新しいスタイルのカリフォルニアのピノ・ノワール その2
なぜこのスタイルを追求?
醸造家の方たちとの会話なのかで,なぜ新しいスタイルのピノを造り始めたのか、私がつかんだアイデアをざっとあげてみます。
- ボディ豊かなピノ・ノワールは、数年たつと、良いワインはなくなっているケースが多い。
- それに過熟ブドウから造られたこのタイプのピノ・ノワールはテロワールを反映していない。
- バランスのとれたエレガントな長く熟成させることができるピノ・ノワールがあってもいいのではないか
といったところでしょうか?
ある日、突然に変えたというのではなく、ゆっくりと革新していったと、どの醸造家も言ってました。
よりベターなものを造ろうと実験を繰り返していく中で、自分のスタイルを見つけたということでしょう。
目指すスタイルのワインって?
目指すスタイルは:
- 十分に熟しているのに過熟したフルーツの甘さが感じられず、きれいな酸が印象的であること。
- フィニッシュが長いこと。
- エレガントでバランスが取れていること。
- 長く熟成させることが出来ること。
そういうスタイルのピノ・ノワールを造るための要素
1.ブドウ畑を厳選:
- 畑が涼しい地区にあること。
- 標高が高めの土地が望ましい
- 太平洋から涼しい風が吹いてくる畑。
- 太陽光線を浴びるけれども浴びすぎない畑。ということは十分に熟するけれど、酸を失わず、ブドウの味が凝縮したものが育つ。
2.クローンの選択:オールドクローン(マーティニクローン、ワデンスウイルセレクション)からディジョンクローン(113,114,115,667,777)に植え替え。
3.キャナピーマネージメント;栽培技術の進歩、シュートシニング(余分な若い枝を取り除く)、摘葉、摘房(グリーン・ハーベスト)といった作業をまめにする。
3.ブドウを摘むタイミング:
糖度は低めで摘む、それは未熟なブドウを摘むということではない。
4.ブドウを優しく扱うこと:
えれがんとでnttode ブドウを型にはめようとして操作をしない。例えば新樽で樽香を強くするとか、糖度が高くなるまで待って摘んだブドウに水を加えて発酵をスムーズにするとか、アルコール度を低める操作をするといったことは、全くしない。
(続く)
この後は参加してくださったワイナリーについて書きます。