No.54 ラベルとワイン産地名



ラベルとワイン産地名

1990年代後半にナパ・ヴァレーで栽培されたブドウを使っていないのに、ラベルにナパの名前を使っているワイナリーがあることから、これを阻止しようという動きがでて、今は世界中にこの動きを広げている。

ブロンコ・ワイン社がナパ・ヴァレー以外の地区で栽培されたワインから生産したワインをNapa Creekと Napa Ridgeというラベルで販売したことから、消費者にナパのワインだという誤解を与えるとしてナパ・ヴァレーのワイン生産者たちが反対の声をあげたことから始まったもの。

2000年にナパとラベルに記載するには、最低70%のナパ・ヴァレーで栽培されたブドウを使っていなければならないという州の法律が規定された。ブロンコ・ワイン会社は訴訟を起こしたけれど敗訴。

現在、ナパ・ヴァレーではチリでナパ・ヴァレーという新しい地区が現れたことを憂慮している。

タイではナパとラベルに記載されているけれども、ナパで栽培されたものではないブドウを使っているワインは売らないという条件に同意。

その昔、カリフォルニアで生産されたワインのラベルにブルゴーニューと記載されている安いワインがあった。シャンパンもそうだけれど、フランスのブルゴーニュやシャンパンーニュ地方の生産者たちが反対の声をあげた。その当時、まだワインセンスが未熟であったカリフォルニアでは、何でそんな小難しいことを言うの?って言う雰囲気がないでもなかった。でも現在はこれは国と国との戦いというより、消費者保護が目的という認識に変わっている。

とは言うものの、アメリカ国内での矛盾もある。2006年にアメリカ政府はシェリー、シャンパン、ポートといった名称を使わないという協定に署名をしたけれど、協定前からこの名前を使用しているワインは免除となっている。