恐れ入りました!ワイナリーの名前はTenimenti D'Alessandro、 2003年シラー Cortona II Bosco($50)だった。貴公子の写真を撮り損ねたので、このワイナリーの紳士の写真を撮った。

美味しいと思ったワイナリー:
Isole e Olena
2001 Cepparello
ヨードとフルーツの焦点の定まった香り。甘すぎずエレガントなフルーツ味。ほどよい酸の静かで長いフィニッシュ。品のあるワイン。ここのワインはいつ飲んでも大好きだけれど、高いのだろうな。
Valori
2003 Montepulciano d'Abruzzo Vigna S. Angelo
ヨード香。ライプ。味と香りの焦点が定まっている。ふくよかでコクがある。ほんの少し新漬けの味。熟しているのに甘すぎず、酸味も十分。構成がしっかりしていてイタリアワインとしてはパワーがある。ナイスフィニッシュ。堅実タイプ。
Castelgiocondo
2000 Brunello di Montalcino
ふくよかでほのかな甘味と酸味の口当たりが優しい。ほどよく熟していて中くらいのコクのあるワイン。ほんの少しのブレットがニュアンスになっている。
Greppone Mazzi
1999 Brunello di Montalcino
ちょっとマディラ化した香りがあるけれど、コクがあって口当たりが滑らかでおいしい。フィニッシュは中位。
Elvio Cogno
2001 Barolo Ravera
すでにレンガ色。スパイス。軽やかでこなれた酸のおいしいフィニッシュ。タンニンが十分なので、たくさん飲むと口内にタンニンがくっつくかも。
Casanuova delle Cerbaie
1999 Brunello di Montalcino Ris.
少しの臭みがアクセント。しなやかな熟成味。エレガントで長いフィニッシュ。
Allegrini
2001 La Poja
フルーツとスパイス、ヨード。ほどよい甘味と少しの酸味の長いフィニッシュ。おいしい。
Poderi Marcarini
2001 Barolo Brunate
レンガ色。ヨード。ほどよいフルーツ味。長いフィニッシュ。
Poderi Boscarelli
2001 Nocio dei Boscarelli
ヨード香。軽やかでエレガント。美味しいフィニッシュ。 *ちょっと臭みがあって、シャープな酸味がたっぷりというワインが減ってきているようだ。どのワインも熟したブドウから造られている。世界中のワイン産地で「ワインは熟したブドウから」というのが合言葉?になっているのかも。