No.55 April in Carneros





April in Carneros

ワイン好きの友人がぜひApril in Carnerosというイベントに一緒に行こうというので、約5年ぶりに参加。

名前のとおり、このイベントに参加しているカーネロスにあるワイナリーを巡るという恒例のイベント。友人がいつもは公開していないワイナリーが、このイベントのためにオープンしているので、そのワイナリーを目玉にしてい行こうという。

リストを見たら5年前に比べると参加ワイナリーは15社とぐんと減っていて、名前が通ったワイナリーはあまり参加していない。おまけにお目当てのワイナリーが今年は参加していないのがわかって、ちょっと空気が抜けた。

地図を見ながらナパサイドのカーネロスにあるワイナリーから訪問して、最後はソノマ・ヴァレーサイドのワイナリーに行こうと訪問順番とコースを決める。

ナパ側にあるCeja Vineyardsからツアー開始。このワイナリーはメキシコ出身のアメリア・セハという女性が始めたもので、家族で運営している。この日も自らチケットの受付をしていた。10時からというので、10時30分に行ったら、もうチケット受け取りの長い列。サンフランシスコからやってきたらしいカジュアルな、でもスタイリッシュな服装の若き男女が列を作っている。今年はドレスがインらしい、女性は足首が隠れる長いドレスからミニまで、色とりどりのドレスを着ている。

涼しいはずのカーネロスが朝から暑い。25℃は軽く超えている。ラテンの生バンド演奏、このイベントのメニューらしいタコス1個が入ったお皿をもらい、友人はシャルドネを私はロゼ, 2008年 Bella Flor( $22)を注いでもらって、テーブルを探す。日陰の席はもう陣取られている。太陽がじりじりと腕や背中を焦がす。まだ暑さに慣れていないのできつい。今日は長い一日になるなあと覚悟。

Ceja Vineyardsを終えて、次のワイナリーへ移動。途中で丘陵地のてっぺんから見渡す限りのブドウ畑、そしてはるかかなたに薄い水色に光る湾が見える丘を通過。この場所はカーネロスの私のお気に入りの景色のひとつ。あまりの美しさに息を止めてしまうのはいつものこと。

行くワイナリーが全て、お祭り風なのだと思っていたけれど、そうではなかった。次に行ったのは、倉庫が並ぶ一帯に何社もワイナリーがあって、普通はオープンしていない小さなワイナリーがこのイベントのためにオープン。1箇所で隣り合っているワイナリーの試飲ができるし、エアコンがきいているので、心地良く試飲。ホット一息。ここで、いいワインに出会えたのが嬉しかった。

Parmelee-Hill

ソノマ山の中腹に畑がある小さなワイナリーで精魂をこめてブドウを栽培している。何年も前からこのワイナリーの涼しい地区の特色をもつシラーが好きで買っていた。でもこの日はまだまだ硬く閉じていて、評価が難しかった。この地区でよく知られるアーティザン・オーガニック・チーズメーカーであるCowgirl creameryのチーズが振舞われていた。

2010 年白のローヌブレンド"Dacy" ($28) が印象的。

Talisman Cellars

マータとスコットが経営する、こちらも小さなワイナリー。マータはカレラの販売も担当しているので、知っている方もいるかもしれない。私が探しているしっかりしていてエレガント、畑の個性をきちんと反映し、バランスの取れたピノに出会えた。5つの単一ブドウ畑のピノが出されていた中で、特にいいと思ったのが、この3つ。マッシュルームのパスタが、ここの料理だった。

2008 Red Dog Vineyard Sonoma Mountain ($48)

2008 Adastra Vineyard ($50)

2008 Wildcat Mountain Carneros($45)

Enkidu Wines

ここも小さなワイナリー。ソノマのプラザにあるレストランGirls &figの料理が1品。

2009 年ソーヴィニヨン・ブランKick Ranch($25)

2008 年プティ・シラーDiener Ranch($34)

次はサンフランシスコへ抜ける道筋にある2つのワイナリーのテイスティングルームでMeadowcroft WinesとKeating Winesを試飲。この辺りまで来ると午後を回っていて、暑さに弱い私は、赤のテイスティングはしんどくなってきた。消費者として参加したのだから楽しめばいいと気持ちを切り替えて、バンドの生演奏を聞きながら、ソーヴィニヨン・ブランを飲む。

午後2時30分、Schug Carneros Estate Wineryへ向かう。ドイツ系の家族が経営する。丘の上にあるワイナリーに向かう景色が美しい。この暑さでブドウの芽がぐんぐん伸びて、柔らかな緑色が丘陵地を埋めている。このイベントのためにセッティングしたテントへ。暑い!友人はタフ、しっかりと試飲している。ポテトサラダとクリームスープも食べてる!!いけ面の青年がメルローを注いでいたら、しっかりと質問をしている。立派!

2009年ピノ・ノワール Sonoma Coast($24)が良かった。 シャルドネとロゼも扇風機の前に陣取って飲んだのだけれど、頭がぼーっとしてメモを取るのを忘れてしまった。我が家から近いので、もう一度行って、試飲してみたい。

この日最後のワイナリー、Robledo Family Wineryへ向かう。メキシコ系アメリカ人が経営するワイナリーで、10人ほどいる兄弟が全員働いている。移民としてやってきた父親が必死に働いて、お広大なブドウ畑をソノマ、ナパ、メンドシーノに所有。アメリカンドリームを実現したワイナリー。風が吹きぬける広いテラスにそろそろ涼しげな風が吹き始めた。2009年ソーヴィニヨン・ブランを飲む。ここのソーヴィニヨン・ブランは地元では人気がある。

メキシコ料理、タマリ(とうもろこしの粉を練って厚めの皮を作り、中に肉とか野菜を入れて細長い楕円形に丸めて、とうもろこしの皮で包んで蒸したもの)はオープン2時間後に全部さばけてしまって食べ物はなし。

ストレッチリムジンや小型のツアーバスを借り切ってワイナリーを巡っている数グループがいた。これはいいアイデア。酔っ払い運転の心配がないし、割り勘にしたら、それほど高くない。思う存分に楽めそう。