No.44 ワインバイヤーたちが見るワイン市場

No. 44 Date:2010-3-03

ワインバイヤーたちが見るワイン市場

2月末に大手コストコ、地元のワインショップ、レストラン、フレンチランドリー&ブションのバイヤー、プランプ・ジャックのバイヤーたちがワイン市場について浅く軽く話す集まりがあった。そのときの彼たちの話をまとめてみた。

今、何がよく売れてる?

コストコ
グッド・ヴァリューの価格帯が1本20-35ドルのカベルネ・ソーヴィニヨンが良く売れている。その次がジンファンデル、ピノ・ノワール、ローヌ系のワインもよく売れる。

ソノマ・マーケット(グルメ食品と高品質のワイン店)
シャルドネが一番良く売れている。次はピノ・ノワールで、サイドウエイの映画の前からだ。サイドウエイの前からメルローは売れない。ジンファンデルは良く 売れている。ソノマ・カウンティは良いジンファンデルが生産されているからだ。シラー、ローヌ系ブレンドのワインもよく売れている。これは私個人が好きな ワインなので、お勧めするからだ。

プランプ・ジャック
1本が100-50ドルのカベルネを飲んでいた人たちは、今25ドルのカベルネを飲む。飲みなれたワインを飲みたいけれど、大金は払いたくないということだ。
シラーについては、多くの人が話題にしているから将来売れるようになるだろう。売り手の好き嫌いに、今は影響されている。

JVワインショップ
1本が20ドル前後のカベルネとシャルドネがよく売れている。シャルドネはノーオークが人気。ソーヴィニヨン・ブランも良く動く。

フレンチ・ランドリー
ニューヨークはブルゴーニューの赤、それからピノ・ノワールとシャルドネ。
ナパはローカルのワイン。
ロサンゼルスはニューヨークほど極端ではないが、ニューヨークと似ている。ボルドーのワインもよく出る。それからノーオークのシャルドネと、ソーヴィニヨン・ブラン、バランスの取れたカベルネのブレンド。

レストラン・カーネロス
一番売れているのはピノ・ノワール。次にシャルドネとカベルネが売れている。これからはソーヴィニヨン・ブランとロゼが良く出るだろう。
今、消費者はインターネットでいろんな情報を得ている。すごいスピードでワインと料理の組み合わせも学んでいる。

 

グリーン

コストコ
難しい。あまり売れていない。オーガニック栽培のブドウ、オーガニックワインの違いなど消費者に理解されていない。オーガニック、そしてバイオダイナミックスってなんなのか、どこがどう違うのか、消費者は混乱している。

ソノマ・マーケット
まだグリーンとは何なのかよく理解されていない。アメリカではオーガニックワインは質が不安定と思っている人が多い。

レストラン・カーネロス
今、サステイナブルの栽培さえも取り入れていないと、その栽培者は敗者だ。オーガニックで栽培したブドウのピュアーな味わいを大切にしたい。
オーガニックで栽培したブドウを使用しているワインを、ヨーロッパでオーガニックワインとしている。アメリカはオーガニックで栽培されたブドウを使ってさ らに瓶詰めのときに亜硫酸ガスの注入をしていないものでなければオーガニックワインと呼ぶことを禁止している。それがオーガニックワインの混乱の原因に なっている。瓶詰めのときに亜硫酸ガスを注入していないワインは安定しないので、ボトルによっては美味しいワインであったり、すでに劣化してしまっていた りということが生じるため、アメリカの消費者の中ではオーガニックワインは信頼できないという風潮がある。ワイナリーによってはオーガニックでブドウを栽 培していても、オーガニックワインと誤解されて質の安定を疑われるのを避けて意図的にオーガニック栽培ということを記載していない場合もある。