新しいスタイルのカリフォルニアのピノ・ノワール
ピノ好きの皆さんにとって、カリフォルニアのピノのイメージはどんなところでしょうか?
ワインスペクテーター誌やパーカーが高い点を付けるタイプのピノがいい方もいることと思います。このタイプのピノを楽しく美味しく飲むのも素敵なこと。
確かに良くできているのは美味しいです。
主流のフルーティで過熟気味のブドウから造られたピノ・ノワールを飲んでいて、
「ピノとして何か違うなあ」と、この数年間感じていました。ここだけの話だけど、「もしかしてシラー?それならピノを飲まなくてもシラーを飲めばいいことだし、、」なんて、ごにょごにょ、、、。。
それでレースのようなエレガントなピノを探していました。
2年前に「カリフォルニアのピノ・ノワールのバランスを追求、California Pinot Noir In Pursuit of Balance」というテーマの試飲会に行って、新しいタイプのピノを試飲して、私が探していたカリフォルニアのピノはこの中にあるって感じたのです。
今、新しいスタイルのピノを生産する動きは静かに広がっています。実際、今年もこの試飲会に参加したのですが、サンフランシスコのメディア、ソムリエ、レストラン関係者たちで、一杯でした。サンフランシスコの最もホットな試飲会と囁かれていたほどです。
それが今回のソムリエ協会でのセミナーのテーマになった次第。
で、新しいスタイルのピノって?
こんな感じです。
- 新しいスタイルのピノ・ノワールのキーワードは「バランス」
- 新しいスタイルのピノ・ノワールは明確にテロワール、畑の個性、栽培地区の特色を反映している。
- 太陽の日差しをたっぷりと浴びていながら、決して過熟ではない。
- フレッシュな酸味、そして味わいが何層にも重なって続く。
- エレガントで、ブドウが育った土壌、気候を明確に反映している。
幸運なことにこのテーマでの試飲会の提案者であるラジ・パーさんが,ソムリエ協会セミナーのゲストの一人として来てくださいました。
この試飲会のために書かれた「ピノ・ノワールのバランスとは、そしてなぜそれが大切か?」という一文を引用させていただきます。
「全てのワインの基本はバランスだ。バランスがとれたワインとは、大雑把に言うと、フルーツ、酸味、構成、アルコールといったさまざまな要素が共存しているワインといえようか。ワインのさまざまな要素のどれかひとつだけが突き出ている、あるいはひとつの要素が少ないと、ワインの基本的な自然の姿が変わってしまう。
非凡なピノ・ノワールはデリケートで釣り合いが取れていて優美で、ブドウが育った土壌、気候を明確に反映している。バランスの取れたピノはこれらの特徴が最高の形で表現され、どの要素のひとつも優勢になっていない。」
次回は、では新しいスタイルのピノを造るためには?ということについて書きます。